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その5:絵画小説 誘惑(2)

前置き
著作権が切れた文献を無料公開している「国立国会図書館デジタルコレクション」。10年以上以前、近代デジタルライブラリ—時代からウォッチしている私が、何の専門知識もなくご紹介しております。
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「絵画小説 誘惑」千葉春村 大正7年
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/909023

前回の続きです。さくっと簡単に流すつもりがなんだか楽しくなってきたよ!人間、どこで光明を見出すかわからないもんだね!

異母妹の俊子と継母に強引に身支度させられ、炭鉱王の元にいざなわれる千代子。

ところが何と!炭鉱王の屋敷へ着くやいなや、偶然にも隣家が火事騒ぎだ!混乱に乗じて逃げる千代子!そんなうまい話があるか!と思ってもここは我慢だ!
千代子は女学校時代の親友、咲子のもとへ向かったのであった。

一方、千代子が行方知れずになって一か月、千代子の身を心から案じていたのが多澤家に仕える下男の爺や。いつの間にそんな接点があったのか。世界にはわからないことだらけだよ。
爺やが娘が仕える邸宅へ訪れてみると、おや!千代子奥様がいらっしゃるでねぇか!何とすごい偶然でしょうまたかよ!爺や、引き寄せの法則を発動。
「大丈夫です、奥様がここにいらっしゃることは決して(多澤に)漏らしはいたしません。私が朝昼晩神様に奥さまが見つからねえやうにとお祈りして居りますもの。決して御心配には及びません。」
爺や、引き寄せに続きなぞの自信。

こんな状況にも関わらず、呑気に「三越へ着物を買いに行きましょうよ」と千代子を連れ出す迷惑な大親友・咲子。

案の定あっさり多澤夫妻に見つかる。
そらあんなに盛大なフラグ立てたらな。そらな。素人でもわかるわ。
一方、倫敦に留学中の千代子の夫・信次。千代子に手紙を送るも返信はなし、毎月金を送ると言った多澤からの援助もストップ。多澤夫妻や千代子に忘れられそうになっているんじゃないのか。私は忘れてたよ!

金がなく家賃に困った信次、唐突にヘラルド社の従軍記者募集に応募し、英国軍に同行し戦地へ赴くのであった。
…いや待て待て。その行動力、日本にいる時に活かせなかったのか!?
まったくもってこの信次という男、意味がわからない。

そして唐突につづく。(次で終わるよ!)

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