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川崎ヘイト街宣へのカウンター - 2021年12月12日(日)/神奈川県川崎市

2021年12月12日(日)、神奈川県川崎市川崎区(JR川崎駅北口東)で行なわれたヘイトスピーチ街宣に対する抗議(カウンター)の記録

 ちょうど2年前の2019年12月12日に川崎市で「罰則付き差別禁止条例(差別のない人権尊重のまちづくり条例)」が成立した節目の日を選び、当てつけのように街頭宣伝活動が差別主義者集団によって川崎駅前でまた行われた。
 街宣を行ったのは、過激な差別的パフォーマンスで悪名を轟かせた「在特会」から派生した排外主義政策を掲げる政治団体「日本第一党」の元メンバーが立ち上げたヘイトスピーチ団体「日の丸街宣倶楽部」だ。なんのことはない、血統書付きのネトウヨ集団である。

 ヘイトスピーチ解消法が成立し差別を禁止する罰則付き条例があっても、街頭ではレイシスト(差別主義者)がいまだに活動を続け、カウンターも存在し続けている。ヘイトスピーチ規制の具体的実効力に期待できない現状、唯一の抗議者としてカウンターが街に立たなければ、レイシストの差別行為は野放しのままになってしまう。
 カウンターは法や条例の不機能を補うべく、街頭でヘイトスピーチを押さえ込んでいるのであり、レイシストとカウンターは決して「どっちもどっち」「お互い様」ではない。

【動画】

2021.12.12川崎ヘイト街宣へのカウンター(6分11秒)

 映像で警察官や人が集まっていたカットは、街宣に参加していたレイシストとは別に、東京都から繰り返しヘイトスピーチ認定をされているレイシストが現れた時の様子だ。差別反対アクションに参加していた在日コリアンらに向けて差別的言動を発し、そのまま街宣には合流せず警察に囲まれて帰っていった。
 暴力的な人物も少なくないレイシスト連中と対峙するカウンター行動は、そばに大勢の警察官がいるとはいえ危険な場面もある。今回のように街宣エリアの外に別のレイシストが現れて反差別のために集まった人に憎悪を向け、ヘイトスピーチを行ったり、ヘイトクライムに繋がりかねないような接触があることも少なくないので、周囲の状況には十分に注意したい。

 少し編集の話をすると、現場では太鼓の音がずっとしていたので、ほとんどの部分がそのリズムに合わせてある。そこまで気にしなくてもいいようにも思うかもしれないが、合っていないと気になるというものなので、時間をかけてタイミングを調整している。編集自体は映像を撮影した順番通りに並べるだけでなので簡単なのだが、シンプルだからこそ細かいタイミング調整に時間がかかってしまう。

【写真】

 これまで川崎駅前のヘイト街宣は、中央東口にある「東口駅前広場」を広々と使って行われてきたが、前回(2021年10月)から北口東のアゼリア階段の裏側にある袋小路のような狭い場所に追いやられている。写真からもわかるように場所が悪いだけでなく、街宣スペースの周りを多くの機動隊や捜査員が取り囲んでいるため、外からはほとんど何も見えないという状況である。


 レイシストが街宣を行うたびに川崎駅前は物々しい雰囲気に包まれる。先進的とも言える差別禁止条例のある川崎市においても、現象だけを見れば差別が黙認されていると言えるのではないだろうか。警察が差別をまきちらす街宣を表現の自由として守っていることは、国や行政が事実上なにもしていないことの弊害であろう。国や行政は実効性のあるヘイトスピーチ規制をすみやかに行い、差別には断固として反対するという姿勢を示してほしい。


 街宣に参加したレイシストは、神奈川県警察が多くの警察官を使って安全に改札まで送り届けてくれる。その際、当然のごとく通路や出入口を封鎖し、通行人の排除を行う。ヘイトスピーチを繰り返し行う差別者集団をここまで手厚くケアする理由はどこにあるのか。
 差別に抗議する人々は、街宣後のレイシストを追いかけることなく解散した。これは駅などの施設内での抗議は逮捕等の危険がないと言い切れないため、ほとんどのカウンターは駅までの深追いは避けるようになった。焦らず着実にレイシストを追い詰めていけばいいと思う。


Kawasaki Against Racism !!!


【おまけ】ウェア紹介

[ウェア]
THE NORTH FACE ゴアテックスワークキャップ
鬼滅の刃 シュマグ 鬼殺隊
PUMA フルジップフーディー
DENIM & SUPPLY RALPH LAUREN タイガーカモパンツ
ASICS ウィンジョブ CP402

 今回は柄物のパンツを履きたかったので上衣を黒にした。着ていたのはポケットがないフーディーで、腰回りがフラットなため装備ベルトを装着していても快適だった。
 とりあえず黒い服を着ておけば、なんとなくスタイリッシュな感じがするから楽というのは事実で、実際そうなりがちなのだが、機材や装備品のほとんどが黒色なので、ウェアくらいはなるだけ黒を避けるようにしたいとは思っている。

 上半身が完全に真っ黒になってしまうので、首元にグレーのシュマグ(アラブスカーフ、アフガンストール)を巻いた。普段からシュマグは使っているので、いくつか持っているのだが今回は『鬼滅の刃』シュマグにした。『鬼滅の刃』のグッズ展開は凄まじく、シュマグまであるのかと驚いてしまったが、デザインが良かったので手に入れてしまった。物としては、つけ心地もよく気に入っていてよく使っている。(ちなみに『鬼滅の刃』はアニメは全く観ていないが、コミックスは全巻買って読んでいる程度にはファンである。)
 汗をかくような日以外は、年中シュマグを巻いて出かけている。温度調節がしやすいし、買い物をした時には広げればエコバッグ代わりにもなる優れものだ。この日も帰りに八百屋で大きなカブと菜の花を買ったのだが、もちろんレジ袋はもらわずに首に巻いていたシュマグを広げて包んだ。シュマグは身につける風呂敷という認識になりつつある。

 上半身がゴチャゴチャしててボリュームがあるので、下半身はすっきり細身にしてシルエットを整えた。冬はさほど汗をかかないので、パンツはスリムなデニムを履くこともある。
 この柄はタイガーストライプという南ベトナム軍ルーツの模様で、50年以上前の迷彩パターンだ。中学生の頃からミリタリーが好きで、その頃からずっとタイガーストライプが好きだった。当時はアメリカ軍のウッドランド迷彩の全盛期で、いくつかの軍が採用したり真似したり、ファッションアイテムにもどんどん取り入れられていて、迷彩の代名詞ともなった。ウッドランドは今でも迷彩の定番だが、ポップ過ぎてどうしても好きになれず、シャープな印象のタイガーが好いと思っている。

 白いブーツはアシックスのウィンジョブという安全靴だ。そこはさすがのアシックスなので、履き心地が良くて全然走れるので非常に気に入って愛用している。もともと広島県警察や大分県警察の機動隊員がウィンジョブの安全靴(警備靴)を履いていたのがカッコよかったので、真似して履きはじめた。
 機動隊の靴は黒だったが、自分で履くのは白を選んだ。かなり悩んだのだが、白い靴で抜け感をプラスしたかった。靴を白にすることでダークな色合いを少しだけ打ち消し、決まりすぎないスタイルになっているような気がしている。白い靴は汚れが気になるけれど、好きなので履き続けたい。

 機材以上に装備品や被服について書くことが多いのは、単に好きだからということもあるが、カメラは道具だが装備するものは肉体により近く、身体操作に直接影響があるため、自分にとってはより身近な存在に思えるからだ。カメラマンとしては技術的なことも書いていきたいので、今後の記事に期待してほしい。

全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。