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火の鳥と水の鳥

大きな火の鳥の嘴が迫り、顔に当たる。が、俺の体が貫かれることは、無かった。5000経験値を使用して新たに得た、「炎属性攻撃無効」というスキルのおかげだ。大きな火の鳥の表情が、驚きに染まる。それに、このスキルがなくとも、コイツの攻撃は無効だったと思う。だって....

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名前 フレムバード
真名 無し
権能 火山
能力 活火山 火の翼
スキル 瞬足移動 炎属性弱耐性

レベル   666
物理攻撃力 6666
物理防御力 6666
魔法攻撃力 6666
魔法防御力 6666
魔力    66666
経験値   無し
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ほら。弱い。みんなにとったら世界の終わりだとか思うかもしれない。だけど、俺は、ステータスがカンストしているから、雑魚どころか、空気にすら値しない。触れただけで、相手が細胞モロと吹き飛んだ。得られた経験値は4。少ない。もしかして、レベルが上がるごとに得らえる経験値の量が少なくなったりしているのか?だとしたら「魔の森」での危険値の得られなさは理解できる。ロールプレイングゲームみたいな設定だな。それはよしとして、周りの魔物たちが俺のほうを見る。そして、四方八方から襲ってきた。さっきのことを、見ていなかったのだろうか?案の定、俺に襲いかかってきた魔物たちは、サイコロステーキみたいになった。1000匹以上いたはずなのに、経験値はたったの6だった。やはり、俺の仮説は間違っていなかったようだ。地獄界は、第一門というだけあって、攻略が簡単そうだ。その時、会場全体に、機械質な音声が流れた。
「第一試験門:地獄界、死傷者、10人。脱落者、100057人中、100007人。突破者40人。それでは、第二試験門:精霊の森へ移動します。」
機械室な音声が流れ終わった瞬間、目の前に、虹色の扉が現れた。次は精霊の森という試験門らしい。すぐに、他の人たちと一緒に、虹色の門の中に入った。精霊の森の中は、「魔の森」に似た雰囲気だった。というか、魔の森と一緒だった。虹色の鳥、ガラスでできたかのような透明なトカゲ、小さな黒い花という点は。唯一違うのは、「魔物」だ。ここにいる「魔物」は、精霊しかいない。この奇妙な精霊の森を探索していると、精霊に会った。狂精霊という種族だ。狂精霊は、精霊が、魔王の血を飲んで、生まれた種族だ。すぐに、狂精霊は、こちらの存在に気づき、戦闘をしようとしてきた。魔王の血を飲んだというだけあって、戦闘の構えがうまい。いつ攻撃を仕掛けてくるか、分からない。なら、先に殺るまでだ。
ーーーーーー「縮糸」+「綱糸」ーーーーーー
「縮糸」と「綱糸」を組み合わせ、遠距離から攻撃をする。狂精霊は、その一撃だけで吹っ飛んだ。一体目、討伐完了。それから次々と木の影から出てくる狂精霊を倒しつづけて、何時間かがたった。やっと、あの機械室な音声が響いた。
「第二試験門:精霊の森、死傷者、30人。脱落者40人中35人。突破者5人。それでは、第三試験門:鏡の世界へと移動します。」
今度は、銀色の扉が現れた。もう、5人しかいないせいか、行くのを躊躇わず、駆け足で入っていった。                                                         鏡の世界の中は、ほとんど現実世界と一緒だった。ひとつ、違う点があるとするのなら、モンスターが大量に湧いていることと、人がいないことだ。しかも、第三試験門というだけあり、モンスターの一体一体が最強種と同じくらいか、上回っているくらいは強い。初めに遭遇した敵は、水の鳥だった。油断してはいけない。見ただけでわかる。アイツは強い。地獄界の大きい火の鳥よりも、精霊の森の狂精霊よりも。とりあえず、綱糸で切ってみるか。綱糸を投擲するが、水というだけあって、すり抜ける。どうやら、コイツには、物理攻撃が効かないらしい。面倒だな。蒸発させるか。
「恒星弾」                      
恒星弾が、水の鳥に向かって、真っ直ぐと発射される。次の瞬間、目に入った光景に驚いた。水の鳥は、無傷だったのだ。いや、実際には無傷では無かったはずだ。聞いたことがある。自らの寿命を糧とし、自分を蘇生させる炎の鳥の話を。名前は、不死鳥や、焔の鳥、フェニックスなどと呼ばれている。コイツの性質は、まさにフェニックスだ。名付けるなら水の不死鳥。水の不死鳥。どう相手すればいいんだよ。待てよ。水?確か、水はものすごい圧力を加えれば、固体になるんじゃ無かったか?試してみよう。カンストした物理攻撃力で、できるだけ圧力を加える。すると、水の不死鳥が、少しずつ
硬くなり始めた。さらに圧力を加えると、水の不死鳥は、完全に固体になった。そして、固体になった水の不死鳥を拳でぶっ壊した。討伐完了っと。俺はさらにモンスターを討伐するため、街の方へ向かった。そして、路地裏に入った。近道のためだ。路地裏を通り抜けようとしたら、ゴミ箱の「影」から何かが襲ってきた。いや、影自体が襲いかかってきたのだ。コイツは、どういう能力を持っているのだろうか。だんだんと面白くなってきた。俺は、剣を構えた。

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