見出し画像

短編小説 心の在り処3

「23日ね!美味しいところ連れて行くから楽しみにしててね!」

そう返信して、別のトーク画面を開く。

「だから、しつこい。もう終わりにしよう。」

E子からの返事を読み、少し考えてから文字を打つ。

「俺のどこが悪かった?直すから教えてくれない?」

下手に出てみるも、E子からの返事はない。既読にもならないので、ブロックされたのかもしれない。

E子とは付き合って1年経ったが、最近は機嫌が悪いことが多く、どこへ連れて行っても何をプレゼントしても反応が悪かった。

まだ11月にもなっていないが、早めにクリスマスの予定を立てようとしたのが失敗だったようだ。

先の予定はまだわからないとE子が言うので、クリスマスに会えないなんておかしくないか?と問いただしたのがまずかった。

これ以上束縛しないで、と急に怒り始め、挙句の果てに日頃の不満をこれでもかとぶつけられた。

女というのは本当にわからない生き物だ。

マメに連絡して、よく褒めて、落ち込んでいたら慰めて、キレイな景色を見せたり美味しいものを食べさせ、定期的に贈り物をしても、ある日突然別れを告げられる。

たくさんの恋愛指南書でテクニックは磨いたつもりだが、いつも1年が経ったあたりでうまくいかなくなる。

一体、俺の何が悪かったのだろうか?

つづく

読んでいただいてありがとうございました!サポートして頂いた分は、占星術に関する書籍購入や、CafeHikkiの開店運営資金、音楽活動もしくは古民家リノベーション費用に使う予定です(^^)