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なんとなくな日々
東京の人は足が速い。
スクランブル交差点を歩く人々は、みな、セキレイのようだ。
そして今、私もそのセキレイの1羽になろうとしている。
東京に越してきて2年が経とうとしている。
春を愛で、夏を感じ、秋をなぞった。
換羽期を終えたセキレイは今年も冬を越す。
18歳の女の子が東京に出てくることでお金では買えない刺激だったり、経験を得ていく。
私はそれを鳥が群れに馴染んでいく光景に似ていると思う。地元では見れない匂いや味。まるで
違う国に来たかのような、あるいは
テレビの中に入ったみたいだ。
でも、ふと手を繋いだ親子を見てしまう。
知らない家のカレーの匂いを嗅いでしまう。
その瞬間、私は鼻の奥がツーンと痛くなってしまうのだ。
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