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所沢ヘイト街宣へのカウンター - 2021年5月23日(日)/埼玉県所沢市

2021年5月23日(日)、埼玉県所沢市で行なわれたヘイトスピーチ街宣に対する反対行動(カウンター)の記録

 在特会の副会長だった人物が共同代表を務める『東国保守の会』と韓国でのヘイトクライムによって起訴された東京・葛飾区議が代表を務める『日本国民党』の関係者ら、ヘイトスピーチ常習者が再び所沢駅西口で街宣を行い、差別を許さない人々が駆けつけ抗議の声をあげた。

【動画】

2021.5.23所沢ヘイト街宣へのカウンター(4分22秒)

【写真】

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 所沢駅・西口ロータリーに響いていた大きな音は、東京都中央区に本部を置く『日本国民党』の関係者が乗り付けてきた街宣車から発せられていた。悪名高き『在日特権を許さない市民の会』の幹部だった人物が所沢の街に根ざした政治活動を行なっており、極右仲間を呼んで街頭宣伝を行なった。


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 ヘイトスピーチを繰り返してきた人々が懲りずに活動を行うため、抗議者は集まり反対行動を起こす。カウンターの存在はレイシスト(差別主義者)に居場所はないことの証明である。
 抗議者は街宣の真正面、スターバックス前の歩道上に設けられたスペースに押し込まれて抗議を行なった。新型コロナウイルス感染予防のためか、埼玉県警察がロープや柵で作ったエリアは歩道の半分以上を占めるほどの広さがあった。


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 抗議スペースを仕切るのに使われていた青色のロープに「県キ 25m」と書いてあった。「ケンキ(県機)」というのは埼玉県警察機動隊のことであるが、他県でもこの略称が使われていることがある。であるならば、大阪府警察や京都府警察では「フキ(府機)」と呼ばれていそうだが、過去に存在した「婦人警察官特別機動隊」が「婦機」と呼ばれてたこともあり、「本部機動隊」を略した「ホンキ(本機)」と呼ばれているそうだ。機動隊は警察本部の警備部に所属しているので、「府警察」だけでなく「県警察」でもこの呼称を用いていることがある。
 結ばれているロープの下に見える緑と黄色のステッカーは埼玉県警察機動隊のマークで、埼玉県にゆかりの深い勾玉が使われている。ここ所沢市から40kmほど北に位置している行田市には、埼玉県名発祥の地とされている行田市埼玉(さきたま)に「さきたま古墳群」がある。ここの稲荷山古墳から出土した勾玉は国宝に認定されていて、そんなこともあってか埼玉県は県のマークに勾玉が入っていて、機動隊のマークにまで勾玉が入っている。
 この写真についての警察話はまだ終わらない。後ろに写っている紫の物体は、小隊長(警部補)以上が持っている指揮棒に付けられた房(ふさ)で、この色で階級や隊長の順位が区別できる仕組みだ。都道府県によって若干色の使い方が違っている。埼玉県警察の場合、紫は中隊長(警部)を表す。


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 街宣場所の正面2階デッキは、50mほどの範囲にわたってカラーコーンとバーによって立ち入りの規制が行われていた。大きな音がするので来てみたものの、よく見えないし「まあいいや」と帰っていく人が多かった。
 何かをやっていると人に思わせるには十分なくらいの大きな音が排外主義者団体の街宣車から発せられていたのと、それに加えて警察官の多さが普段ならスルーしていた人もこの日は足を止めていたようだ。駅周辺にいた警察官の数はただごとならぬ雰囲気をかもしだしていた。
 2016年5月に成立した「ヘイトスピーチ解消法」は今月でちょうど5年になる。街頭行動でのヘイトスピーチが何度も公の機関によって認められており、警察も差別的言動に対して注意くらいしてもいいはずだ。警察官は普段から根拠のないお願いや職質を繰り返しているのだから、ヘイトスピーチを軽く注意するくらい余裕でできるだろう。
 大袈裟な警備を行うだけで目の前でヘイトスピーチが確認できても注意もしないどころか、抗議者を排除したり逮捕したりする警察は考えを改めるべきだ。忘れてはいけない、去年と今年はオリンピックイヤーなのだ。オリンピック憲章の理念を2年分推進してもいいのではないだろうか。差別にはNOという態度を警察は今こそ示すべきだ。


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 制服警察官のほとんどが感染対策としてマスクや手袋に加えてゴーグルを着用していて、この警察官は活動帽の前立の裏(帽子前面の折り返し部分)に外したゴーグルを収納していた。ここまでピッタリ収まると、こういった用途を想定したデザインなのではないかと思いたくなってしまう。
 もちろん、活動帽の構造は何らかの実用的な機能を持っているということはなく、サイドの折り返しを下ろせば耳を覆えて防寒に役立ちそうだが下すことはできない。活動帽はかっちりした制帽の代わりとして使う目的もあるので、どことなくエレガントなデザインにしたかったということで、折り返しや前立を取り入れたと思われる。また形状的に略帽(=作業帽)に近いので、装飾を入れて違いを出したかったというのもありそうだ。


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TOKOROZAWA AGAINST RACISM !!!



【ビデオカメラの話】
 実は今回から映像の撮影に使っているカメラを替え、満を持してSONYのミラーレス一眼「ILCE-6400」(α6400)を実戦投入した。

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 一眼カメラなのでレンズは交換式で、「SONY E PZ 16-50mm F3.5-5.6 OSS」(型名:SELP1650)というパワーズームレンズを使用している。35mm換算で24-75mm、望遠が心許ないが4Kをクロップすればいいかなと思い、軽くてそこそこの性能の標準ズームを買うことにした。逆光に強い性能を有しているためか、このレンズには純正フードがない。フードは日除けだけでなくレンズ保護の役割もあって、ぶつかった時にレンズへのダメージが軽減されることがあるため、私は必ずつけるようにしている。
 レンズの直径は6cm程度あるのにフィルター径は40.5mmという、ユニット全体ではなく光学レンズ部分だけカバーするサイズだ。このままフードをつけるとワイド側でケラレてしまう可能性が高いのとヴィジュアル的にかっこよくないので、「40.5mm → 58mm」ステップアップリングで58mmに変換し、保護フィルターとドレスアップリングを装着してフードのようなものを形成した。深さは1cmにも満たないが、ないよりはいいし軽いのがいい。
 ドレスアップリングというのは、その名の通りドレスアップするための装飾品で、上の写真でレンズ最前面についている白いリング状パーツがそれである。通常のフィルターとは違いガラスが入っておらず枠があるだけという、正に「おしゃれ伊達メガネ」みたいなものなのだが、これを装着することで少しだけ「ひさし」を作ることができる。別にこんなものを買わなくても、中古カメラ店やリサイクルショップなどのジャンクコーナーでフィルターを安く買ってきて、ガラスを割れば枠だけのフィルターができるので、ステップアップリングと組み合わせれば安くて軽量なフードができる。ケラレに注意しながら枠を増やせば効果的なフードが作れるはずだ。
 高校生の頃からクラシックカメラが好きで近所のカメラ屋に入り浸っていたこともあり、どうしてもいろいろとこだわりたくなってしまう癖がある。フィルムからデジタルになり、光学ファインダーのないカメラを使っていても、カメラが好きでこだわりたくなる気持ちは変わらない。

[用語解説]
ちなみに、「ケラレ」という言葉は「隠す」を意味するCelare(チェラレ)というラテン語からきているカメラ用語で、フード等の大きさが画角と合っていなくて画面内に映り込んでしまう状態、つまりフード等が被写体を"隠す"ことを「ケラレ」という。
例えていうならば、小さすぎるフレームのメガネをかけると視界にフレームが入ってしまっている状態が「ケラレ」で、それを解決するためにはメガネのフレームを大きくする必要がある。このようにフードやフィルターのサイズが適していない時にケラレが発生してしまう。
「ケラレる」のように「ミスる」「トラブる」みたいな「外来語+る」のパターンで使ったり、「ケラレが発生する」のように名詞としても使われる。また「蹴られる」という当て字が用いられることもある。


 今ではスチールカメラで動画を撮ることが珍しくなくなってきているが、デモの撮影を始めた頃はほぼビデオカメラしか選択肢がなかった。今では考えられないことだが、最初はビデオテープ方式だったので、録画した時間分テープを再生して取り込む必要があったり、上書きの危険性や記録時間の制限など苦労は多かった。
 それでもやはりビデオカメラは手持ちで動画を撮るのには適した形状で持ちやすく、手振れ補正の性能が高かったのもあり、画質よりは使いやすさを優先してSONYのハンディカムを使い続けてきた。今ではもうテープを使うビデオカメラはなく、HDDやメモリーカードなどのメディアに記録する方式になっている。
 つい先日まで使用していた「HDR-PJ790V」は、2013年モデルで性能も時代遅れになってきていたし、撮影で酷使してきて限界に近くなっていた。デモの撮影は全然お金にならないので、しばらく買い換えることができていなかったので、思い切ってミラーレスにしてみた。新型のビデオカメラと迷ったが、やはりミラーレスの画質にひかれた。
 導入したα6400に搭載されているイメージセンサーはAPS-Cサイズで、これまで使ってきたハンディカムの1/2.88型センサーと比べると、約19.5倍もの面積がある。センサーが大きいほど受光量が大きくなるので、センサーが大きければ画質が良いと言っていい。大型センサーは美しいボケ味を生かしたクリアな画が撮れる反面、よくボケるのでピント操作がシビアな面もありスキルを必要とする。また、どうしても機材の重量が重くなってしまうデメリットもある。
 非常に悩んだが、最新ハンディカムのセンサーはAPS-Cサイズの1/3ほどしかないことや、価格や運用面などを考えた結果、ミラーレス機にすることにした。まだ正解かどうだったかは、正直わからないが画質的には非常に満足している。


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 動画を安定的に手持ち撮影する機材として、英国・Hague社製のMini Motion-Camという、弓なり型スタビライザを使用している。今ではスタビライザと言えば、電動式のジンバルが主流だが、それなりに値が張るし、なにより重い。走り回りながら動画と同時に2台の一眼レフで写真を撮っている私には運用面で難がある。そのため小型軽量で、動画撮影を終えた何秒か後には写真を撮っているというような使い方ができる機材が求められる。
 この弓形のスタビライザ(MMC)は、カーブした形状の頂点にカメラをマウントし、最下部にウェイトを乗せてバランスを取る仕組みだ。ハンディカム(小型ビデオカメラ)は、前後ろに長い(奥行きがある)形なのでMMCに乗せると前方向か後ろ方向へ重さがいくので、構造上バランスが取りやすかった。
 しかし、ミラーレス(一眼カメラ)は左右に長い形で右側にバッテリーが入ったグリップがデザインされているため、重量的に右に傾き過ぎてしまう。MMCはロール方向のバランスが取りづらい構造なので、カメラの左側面にカウンターウェイトとしてマイクを取り付けることにした。これである程度は解決したのだが、マイクがステレオなので位置的に上下方向の音声を収録してしまい、再生した時に映像と合わないのでモノラル化する必要がある。せっかくのステレオマイクが台無しなのだが、ある程度の妥協は仕方がない。

 そんなこんなで、今回ミラーレスで動画の撮影を行ってみた。画質が格段に良くなっているのは、わかってもらえたのではないだろうか。カウンターに気を取られすぎなグダグダな街宣だった(=カウンターの効果があったとも言える)ので、映像はただただ抗議しているだけで、山場のようなものはなかったので尺も短くコンパクトな内容になってしまっている。
 本当はもっと動きを激しくしたかったのだが、特に近距離のフォーカスがカメラの動きに間に合わなくて、ピンボケが連発してしまい編集で結構カットした。操作が慣れていないこともあり、撮り方がカメラに引っ張られていて、これまでと作風が少し変わってしまった。頭を切り替えて、ハンディカムとは違った撮り方で、ミラーレスの特性を生かした画作りをしていくべきなのかもしれない。
 今回、現場で適正と思った露出が、編集をしてみたら全体的に露出オーバーぎみだった。どうやら液晶モニターが暗かったようで、快晴時にはもっと画面の輝度を上げる必要があったようだ。これくらいのハイキーでもいいようにも思えなくはないが、完全なミスである。また、何の意図もなく60pにしてしまったのも失敗だったかもしれない。それと、なんとなく絞ったらもったいないと思ってしまい、それにつられてシャッタースピードも速すぎたりしていて違和感がある。カメラに慣れていなかったとはいえ、様々な決定を意図しないで行なったことは反省している。ということで、次回以降の動画のクオリティアップに期待してほしい。(今後の活動のためのサポートもしていただきたい。)

全国各地のデモや抗議などを自腹で記録しています。サポート頂けますと活動資金になります。よろしくお願いします。