ビニルンルンプーラプラ

ぼくは　レジ袋の　ビニルンルン石油から生まれたプラスチックでできているんだ。とっても薄くて　丈夫！物を入れるのに　便利だよ。生まれてきたからには　この世のために立派に役立つことを　するつもり！ビニルンルン♪　ビニルンルン♫

さっそく　出番が　きた！お買い物に来た　ホイタくん、チョコを　みっつ　買ったみたい。　「ふくろに　入れますか？」「はーい　おねがいしまーす」いよいよ　ぼくの人生のはじまりだーーー

…と思ったら　「あ‼」ホイタくんは　チョコを食べちゃうとぼくのことを　捨てたんだーーー！なーーんーーでーー？ぴゅ～～～～～

ぴゅ～～～～～風に　飛ばされて　ぼくは空へまいあがった！ビニルンルン　プーラプラ　ビニルンルン　プーラプラいったい　どこまで　行くんだろう？

ふわふわふわわ～～～落ちたところは　川！ぼくは　川のそばへ　まいおりた！川って　魚の　いるところ？でも　ゴミも　たくさん　いるみたい。そして　川の中へ　ザブーーーン

川の　ジェットコースターブクブクプーゴーゴーゴーぼくは　いろんなものに　ひっかかりながら　流れていった。ビリビリビリリー「きゃあ　破れちゃう！ぼくは　いったい　どうなるの？」ビニルンルン　プーラプラ　ビニルンルン　プーラプラ

そして　やってきたのは… 海！大きな　大きな　広い海‼ ぼくは　どんどん　波に流されていった。その時　突然！「痛い‼」ぼくは　だれかに　かじられた‼ 「痛い‼なにするの⁉」ムシャムシャムシャシャぼくを　食べたのは…

カメ‼ 「イタタタタ　なにするの？」　「だって　きみ　おいしそう」「ぼくは食べ物じゃないよ！　レジ袋のビニルンルン！」「えーー　クラゲじゃないの？」「ちがう　ちがーーーう」「だって　ぼく　もういっぱい食べちゃったカメ」　「えーーー？」

よく見ると　海の中は　ビニールだらけ！モグモグモグモグ　モーグモグ。ビニールを食べている生き物がいっぱい　いるよ。「ぼく　そういえば　お腹が痛くなってきたカメ～　イテテテテ～」「わたしも　痛クジラ～～」イタイ　イタイ　イタタタ　タイ。みんなが泣いている　ああ　どうしたらいいの？ぼくは　また　流されていった。ビニルンルン　プーラプラ　ビニルンルン　プーラプラ

波に　流され　お日さまに　照らされ、ぼくは　だんだん　細かく　細かく小さく　小さく　なっていった。ぼくの　まわりには　キラキラした小さな　かけらが　たくさんふわふわ　浮かんでいたよ。赤　青　黄色　白　みどり… キラキラ　キラキラキーラキラ　キーラキラレジ袋だったのは　もう　遠い　遠いむかしの記憶になっていた・・・

ある日　ぼくは　ひとつのかけらと　出会った。「きみは　だあれ？ぼくは　ビニルンルンむかし　レジ袋だったんだ」「ぼくは　むかし　タバコだったタバコンコン。吸い終わったらポイっと捨てられタバコ。雨の日に溝に流れて　川から海まで来ちゃっタバコ」「へー　ぼくと　似ているね」「タバコのフィルターは　プラスチックで　できていて　なかなか分解されないんダバコ」「プラスチック！　ぼくと同じだ！」「そうダバコ　ここに浮かんでいるキラキラは　みんなプラスチックのかけらなのさバコ」「えーーーーー？」

ペットボトルのかけら、車のタイヤのかけら、合成繊維の洋服のかけら、洗剤や歯みがき粉のかけら… かけら　かけら　かけららら～♪ 海の中は　陸からやってきたプラスチックのかけらであふれていたプラプラプラプラ　キーラキラ　キーラキラこれから何百年も　ただよい続けるプラスチックの　かけらたち。その時…

「あっ‼」ぼくたちは　魚に　飲み込まれた！エサだと思ったんだね。ぼくはプラスチックなのに・・・きみ　あとで　お腹が　痛くなっても知らないぞ・・・

そして、ある日　魚は　漁船に釣られていった。ぼくは　いったい　どこまで　行くんだろう… ビニール袋だった　ぼくの旅はまだまだ続くみたい。ビニルンルンプーラプラ　ビニルンルンプーラプラ

魚のおなかに入ったぼくは魚屋さんに並べられた。そして、ある女の人に買われていったんだ。ジュージュージュー女の人は魚をお料理しているみたい。ジュージュージュー　「ごはんですよーホイター早くいらっしゃーい」「はーい」「え？　ホイタくん？」

「いただきまーす」「あれ？ぼくを捨てた　ホイタくん？」 ♪まさかの　展開　　ホイタくんに　また　会えた～♬ 世界は　めぐるね　ビニルンルンプーラプラ～♪ まさかの　再会　ホイタくんに　また会えた～♬ 　　　　　　　　おしまい