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11月4日



11月4日は特別な日です。


亡くなった祖母の誕生日でもあり、
私と夫が結婚式を挙げた日でもあります。



祖母が亡くなり、今年は3回忌でした。
家族想いなの?と思うくらい、周囲に迷惑をかけずに
この世を去った祖母。


前日は実家に帰り、みんなで食事をした。
他愛のない会話をし、いつも通りの食卓とメンバー。
これが当たり前と、いつまでも続くものと疑わなかった。


あのときのことは一生忘れないと思う。
元気だった祖母が、機械によって心肺蘇生され、体が動いている状態。
目は開かず、もう話すこともない。
家で祖母と会うことはもうない。

職場から病院に向かうときもすでに泣いていたけど、
あの祖母の顔を見た時は一気に、今までにないくらいの量の
涙がボロボロと溢れた。
自分でもびっくりするくらい、自覚がない涙の量だった。




おばあちゃん子という訳ではなく、喧嘩が日常茶飯事だった。
でも両親が共働きだったため、学校帰りの私は
祖母と過ごす時間が長かった。


母に怒られたことは数少ないが、
祖母に怒られたことはたくさんあるし、記憶に残る。

祖母は花が好きだった。
戒名にも、花の名前が入れられ、きっと満足だっただろう。




亡くなってから一年後の祖母の誕生日に
私と夫は結婚式を挙げた。

本当は来年の春に挙げたらと両親に言われたが、
私はこの11月4日が、どうしても特別な日に思え、
またその日が天赦日だったのも気がかりだった。

祖母がこの日に挙げたらいいよ、と言ってくれている気がした。


来年の春と言ってた2020年の春、
日本では新型コロナウイルスが流行し始める。
きっと大勢の親戚を招いて行うことはできなかったかもしれない。
祖母はそれを伝えてくれていたのかな、とまで思う。



今のご時世、結婚式を挙げたくても挙げれない人がいる状態。
私の知人も3人が延期をしていた。
新婚旅行もあえて挙式の前に行った為、特に延期などは不要だった。

挙式も新婚旅行も、息子が私の元にきてくれたのも
スムーズというか、思い通りにことが進んでくれている。

祖母のお陰、ではないのかもしれないけれど、
とても恵まれているなあと自分でも思う。



どうしても忘れたくなくて、綴ってしまいました。
あまり明るい話ではなかったですが、
これからも11月4日はケーキを買ってお祝いしたい。
この記事を書きながらそう思った。