磁気探査で気まずい瞬間「50センチでお願いします!」

 磁気探査は主に不発弾を探す仕事

 不発弾は主に鉄で作られているので磁気を持っている。その磁気を検知する特殊なセンサーを使用して不発弾を探している。

 このセンサーは探査している地面の50センチ下までの範囲を正確性の高い探査をすることができる。なので、2メートルや3メートルなどの深い深度を掘削する時は50センチ毎に掘り進めることが基本となっている。

 掘削をする時は人がスコップなどで掘っていくが、現場によっては重機を用いる場合もある。重機作業は同じ現場の業者の方や、外注の重機オペレーターさんにお願いする時があるのだが、そこで気まずい瞬間がある。それは「50センチづつ掘ってくれ」とお願いする時である。
 磁気探査は「探査してから50センチ掘削する」を繰り返し行う方法で掘削の完了する深度までを安全に掘り進めていく。だが、この方法は重機オペレーターさんからするとイライラが溜まってしまう。理由は、探査が無ければすぐに完了の深度まで掘って仕事を終わらせられるから。

なのでこちらが探査を終えて、
「また50センチ下まで掘削お願いします!」
と言うと、イライラしたオペレーターさんから
「また50センチかよ!」
と嫌そうな顔で言われてしまう時がある。
こっちはお願いをしている立場なので
「はい!毎回すみません!お願いします!」
と頭を下げて基本的にお願いする立場をキープする。

 工程をさっさと進めて終わらせたいオペレーターさんの気持ちは分かる。「分かる」というか「めちゃくちゃ分かる」。仕事なんて誰だって早く終わらせたいし、工事には納期があるので早く進めたい気持ちは一緒だと思う。
 だが、こっちはこっちでセンサーが正確な探査のできる範囲を守って掘り進めていかないといけない。もし、自分たちがテキトーに探査をした範囲から爆弾が出てきた時は色んな意味でおしまいだ。
 
 重機での掘削はどこの現場でもありえるし、どこかの現場で一緒だったオペレーターさんとまた一緒に仕事をする時もある。「相手より下手に出てお願いをするスタンス 」を崩さないようにすることが現場を円滑に回すコツかもしれない。

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