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殺害されたホームレス女性を追悼し、暴力と排除に抗議するデモ - 2020年12月6日(日)/東京都渋谷区

2020年12月6日(日)、東京都渋谷区で行なわれた『殺害されたホームレス女性を追悼し、暴力と排除に抗議するデモ』の記録

 2020年11月16日、渋谷区幡ヶ谷で野宿をしていた60代のホームレス女性が近所の住民男性に撲殺された。この「渋谷ホームレス女性殺人事件」の被害者女性を追悼し、暴力と排除に抗議する趣旨のデモが夜の渋谷で行われた。
 代々木公園(ケヤキ並木)に集結した約170人の参加者は、渋谷駅スクランブル交差点を通過し、神宮通り公園まで行進した。コース途中、ホームレス排除の過去がある宮下公園を通過中には、激しい声があがった。

【動画】

殺害されたホームレス女性を追悼し、暴力と排除に抗議するデモ - 2020.12.6 渋谷(8分57秒)

【写真】

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[行進中のアナウンス]
ご通行中のみなさん、私たちは渋谷区幡ヶ谷で殺されたホームレス女性を追悼し、暴力と排除に抗議するためにデモ行進をしています。
この事件以前にも、ホームレスの人たちを異物として排除しようとするヘイトクライムが繰り返されてきました。
ホームレスの人たちに対するヘイトは、加害者だけの問題でなく社会全体に広く蔓延しています。
私たちはこの事実を認め、共に闘うために追悼と抗議のデモをしています。
亡くなった方のような、単身・非正規・高齢の女性は貧困に陥る高いリスクにさらされています。
役所から家族に頼るよう強制されるため、福祉につながることのできない人たちも多くいます。
今、コロナウイルスの中で、ますます多くの人々が生活の不安に直面しています。
しかし政府は、「自助」「共助」を強調し、「公助」へのアクセスをいっそう制限しようとしています。
助けが必要でも声をあげられず、より弱い人を攻撃する風潮が強まることに、私たちは強い危機感を覚えています。
ホームレスの人たちを排除することで安全な街、安全な社会は作られません。
私たちは、一人一人が弱さと不安を抱えていると同時に、尊厳と権利をそなえた存在です。
連帯にもとづく社会を作るため、排除と差別に対して共に立ち向かっていきましょう。


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 もうすでに街の一部になっていて、忘れがちだったり、気づかないことも多くなっているかもしれないが、私たちのすぐそばにもホームレスを排除するために作られた残酷な仕掛けがある。


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 渋谷の新たなランドマークと喧伝されている「MIYASHITA PARK(ミヤシタパーク)」は、公園・駐車場・商業施設・ホテル・野宿者排除が一体となった複合施設だ。東京オリンピック・パラリンピックが開催される予定だった2020年7月にオープンした。
 公園に身を寄せていた人々を追い出して作ったこの建築物は、多様性を受け入れない象徴として語り継がれてゆくだろう。


[呼びかけ文]
11月16日、渋谷区幡ヶ谷で、60代の女性が、いつも明け方までの時間を過ごしていたバス停付近で、近所に暮らす住民男性の暴行により殺害されました。加害者は暴行の理由について「ボランティアで清掃をしており、お金を渡して退いてほしいと頼んだが断られた」「痛い思いをすればいなくなると思った」と供述しています。 これは紛れもなく、ホームレスの人を、快適で安全であるべき街の中には存在すべきでない異物として排除しようとする、差別的動機にもとづくヘイトクライム(憎悪犯罪)です。これまでにも多くのホームレスの人々に対する暴力やいやがらせが繰り返されてきました。わたしたちは、このヘイトがひとり加害者だけの問題でなく、社会全体に広く蔓延しているという事実を認め、ともに闘うために、追悼と抗議のデモ行進を行います。 亡くなった女性は、路上生活になるまではスーパーの販売員などをして働きながら生活していたと報道されています。会社に所属していること・結婚していることを「標準」とするような日本の生活保障システムの中で、非正規雇用の単身女性は特に経済的に不安定となりやすく、高齢や病気ともなれば、貧困に陥るリスクはいっそう高まります。さらに、社会福祉による生存権の保障は、個人の当然の権利であるにもかかわらず、生活保護窓口で家族への照会が行われるために、福祉につながることのできない人たちも多くいます。 そしていま、新型コロナウイルス感染症が拡大するなか、より多くの人びとが生活の不安に直面しているにもかかわらず、政府は「自助」「共助」を強調し「公助」へのアクセスを制限しようとしています。助けが必要でも声をあげられず、生活の不安におびえる人たちが互いに連帯するよりも、より弱いとみなす人を攻撃するような風潮がいっそう強まるのではないかと、わたしたちは強い懸念を覚えています。 ホームレスの人たちを排除することで安全な街、安全な社会はつくられません。わたしたちひとりひとりが弱さと不安を抱えていると同時に、それぞれに尊厳と権利をそなえた存在であることを認識し、連帯にもとづく社会の仕組みを作るため、排除と差別に対してともに立ち向かっていきましょう。
https://noratokyo.exblog.jp/28327991/


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