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所沢ヘイト街宣へのカウンター - 2020年9月13日(日)/埼玉県所沢市

2020年9月13日(日)、埼玉県所沢市で行なわれたヘイトスピーチ街宣に対する反対行動(カウンター)の記録

 元在特会副会長が共同代表を務める『東国保守の会』と韓国でのヘイトクライムによって起訴された東京・葛飾区議が代表を務める『日本国民党』の関係者ら、ヘイトスピーチ常習者が所沢駅西口で街宣を行い、差別を許さない人々が駆けつけて抗議の声をあげた。

【動画】

2020.9.13所沢ヘイト街宣へのカウンター(5分53秒)

【写真】

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 埼玉県の南西部に位置している所沢市は、東京都心へアクセスがよく自然も豊かなベッドタウンとしても知られている。西武鉄道の所沢駅から池袋まで25分程度、新宿へも30分程度で行けてしまう。近年人口増加が続いている所沢で、外国人排斥の活動が行われている。
 この日、所沢駅の西口ロータリーに植えられている大きなイチョウの木の下を陣取りレイシスト達が街宣を行なった。抗議の人々は大型スピーカーを備えた街宣車から発せられる大きな音にも負けず、個々の拡声機や肉声で抗議の声をあげた。

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 カウンターは街宣場所の真正面、埼玉県警察により設けられたスペース内で、ゲートフラッグ(両端にポールが取付けられた横断幕)などを掲げて抗議を行なっていた。車道側には金属製の柵が置かれ、歩道はカラーコーンやロープなどで仕切られていた。
 街宣場所の正面1階(上の写真:スターバックス前)は反対派が群がって騒ぎ、2階のデッキは警察により規制が行われていて誰も立ち止まることできない状態だったので、街宣は音が大きいものの聞いている人はそこまで多くはなかったし、しかも聞きづらい状況であった。


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 抗議スペースを表す青色ロープを持つ警察官。履いてる靴が短靴ということからもわかるように所轄署員(所沢警察署のおそらくは警備課員)である。ちなみに、このロープは機動隊の物だ。(ロープに書いてあった。)


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 所沢駅西口にはロータリーを囲む形で駅直結の歩行者デッキ(地上2階)が設置されており、そこを利用する人々に向けての周知活動も行われた。街宣場所正面のデッキは警察によって規制されており、見物人は少し離れた場所から音のするほうを眺めていた。何だかよくわからないけど騒ぎになっている時に「ヘイトスピーチ、許さない。」の文字が目に入ると「あぁ…」と理解して離れていく人が何人もいた。



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 埼玉県警察航空隊のヘリコプター「みつみね」(アグスタA109Eパワー)が出動し、街宣中ずっと所沢駅の上空を飛んでいた。
 ヘリテレ(ヘリコプターテレビシステム)の機材が見えたので、駅前の様子を上空から撮影していて、県警本部などに映像をリアルタイムで送信していたのかもしれない。そうでなくとも大袈裟な対応で、なぜここまでするのかと疑問に思ってしまう。
 これは推測の域を超えないが、当日警察から聞いた話からすると、過去に蕨・川口でヘイト関連の事案があり埼玉県警察の警備部門は今は所沢での行動を非常に警戒しているようだ。プラス、最近はコロナで警備実施があまりなく、予算消化だったり警備の実績作りだったりで、大袈裟な警備を行ったのかもしれない。この日の所沢駅前には相当数の機動隊員が動員されていた。
 ちなみに、今回の警備には県機動隊しか来ておらず、管区機動隊や特別機動隊の姿は見なかった。ピークとも言える2014年の西川口ヘイトデモの際は埼玉県警察の出せる機動隊のすべてが出動してきたのではないかという程の機動隊がいて、街は本当に凄いことになっていた。


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 これまで埼玉県内では、県庁所在地で人出も多い「さいたま市」、県内で外国人数が最も多い「川口市」、県内で外国人比率が最も高い「蕨市」が、外国人排斥や差別扇動を繰り返し行う人々によってターゲットにされてきた。蕨市では2009年に「在日特権を許さない市民の会(在特会)」による『カルデロン一家追放デモ』が行われ、その後も外国人排斥のデモが続いた。川口市でのデモでは激しい衝突が起こり逮捕者も出た。
 しかし、ここにきてなぜか「所沢市」が埼玉県のヘイト最前線になりつつある。この突然のランクインの理由は至ってシンプルで、近年ヘイトスピーチの街頭活動がトーンダウンしてきていて、活動を続けている人物がいる場所がホットスポットになっているだけだ。何もない平原なら低木であっても雷が落ちるような状況に似ているかもしれない。端的に言えば、所沢市東所沢3丁目に住んでいる元在特会幹部という札付きのレイシストが選挙を意識したウィズヘイトなローカル政治活動をしていて、それに対して抗議行動が起こっているということである。
 この人物は抗議者に対して「所沢の外からやってきて」ということを強調して語るが、差別主義者は人類共通の敵であり、地球の裏側からだって糾弾の声が飛んできても不思議ではない。


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 大量の機動隊・捜査員を動員するばかりか、県警本部のヘリコプターを飛ばすような大袈裟な警備を行なっていた埼玉県警察は、差別主義者を結果的にサポートしていたと言える。カウンターを押さえつける一方で、レイシスト連中には車道で好き勝手にやらせていた警察は、言い訳ができないはずだ。埼玉県警察は良心のみに従い、差別を許さない人々の側にこそ立つべきではないだろうか。


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TOKOROZAWA AGAINST RACISM !!!



【特急に乗った話】
 この日、家を出るのが遅くなり、西武特急ちちぶ(ラビュー)に乗ることになってしまった。通常料金に加え特急料金400円がかかったが、とても快適で楽しかった。池袋駅から所沢駅まで20分ちょっとなので、荷物をおろすのもためらうほど短く、あっという間に着いてしまい、あやうく乗り過ごしてしまうところだった。普通電車がすぐ隣を並行して走っているからなのか、特急電車の特別感は新幹線以上に感じることがある。また特急電車に乗りたいと思った。
 神奈川県民にとって埼玉は間に東京があることもあって遠いイメージがあり、実際にちょっと遠い。なら早く出ろというところなのだが、生来のいいかげんな性格のため、いつも現場への到着が遅くなってしまう。真面目さが欠けているとも言えるが、短期集中型なのだと主張しておこう。やたらと本気を出すと本気のインフレになってしまい、常に頑張らなくちゃいけなくなるのは嫌なので、たまに特急を利用するような、そんな適当に気を抜いたスタイルでこれからもいくつもりだ。



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