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蕨ヘイトデモへのカウンター - 2024年4月14日(日)/埼玉県川口市

2024年4月14日(日)、埼玉県川口市で行なわれたヘイトスピーチデモに対する抗議(カウンター)の記録
[動画+写真25枚+コースマップ]

 クルド人排斥を叫ぶ差別デモがJR蕨(わらび)駅東口エリアで行われ、同時にデモに対抗する人々も集まって激しい抗議も行なわれた。
 このデモ行進を行なったのは、神奈川県の川崎駅前などでヘイトスピーチ街宣を常習的に繰り返している差別主義者の渡辺賢一氏(神奈川県海老名市在住)だ。東京・神奈川では飽き足らず、最近は差別仲間を引き連れて埼玉県内でも活動を始めていて、川口市や蕨市などに住んでいるクルド人などの外国人を犯罪者呼ばわりし排斥を煽る街頭活動を活発化させている。

 差別デモ隊は川口市芝新町にある芝新町公園を出発し、今回のターゲットである「日本クルド文化協会」や「ハッピーケバブ」が入るビルの前を通行し、その周辺をぐるっと反時計回りで一周し元の公園に戻ってくるという900mにも満たないコースを30分かけて行進した。公園で解散した後もデモ参加者は蕨駅までは大量動員された機動隊に護られながら帰っていった。
 レイシストが街に足を踏み入れてからすごすごと立ち去るまで、ずっとカウンターの罵声や怒号が飛び交っていた。
 今回のコースは住所としては埼玉県川口市であるが、最寄りが蕨駅なのでデモの呼称は「蕨〜」とした。上の地図を見ると、川口市と蕨市の境界は越えず川口警察署の管轄内で収まっている。以前のデモは蕨駅前を通行していたので今回は警察側から要請がありこのようなコースになったように思う。蕨駅前は蕨市になるので管轄は蕨警察署となり手続きや調整がややこしく、何らかのお願いが埼玉県警察からあったのではないだろうか。

【動画】

2024.4.14蕨ヘイトデモへのカウンター(12分17秒)

 今回の映像、臨場感たっぷりというか、現場が激しかったので映像が非常に乱れていてアクション映画みたいになってしまった。その激しさが物語っているように、クルド人排斥を叫ぶ醜悪な”愛国者”を組織的に護る大量動員された埼玉県警察の活躍が目立った。
 事前にデモのコースを知っていたわけではないのだが、なんとなくの勘でそろそろ規制されるなと察知して反対側の道路に回り込んで撮影したり、大事と思ったポイントポイントで俯瞰撮影ができたので、今回のデモやカウンターの全体像が掴めるのではないかと思っている。
 技術的には、もっと音のメリハリをつけたかったのだが、実際ずっと現場がうるさかったので基本ずっと音圧高めで、引きのカットで少々落ち着かせて緩急をつけたりはしている。現場では忙しすぎてカメラの設定が結構適当だったのだが、logで撮ってたのと後処理の腕が上がったのか、わりときれいな映像に仕上がっている気がしている。 

【写真】

 ヘイトデモ集合場所の芝新町公園はJR蕨駅から直線距離は近いのだが、途中3つの通りがぶつかる六叉路の歩行者信号がなかなか変わらないので思っていたよりも遠く感じる。住宅に囲まれていて、さらにこの日は大勢の警察官や柵に囲まれていた。

公園南側の封鎖地点
公園西側の封鎖地点(機動隊の指揮官車などが待機していた)
公園東側の封鎖地点

 突如出現した警官隊による規制線は近隣住民を驚かせ、少なくない混乱を生んでいた。食品デリバリーのバッグを背負った外国人が封鎖地点のそばで困っていたので声をかけると「封鎖エリア内に宅配したい」と言う。突っ立っていた機動隊員に事情を説明して道を開けさせた。
 埼玉県警察としては抗議者のせいで道路を封鎖しているということなのだろうが、そもそもレイシストがこんなデモを行わなければいい話である。こんな警備が本当に必要なのかまである。



公園を出発した直後のデモ隊を警備する異常な数の警察官

 14時30分過ぎ、芝新町公園を出発したヘイトデモは通りに出ようと裏道を北上していた。デモ本体は写真の左の奥の方に旗がちょっと写っているくらいで、その前に指揮官車があって、その前にパトカーがあって、さらにその前にも露払いなのか無駄に警察官がいる。
 内閣総理大臣が出かける時でもここまで警備しないだろうというくらいの警察官が道に溢れる状態だ。埼玉県警察は岸田首相より渡辺レイシストの方が大切なのだろうと想像してしまう。

 警察もお役所なので、次年度の予算獲得に向けた実績づくりのために、機動隊を大量投入して反差別勢力を潰しにきている節がある。もしかしたら過去に散々メンツを潰された恨みもあるのかもしれない。自分たちの威信をかけて気に入らない反差別勢力を数の力で抑えにきているように見える。
 あとは単に機動隊員の訓練という側面もありそうで、混乱した現場に慣れさせるためにチャンスがあれば空いてる人員を出せるだけ出しておこうということではないだろうか。そう考えると、カウンターは武器を持っていなくて荒ぶっているので、機動隊としてはちょうどいいトレーニングになりそうだ。異様な雰囲気の現場に慣れさせる実践訓練というわけである。
 そういえば、何年か前の川口〜蕨のヘイトデモの現場で大きな登山リュックを背負ってる機動隊員がいたので、疑問に思い聞いてみたらトレーニングだと言っていたことを今書いていて思い出した。これは特殊な例かもしれないが、埼玉県内で警備事案があまりないので埼玉県警察はヘイトデモを訓練に利用しているのではないかと。


ヘイトデモ隊が掲げる日本国旗と旭日旗
カウンターが掲げるゲートフラッグ
「クルド人への差別に反対 NO HATE」
蕨駅駅前通り方面へ進むデモ対と歩道から抗議するカウンター
「日本クルド文化協会」や「ハッピーケバブ」が入るビル前
ヘイトデモの全体像
「SHAME ON YOU, RACIST!!」というプラカードを掲げて抗議する人
歩道を封鎖する埼玉県警察
差別デモに抗議する人々の行手を阻む埼玉県警察
ヘイトデモに中指を立てる抗議者
道路を封鎖する埼玉県警察に抗議する人々
公園西側の封鎖地点より
埼玉県警察航空隊のヘリコプター


「STOP GAZA GENOCIDE」

 蕨駅からほど近い六叉路のポールに「STOP GAZA GENOCIDE」ステッカーが貼られていた。

 ちなみに、この写真の右に写りこんでいる白い棒を持った警察官は埼玉県警察の管区機動隊員である。指揮棒と呼ばれている小隊長たる警部補以上が持っている棒の先に「赤いダイヤモンドマーク」があるので関東管区機動隊の所属だとわかる。階級章を見ると警視なので大隊長、つまり管機の現場トップだ。
 写真には写っていないが管区機動隊員は青い腕章をしている。そして埼玉県警察起動隊員は黄色い腕章、腕章をつけていない制服警察官は地元の川口警察署の警備課員だ。警察署の警察官は微妙に髪の毛が長かったり、短靴を着用していたり、装備品の統制がゆるかったりするので区別しやすい。


レイシスト渡辺賢一氏を大勢の警察官が囲んで護っている姿が映るミラー
レイシストが駅を利用することで混乱が生じている蕨駅
蕨駅前で待機している関東管区機動隊1個小隊


 レイシストが活動を続ける限りカウンターの罵声は止むことはない。私もカメラを持ちその姿を写し続ける。

CAMERA AGAINST RACISM !!!

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