2.たまたま街に出掛けたらお姉さんたちに持ち帰られた...

慣れた感じで手を引かれ案内された個室へと入る
10人は囲めるであろう個室の細長いテーブルの1辺に2人に挟まれるように座った

(これやっぱりあとで怖い目に合うやつだ)
(ああ終わったな)

緊張しながらずっとこんなことを考えていたと思う

お互いのことについて名前すら何一つとして知らない
財布を落とした人
財布を拾ってくれた人たち
ただそれだけの関係

2人で何か話しているがあまり耳には入ってこない

女性経験もなく極度のあがり症
人と接することすらも苦手な私には正直辛い状況だった
両隣から香る香水にさらに煽られ
ただただ俯いて座っているだけだった

金「どしたん?嫌だった?w」

私は首を振って恥ずかしいだけと伝えると

黒「えーかわいいw」
金「なにそれw」

とにかく2人は笑っていた

目の前にメニューを出されて
「ほら何食べる?」
「マスク外しなよー」
「細いねーご飯食べてるの?」
「お酒好き?」

息が詰まるようになりながら
ご飯を食べてきたこと
マスクを外さない理由
未成年だからお酒は飲めない
ことを言った

「もう食べたの?なんかごめんね」
「未成年なんかーいw」
「でも何か食べよーよ」
「他に誰もいないしマスク外しなー」

そこでようやく
少し特徴的な高い声をしているのは黒髪のお姉さん
対照的にハスキーで少し低めの声は金髪のお姉さん
なのだと気付いた

マスクを外すとまじまじと見られて

黒「えー可愛いねーw」
金「全然そのままでいいじゃんw」
 「汗かきすぎだよーw」

少しからかわれているような感じで2人は笑いながら
私はおしぼりで滴り落ちるような汗を拭いてもらっていた
可愛いと言われるとどう反応していいかわからない

改めて財布を拾ってもらったお礼を言うために横を向いた時初めて2人の顔を見た
財布を拾ってもらった時は雰囲気しかわからなかったが
どちらもテレビの一線級で活躍するような整った顔で
女優やモデルと言われても誰もが納得するレベルだった
そんな2人が横にいる状況が益々わからなくなりトイレに立った

金「ちゃんと帰ってきなよ」
黒「絶対だよー」

そして申し訳なさを感じながらも店を後にした

〜登場人物〜

私 19歳 大学生 内気 1人暮らし 細い ???

黒 清楚系お姉さん 落ち着きのある感じ 特徴のある高い声 ???

金 ギャル系お姉さん 人見知り知らずな感じ ハスキーで低めの声 ???

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