結構、強くなったんじゃないか?今なら「最強種」を相手に、肉弾戦でも、勝てると思う。だって、ステータス、全部カンストしてるもんね。「最強種」の中でも、ステータスがカンストしてるのなんて、「神」か「魔王」くらいだ。つまり、「神」や「魔王」くらいに強くなったということだ。そして、先ほども言った通り、わざわざ「魔の森」のボスを倒しにきたのには、理由がある。ある「イベント」をしにきたのだ。
(おめでとうございます!あなたは、森林系ダンジョン「魔の森」のボスを討伐したため、イベント「限界突破イベント」に参加できます!)
そう頭の中に声が響くと、目の前に、金色の扉が出現した。俺はその扉の中に入っていった。空間が、激しく動き始める。
空間の動きが止まった時、目の前には金色の扉ではなく、殺風景な風景が広がっていた。そして、この会場全体に、機械質な音声が響く。
周りが静かなため、音がやけに大きく聞こえる。
「それでは、第一試験門:地獄界でのイベントを始めます。開門。」
目の前に大きな扉が現れる。次々と若者たちが、扉に向かって、走り始める。そして、扉の向こうから、人が棍棒で、たたき殺される、耳障りな音が響く。自分も、扉へ向かって、歩み出した。 地獄界の中には、グロデスクな光景が広がっていた。人の腐肉、舌を抜かれているもの、大きな鍋で煮られる者たち。なかなかに地獄界は辛そうだ。と、その時、後ろから悲鳴と、大きな足音が聞こえてくる。後ろにいたのは、人と、大きな火の鳥だった。アイツらには悪いが、大きい火の鳥と戦うつもりはない。そのまま足を進めよう、と思った時、大きな火の鳥が、こちらを向いた。標的を変更された。明らかにこちらをエサだと思っている。ここはもう、戦うしかなさそうだ。炎の嘴が迫る。