母親と恋人

この両者だけが、つねに非常に不愉快な言葉を投げつけてくる。

ほんとうによく似ていると、最近になって気づいた。

「思いやりがない」「感謝がない」とか、あと何だっけ、

ともかくそういう、ぐさりと傷つくことだ。

そんなことを人に言う方がよっぽど、思いやりがないではないかと思ったりもするが、彼らは決まって、決して折れない人たちなので私は言わない。
そもそも、そういった言葉を言ってくる以前から、あれが気に入らない、これがなってないと言われ、それに対して反論するのを諦め、無言でやり過ごしてきていたのだ。

反論すれば倍になって言い返され、もっと不愉快な思いをすることを学習していたから。

確かに何も言わない。言い収まるまで待つ。
その後しばらくは嫌な雰囲気にもなるが、ある程度時間が経ったら何事もなかったような態度で接する。その話には触れずにどうでもいい話をして、円満な空気に戻していく。

それでいいと思っていた。うまく、対応していると。

でもきっと、そうではなかったのかもしれない。

確かに言い返さない。黙って聞く。そして、話が終わったら引きずらず、何事もなかったように過ごす。

でもその繰り返しの中で、たぶん私はだんだんと、母や恋人に対しての彼らの言う「思いやり」や「感謝」が薄れていくのかもしれない。

何か言われそうなことについては話さなくなるし、報告もしなくなる。言わなければならない時は、相手が納得しそうなストーリーに調整して話す。

そうしているうちにやがて、一緒にいることが居心地良くなくなっていくのかもしれない。会う時は、彼らが納得する、気分を害さない仮面をかぶる感じというか。。。

簡単にいうと、向き合ってないのだ。そしてそれをやがて相手も何となく感じとる。そして冒頭の言葉になるのかもしれない。

私が悪いのだろうか。傷つく言葉を受け止める強さがないから。

友達や、会社の人や、親戚なら、こんなことは起こらない。私も礼儀を持って接するし、相手も踏み込んでこない。だから私は、そういう人間関係の方が好きだし、楽しい。

母親と恋人だけが、いつも私を傷つける。必ず。

だから恋人とか親子とかいう関係性が、私は好きじゃない。

そういう関係性になると、傷つくことを言われるから。

たぶん私はそう思ってる。親とか恋人って、嫌なことを言ってくる、一方的に傷つけてくる相手だと。つまり味方に思えてないということ。

そうか。だから私は結婚できなかったんだな。恋人ができても、味方とは思えなかったし、踏み込まれすぎたくない気持ちがあった。

少し離れた関係性で、お互い距離を持って、礼儀正しく付き合っていく方がいい。

母親とはもう4年、連絡を絶っているのに、先日突然着信があり、無視していたらメールが来た。

「話があるので電話します。都合の良い時間を教えてください」と。

それも無視して、電話は着信拒否設定をした。

なぜそこまで?と人は思うだろうが、だって絶対に不愉快な言葉を聞かされることがわかっているからだ。

恋人からは自分の思い通りにならないからと「思いやりがない」「敵だよな」と捨て台詞を吐かれたので黙って聞いてやりすごしたあと、しばらく距離をおく旨を伝えた。

もう、限界。もう嫌だ。

2人とも私に関わらないでほしい。

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