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砂浜も熱い

電車に乗って海に行った。毎週日曜の早朝にやっている打ち合わせがいつもより早く終わって、一日何をしようかとぼんやり考えていた。ふと電車に乗ってどこかへ行こうと思って時刻表を調べてみたら、ちょうど10分後に糸魚川行きの電車が出るところだったので、急いで支度をして電車に飛び乗った。どこに行くかも考えていなかったが、電車の中なら涼しいし本も読めると思って、しばらく電車に揺られていた。スマホで地図を開き、どこか面白そうなところはないか、良い気分転換になりそうなところはないかと眺めていたら、富山が意外と日帰りで行けそうだということに気づいて、富山に行くことにした。ちなみに電車で読んでいた本は、「原稿用紙10枚を書く力」という本。早速触発されてこれを書いているわけだ(笑)。

行きはちょうどいい電車の接続がなかったので仕方なく新幹線に乗り、糸魚川からは30分ほどで富山に着いた。ちょうど美術館が開館する時間だったので、歩いて美術館に向かった。暑かったけど、海が近いからか心地いい風が吹いていて、歩くのはそれほど苦にならなかった。駅前ではイベントの準備をしていて、久しぶりに人の多いところに行ってなぜだか少し心が落ち着いた。美術館の前には民芸に関する企画展のポスターが貼られていたが、残念ながら会期は来週からだった。常設?のコレクション展は、それほど数は多くなく、小一時間ほどで見ることができた。印象に残ったのは、音楽に関するポスターの展示で、YUKIのスタンドアップ!シスターのポスターが気に入った。文字が虫や動物で描かれていて、そのタッチの細かさとユーモア、動きのある感じが見ていて飽きなかった。曲を知っていたからというのもあるかもしれない。

それから富山市内の建築でも見に行こうかとか、本屋に行こうかとか色々考えたが、あまりお金を使いたくなかったのと気持ちが落ち着く静かなところに行きたかったので、路面電車に乗って海に行くことにした。市内からは30分ほどの距離だった。路面電車の終点のすぐ近くが海水浴場になっていて、そこでぼーっとしようと思ったけど、気づいたら裸足になって海に入っていた。暑くて我慢できなかった。帰りの電車の時間があったからそんなに長居はできなかったけど、冷たい水が気持ちがよかった。足を海にいれるだけで暑さが和らいだ。一度海に入ったら途端に帰る気が失せてしまったけど、15分くらい沖の方を見ながら突っ立って、来た道を戻ることにした。靴に砂が入るのが嫌だったので裸足のまま砂浜を歩いていたら、段々と足裏が熱くなってきて、しまいには歩いていられないほど熱くなった。一人でジタバタしてたのは周りから見たら滑稽だったかもしれない。最近の屋根仕事で足裏が熱くなることには慣れていると思ったけど、仕事の時は靴下も靴も履いているわけで、裸足の砂浜には太刀打ちできなかった。砂浜は白っぽい茶色で、ルーフィングを貼ってる時の真っ黒な屋根よりはましだと思ったけれど、その期待は見事に外れた。砂がついた裸足のまま靴を履いて木陰に逃げた。近くにいた子どもが、これが冬だったらよかったのにと言っていたけれど、ほんとその通りだと思った。

その後は再び路面電車に揺られて富山駅に向かい、それからローカル電車とバスを乗り継いで家まで帰ってきた。良い日曜日だった。

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