武術的老子解説
原文
天下始まりあるは、天下の母を以って為す。
既にその母を得、以ってその子を知り、既にその子を知りて、またその母を守れば、身を没して殆からず。
その兌を塞ぎ、その門を閉じれば、終身不動である。
その兌を開き、その事を済ませば、終身救われず。
小を見るを明といい、柔を守るを強という。
その光を用い、その明、復帰せば、身の殃、遺さず。
これを常の習いと為す。
解釈
天下が始まったのは、天下を産んだ母なるものがあったからだ。
すでにその母を知り、その子を知り、すでにその子を知り、その母の存在を尊べば、この身が終わろうとも怖がることはない。
その耳目を塞ぎ、その余計な知識を拒めば、一生安心だ。
その耳目を開き、その場しのぎを続ければ、一生救われることはないだろう。
足元を見ることを「明らかにする」と言い、柔らかさを保つことを「強い」と言う。
耳目をそばだて、遠くばかり見て右往左往しても、「明らかさ」に戻ってくれば、一生、悔いを残さないだろう。
これを常に心がけることだ。
コメント
あらゆる場面において、問題は手足の角度ではなく、動作の問題だ。
枝葉を追い求めて、そこをいくら工夫しても、全体が変わらなければ実際には使えない。
枝葉にこだわれば、木を殺すことになる。
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