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その7:誘惑続編 絵画小説 荒浪(1)

前置き
著作権が切れた文献を無料公開している「国立国会図書館デジタルコレクション」。10年以上以前、近代デジタルライブラリ—時代からウォッチしている私が、何の専門知識もなくご紹介しております。
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「誘惑続編 絵画小説 荒浪」千葉春村 大正7年
http://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/907136

前作の「誘惑」はこちら。ぜひ「誘惑」からお読みください。てかそっちから読まないと意味が分からない。
それと「誘惑」は一読してからここを書いたんですが、「荒浪」は読みながら進めていこうと思います。フー!ライブ感!フー!

「誘惑」に続き、また「同誌(掲載誌・婦女界のこと)三十萬の愛読者の方々に…」と世迷言が書かれておりますが、婦女界の発行部数は五万部だったことはしつこく明記しておきます。私の目の黒いうちはごまかせないよ!
てことで、冒頭現れる赤垣源蔵気取りのなぞの男性。
いや誰やねん。赤垣源蔵気取りと言われても、こっちは赤垣源蔵がわからないんだよ。(※調べたら赤穂浪士のひとりだった…)

次ページで赤垣源蔵気取りの男の正体がわかるのかと思いきや、意外にもわかったのは、前作「誘惑」の最後に出てきた銭湯の名称が「柳湯」だったこと。ちなみにさらに次のページでは親友・咲子の邸宅が千駄ヶ谷にあるということがわかる。これらは何かの伏線なんだろうか!ないな!多分、ないな!

ここから前回、銭湯から逃げ出したその後が明かされていく。銭湯裏に爺やが手配していた車に乗って逃げ出した千代子。爺やは車夫に千駄ヶ谷の咲子の元へ行くよう告げていたが、咲子へ迷惑をかけてはならぬと、千代子は行く先を東京駅に変えたのだった。また勝手なことを。
車夫からそれを聞いた咲子、慌てて東京駅へ向かう。
そして咲子からの提案。「うちがダメなら、私の絵の先生にお願いしてあげるわ!」
相変わらず迷惑極まりないふたり。

しばし日本画の大家、川瀬國方に世話になる事になった千代子。ところで話変わって(よくわからない伏線増えてきた)國方の息子の春方は、父の才能を受け継いで若い頃はその才能を開花させたものの、三年前に婚約者を亡くしてからは絵筆を持たず、酒と色に溺れる日々を送っていた。
ところがそんな折、美しい千代子が実家に現れて暮らしはじめた。ときめく春方。元気を出してふたたび絵筆を持つ春方に喜ぶ父・國方。
いやいやいやいやいやそれは別の問題が起こりそうだよ!!!
なんだよ千代子!もしかするとこいつぁとんでもねぇ悪女なんじゃねぇのか!

國方と春方の元で絵の修行をしながらつつましい暮らしを送る千代子。春方も亡くなった婚約者・絹子の思い出話などを千代子に語るのであった。それにしても千代子、いい加減に夫・信次を思い出してもいいんじゃないのか。
——そんな折のことである。

千代子がスケッチブック片手に野山を散策していると、目の前に落ちる飛行機。かけよって見てみると、操縦者は即死。そしてそれはなんとあの、夫・信次であった!!!(「片時忘れぬ」って書いてるけど、絶対忘れてたよね!作者もね!)

色々気になるであろうが(私が一番気になっているよ!)次回へ続くよ!

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