「GOD」と覚醒

(ニガ・グッズ店長視点)
一方その頃。王都は、とても危ない状況にあった。五万年以上、人類と同盟を結んでいた神族が、突然街を襲ってきたのだ。人類と結んだ同盟は、
「絶対に人族を襲わない。」
だった。なのに、襲ってくれば、当然混乱するだろう。三体しか存在しないEXランクの一体という、脅威の生物。SSSランクとはかけ離れた生物。
「ク、クソッ。倒せないか。おい、ビナガ。大丈夫か?」
「大丈夫な、わけ、ねえだろが。ハァ、ハァ。」
ニガ・グッズの店長と、その幼馴染でありギルマスであるビナガが、王都の聖像の前で、血まみれになって倒れていた。死なないだけでも、十分にすごい。だが、彼らはAランクである。神に見つかれば、一瞬で殺られるだろう。2人が倒れている理由は、神の撃った流れ弾が、掠ったからである。2人は、死なないためにバリュートから買い取った「世界樹のポーション」を惜しみなく飲んだ。が、ポーションとは、使用した際、魔法陣が現れるのだ。魔法陣が、辺りを眩しく照らした。その魔法陣が、神の視界に入り、2人を敵・・・・・・いや、獲物として視認した。次の瞬間、2人の体がなくなった。神の攻撃ではない。危ないと感じ、転移魔法で、安全なところに転移した。だが神は、その転移魔法すらも利用し、2人のところに移動した。


「ここまでくれば、もう安全だろ。」
「わからないぞ、ビナガ。神のことだからな。チートを使ってくるに決まっている。文字通り、死ぬまで鬼ごっこってことか。逃げ・・・・」
その言葉が、紡がれることは、なかった。神が、ビナガを正確に狙い、殺ったのだ。幼馴染の死を目の当たりにし、膝から崩れ落ちた。そんな時、頭の中に声が響いた。
(エクストラスキル「百鬼夜行」を取得しますか?
はい/いいえ)
「ああ。何でも「はい」だ!」
(エクストラスキル「百鬼夜行」を取得しました。
レジェンドスキル「冥土剣」を獲得しますか?レジェンドスキル「冥土剣」が自動取得されました。                                ユニークスキル「因果斬」を獲得しますか?ユニークスキル「因果斬」が自動取得されました。                   バフスキル「最硬之鱗」を獲得しますか?バフスキル「最硬之鱗」が自動取得されました。)
「な、何だこれは。エクストラスキル、レジェンドスキル、ユニークスキル、バフスキルだと!持っているものは3人しかいないぞ。そのスキルを、俺が。いや、それよりビナガを。因果斬、発動。対象:ビナガが存在していないという因果を切断。」
なぜか、使い方がわかるユニークスキル「因果斬」を使い、ふざけた因果を断ち切った。その瞬間、ビナガが起き上がった。
「あれ?俺は神に殺られたはず。だとしたら。」
ビナガが、俺の方を向く。
「ありがとう。にしても、お前にそういうスキル、あったっけ?」
無かった。けど、あの謎の声のおかげで、親友が助かった。その事実だけあれば、何でもいいのだ。
「さてと、神を殺るとするか。俺の親友を殺った神を。神だからって、許されると思うなよ。」
「åω∂ƒƒ†∑´†ß˙∫ƒ∑!˙ß˙ß˙å˙å∂˙†∫å!」
五十音では表せないような叫び声を上げながら、神は斧を振り回してきた。
「冥土剣!」
その強烈な攻撃に、冥土剣を当て、対抗する。冥土剣が当たった斧は、堕ちた。神は、武器を失ったことをまずく思ったのか、空間を裂き、天界に戻ろうとしていた。
「待てッ!因果斬!空間が裂けていると言う因果を切断!」
ギリギリ、間に合った。コイツだけは、殺るんだ。
「ステータス鑑定」

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー名前  GOD
真名  GOD
権能  GOD
能力  GOD
スキル GOD

レベル   _+1
物理攻撃力 _+1
物理防御力 _+1
魔法攻撃力 _+1
魔法防御力 _+1
魔力    _+1
経験値   無し
呪い    魔神マギリャの呪い
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

名前通りか。「GOD」とか、安直すぎる。でも、殺るしかない。
「百鬼夜行。」
新たなエクストラスキル、百鬼夜行を発動した。はたして、どうなるのか。


(GOD視点)
何だこれは。鬼、烏天狗、ツクモガミ、轆轤首、河童、牛鬼、牛頭馬頭、九尾の狐、ガシャドクロ、月兎、その他諸々が出てきた。初めて、恐怖を感じる。この男、恐ろしく強い。「百鬼夜行」とは、異世界で人が勝手に作った妖怪という存在が、街を歩き回るという、奇妙な現象のこと。皆は笑っていたが、私にはわかる。これは、ホンモノだ。この男は、ホンモノの強さを持っていた。我も奥義をださねばならぬようだ。
「å∑∂´ƒç†˙¥ ∫˜¥˜†ω(無神流、閃光斬り!)」
私は、神が使えないとされる剣技を、使った。神は、全てを使えるのだ。剣技が使えないだなんて、あり得ない。この剣技は、光の速さで斬るという、最強の剣技。これが、人間の技に負けるのはあり得ない。私の剣が、鬼たちの首に迫った。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?