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川崎ヘイト街宣へのカウンター - 2021年10月9日(土)/神奈川県川崎市

2021年10月9日(土)、神奈川県川崎市川崎区(JR川崎駅北口東)で行なわれたヘイトスピーチ街宣に対する抗議(カウンター)の記録

 全国に先駆けて罰則付き差別禁止条例(「川崎市差別のない人権尊重のまちづくり条例」)が昨年7月1日に全面施行された川崎で、また差別主義者集団による街頭宣伝活動が行われた。
 この街宣を行ったのは、これまで川崎駅前で差別的言動を含む内容の街宣を繰り返し行ってきた「日の丸街宣倶楽部」だ。そんな街宣に対して、差別を許さない人々が多数集まり激しい抗議を行った。
 レイシスト(差別主義者)が街宣を行うのであれば、アンチレイシストも抗議を行う。法律や条例が完全に機能しないのであれば、市民の手で差別者から居場所を奪うべく罵声を浴びせ中指を突き立てる。

【動画】

2021.10.9川崎ヘイト街宣へのカウンター(8分11秒)

 今回はいつもと違った場所で行われた街宣だったので、可能な限り位置や場所がわかるよう写した。普段と違った川崎駅前でのカウンターが見られる映像なので、そういった意味では視聴する価値はあるかもしれない。

【写真】

 ここどこ? と思った方も多いかもしれない。これまで川崎駅前での街宣は、人通りの多い中央東口の「東口駅前広場」で行われてきたが、今回はそこから少し北に位置する「北口東」で行われた。
 この「北口東」というのは、2018年に新設された北改札の東側出入口で、京急川崎駅へ乗り換えやすいこともあって通行量もそこそこある。そんな「北口東」のアゼリア地下街への階段の側面に陣取って街宣が行われていた。
 ターミナル駅である川崎駅は利用者が多く大勢の人が通行しているのだが、街宣が行われた場所は駅前にもかかわらず本当に人目につかない場所だった。警察も警備をコンパクトに行えるし、いい場所を見つけたと思っているのではないだろうか。


 日の丸扇子を手に持って余裕があるように装っている「日の丸街宣倶楽部」渡辺賢一代表だが、過去に二度も逆上してカウンターに暴行を加えたことがある。内心、袋小路と言ってもいいような場所に追いやられて相当にイラついていたはずだ。


 代表の渡辺氏を含め、他の参加者もコミカルとも言えなくないような雰囲気があるが、彼らが札付きの極右レイシストであることを忘れてはいけない。
 ネットでの差別行為にとどまらず、外国人が多く済む川崎の街で白昼堂々マイノリティや移民などへの差別を煽るような街宣を懲りもせず行ってきた集団なのだ。最近も在日コリアンに対して「日本にたかる寄生虫」「本国へ帰るべきだ」と露骨な差別を行っている。


 カウンターと呼ばれている人々が差別発言を無効化するべく大きな音を発生させるなどして激しい抗議を行った。また、街宣に直接対峙するだけでなく周辺では周知アナウンスやチラシを配ったりする人々の姿も多く見られた。
 これまで警察は、大量の鉄柵を持ち込み街宣場所を囲うようにして厳重に設置していたのだが、今回はそれらの姿はなく、数えられる程度のコーンとポールがあるのみだった。

  


 アゼリアへ続く階段のガラスにへばりつき謎のプラカードを掲げる街宣参加者。それを見つめる人がいたが、よく見ると腕章をしているので一般人ではなく私服の警察官だった。


神奈川県警察第二機動隊のスケルコン(半透明カラーコーン)


 街宣が終わりレイシストはおうちに帰る時間だ。どこにいたのか管区機動隊が現れて、レイシストを駅改札まで送るオペレーションに加わった。


 神奈川県警察は、街宣の行われていた北口東から北口通路を通り北改札まで多数の機動隊員や捜査員を動員し、通行人を排除しながらレイシストを安全につつがなくエスコートした。
 今回、レイシストの撤収時に改札まで追いかけて抗議するカウンターはいなかったが、可能なら駅での抗議行動は極力避けるべきだ。プラカードを掲げることから、叫んだりすることまで、最悪の場合は逮捕につながることもあり得ないとは言いきれないので、ここは安心・安全にいきたい。
 抗議をする上で、駅をはじめ、あらゆる施設の敷地を意識することは非常に重要だ。基本的には抗議をしている最中はどこへも立ち入らないようにし、周りにも目を向けてほしい。意識せずに私有地等に侵入しているケースもよくあるので、気付いたらすみやかに退去するよう促す。
 レイシストの安心・安全を奪うために抗議をしているその過程で自らの安心・安全が奪われてしまってはつまらないので、細心の注意を払いながら中指を立てていくのがいいだろう。


KAWASAKI AGAINST RACISM !!!

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