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武術的老子解説

原文

将、天下を取ろうと欲し、これを為せば、吾、すでにそれを得ざるを見る。
天下は神器なり。
為すべからず。
為す者はこれ敗れ、執る者はこれを失う。
ゆえに物は、行い或いは随い、或いは歔し或いは吹き、或いは強く或いは羸し、或いは載せ或いは堕ちる。
聖人、これを以って甚を去り、奢を去り、泰を去る。

解釈

将軍が天下を取ろうとして、これを実行すれば、私はすでに無理だとわかる。
天下は神の支配にある。
人間が支配はできない。
戦う者は敗れ、支配するものは失う。
物事にはいつも二つのことが対になっている。
行うと随う・息を吸うと吐く・強いと弱い・載せると堕とす。
聖人は、これを見て、極端なことは避け、贅沢はせず、おごりたかぶることはしない。

コメント

勝ち負けは、当人の支配下にない。
どんなときでも勝つときは勝ち、負けるときは負ける。
全ては神の領域だ。
自分でできるのは、陰陽の働きに偏りがないように、宇宙の中心に居て、星の運行を眺めるように動くだけだ。

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