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■タイトル 「壁の色が教えてくれたこと」


山田太郎は、ある日、自分の部屋の壁を見つめていた。壁は白かった。いつもと変わらない退屈な白だった。

突然、壁から小さな声が聞こえた。「ねぇ、太郎くん。」

太郎は飛び上がった。「え?誰だ?」

「私だよ、壁だよ。」壁が答えた。「君をずっと見てきたんだ。毎日同じことの繰り返しで、退屈そうだね。」

太郎は目を擦った。「壁が…話している?俺、狂ったのかな。」

壁は笑った。その瞬間、壁の色が虹色に変わった。「君は正気だよ。ただ、人生をもっと楽しむべきだと教えに来たんだ。」

その日から、太郎の人生は激変した。彼は壁の助言を聞き、新しいことに挑戦し始めた。バンジージャンプに挑戦したり、料理教室に通ったり、外国語を学んだりした。

ある日、太郎は壁に尋ねた。「なぜ僕に話しかけたの?」

壁は真っ赤に変わり、恥ずかしそうに答えた。「実は…僕も白いままでいるのに飽きていたんだ。君の人生が変われば、僕も色々な色に変われると思って。」

太郎は大笑いした。「お互い様だったんだね。」

そして、太郎と壁は親友になった。毎晩、太郎は壁に一日の出来事を話し、壁は様々な色に変化して太郎を楽しませた。

部屋の外から見ると、夜な夜な一人で笑う太郎は少し怪しく見えたかもしれない。しかし、太郎の人生は色とりどりになり、毎日が冒険となった。

ある日、太郎が仕事から帰ると、壁が深い青色に変わっていた。

「どうしたの?」太郎は尋ねた。

壁は静かに答えた。「太郎くん、君はもう十分強くなった。これからは、実際の人々と交流する時間だよ。」

太郎は少し寂しくなったが、壁の言葉の意味を理解した。彼は深呼吸をし、外に出た。

それ以来、太郎の部屋の壁は普通の白い壁に戻った。しかし、時々、誰もいない部屋で、壁がほんの少し色を変えるのを見た人もいるという。

太郎は今、世界中を旅している。そして、彼が出会う人々に、こう語るのだ。

「人生は、あなたが塗り替える壁のようなものです。どんな色にでもできるんです。」



■タイトル 「10番目の神様」


佐藤一郎は、世界で最も退屈な仕事をしていた。彼の仕事は毎日1から10まで数えること。それだけ。給料は良かったが、一郎の精神は崩壊寸前だった。

365日目。一郎は機械的に数え始めた。

「1、2、3、4、5、6、7、8、9...」

その時だった。「10」と言おうとした瞬間、まばゆい光に包まれた。

目を開けると、一郎は雲の上に立っていた。目の前には9人の立派な神様が並んでいる。

「よくぞ来た、佐藤一郎」と、中央の神様が語りかけた。「君は、『10番目の神様』に選ばれた」

一郎は混乱した。「え?何のことですか?」

「説明しよう」と別の神様が口を開いた。「我々は『数の神』だ。1から9までの数を司っている。だが、10を司る神がいなくて困っていたんだ」

「でも、なぜ僕が?」と一郎。

「君が365日間、ひたすら数え続けたからさ。その献身と忍耐は神の資質そのものだ」

一郎は笑い出した。「冗談でしょう?僕はただのサラリーマンです。神様になんて...」

すると、1の神様が厳しい顔で言った。「我々を侮辱するつもりか?」

一郎は慌てて頭を下げた。「い、いえ!そんなつもりは...」

「冗談だよ」と1の神様。他の神々も大笑いした。

「神様にもユーモアが必要でね」と7の神様がウインクした。

そして一郎は、10の神様として天界でのトレーニングを始めた。彼の仕事は、世界中の「10」に関することを管理すること。10周年、10代の悩み、完璧を表す10点満点など、意外と忙しい。

ある日、4の神様が一郎に尋ねた。「地上の仕事は辞めたのか?」

一郎は慌てた。「あ!忘れてた!」

神様たちは再び大笑い。「大丈夫、時間は止めてあるよ。ここでの1000年は地上の1日なんだ」

一郎は安心したが、同時に不思議に思った。「でも、僕がいない間、誰が数えてるんです?」

9の神様が答えた。「新入社員の田中くんさ。彼も、そのうち11の神様候補になるかもね」

それを聞いた一郎は、「ちょっと待ってください」と言って、急いで地上に戻った。

オフィスに到着した一郎は、田中くんに近づき、こっそり耳打ちした。

「11まで数えてごらん。きっといいことがあるよ」

そう言って、一郎は満足げに天界に戻った。「これで、11の神様の誕生も間違いなしですね」

神様たちは苦笑いしながら、一郎の肩を叩いた。「君は、良い10の神様になりそうだ」

こうして、一郎の新しい人生(というか神生?)が始まった。彼が天界で働く姿を、地上から見上げると、ちょうど10個の星がキラキラと輝いて見えるという。

だから、夜空を見上げて10個の星を見つけたら、それは佐藤一郎が頑張っている証かもしれない。彼に向かって「11」と叫んでみるのも、案外面白いかもしれない。



■タイトル 「点から始まる宇宙」


.

これは全てが始まった瞬間だった。

宇宙開発局の天才物理学者、ドット博士は、彼の最新の発明品「ユニバース・シミュレーター」のスイッチを入れた。画面に現れたのは、たった一つの点だった。

「何てことだ!」助手のライン君が叫んだ。「何か間違いがあったんですか?」

ドット博士は髭をしわげながら答えた。「いや、これで正しいんだ。我々の宇宙は、この一点から始まったんだよ」

その瞬間、点が激しく明滅し始めた。

. . . . .

「まるでモールス信号みたいですね」とライン君。

ドット博士は目を輝かせた。「そうか!これは...メッセージかもしれない!」

二人は必死になって解読を試みた。そして、ついにメッセージの内容が明らかになった。

「助けて。私は別の宇宙の科学者です。実験中に事故が起き、一点に圧縮されてしまいました」

ドット博士とライン君は唖然とした。彼らが見ていたのは、縮小された別の宇宙だったのだ。

「どうすれば助けられるんでしょう?」ライン君が尋ねた。

ドット博士は考え込んだ。「うーむ、この点を拡大する必要がある。しかし、そんな技術は...」

その時、点が再び明滅した。

「気をつけて!あなたたちの宇宙も、誰かのシミュレーション実験かもしれません」

ドット博士は青ざめた。「まさか...我々も誰かの実験なのか?」

突然、研究室全体が揺れ始めた。天井から巨大な目が覗き込んでいる。

「おやおや、面白い展開になってきたぞ」という轟音が響いた。

ドット博士とライン君は必死に叫んだ。「私たちはシミュレーションじゃない!本物の生命なんです!」

巨大な目の主は驚いたように瞬きをした。「おっと、これは予想外だ。君たちが自意識を持つとは」

しばらくの沈黙の後、巨大な声が再び響いた。

「よし、決めた。君たちの宇宙も、君たちが発見した点の中の宇宙も、全て解放しよう。自由に発展するがいい」

そう言うと、研究室は急速に拡大し始めた。同時に、シミュレーター内の点も大きく膨らみ、新たな宇宙が誕生した。

ドット博士とライン君は、突如として無限に広がる宇宙の中心にいた。彼らの周りには無数の銀河が、まるで花火のように誕生しては消えていく。

「すごい...」ライン君が息を呑んだ。「私たちは、宇宙誕生の瞬間を目撃しているんですね」

ドット博士は静かに頷いた。「そして同時に、我々自身の起源も知ることになったわけだ」

彼らの前に、先ほどの点から解放された科学者が現れた。「ありがとう、そして、ようこそ」

三人は顔を見合わせ、大笑いした。彼らの笑い声は、新たに生まれた宇宙全体に響き渡った。

その日から、「点」は単なる記号ではなくなった。それは、無限の可能性を秘めた宇宙の種。そして、誰もが自分の中に、新しい宇宙を生み出す力を持っているという希望の象徴となったのだ。

次に「.」を見たとき、あなたは何を想像するだろうか?それは単なる句読点か、それとも...まだ誕生していない宇宙なのか?

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