磁気探査 「不法投棄」

 磁気探査の主な仕事は不発弾を見つけること。
 不発弾の多くが鉄製なので磁力を持っている。磁力に反応する特殊なセンサーを用いて地中や海中を探査することにより、不発弾を探していく。

 地中に反応があった時は、反応物を探し当てるまで重機や人力で掘削していくことになるが、その時に不法投棄されたガラクタたちを掘り当てることがしばしばある。以前、プレハブがそのまま埋まっていたことがあり、新入社員の自分は「嘘だろ!」とあきれた気持ちで言葉が出なくなってしまったが、現場のベテランの方々は「こんなのはよく出るし、もっとすごいものあるぞ!」と笑っていた。

 この不法投棄は限られた地域ではなく、どこの現場でも見られるものだと知った。以前は、「不法投棄はお金の無い人が不用品を野山に捨てるもの」という見方をしていたが、今は「不法投棄は老若男女、貧富や地域の差は関係なく行われるもの」という見方に変わった。

  不法投棄を磁気探査の目線で見ても、磁力の大きいガラクタのせいで正確な探査ができなくなったり、撤去に時間がかかって工程が遅れるなど良くないことだらけ。「どうにかならんのかねー!」と現場で毎回言ってしまうが、自分たちの力では、地中に埋まっているガラクタはどうにもならないし、たぶん今も増え続けているであろうガラクタもどうにかすることはできない。


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