おいしいって幸せなんだね


ここ数年。
何度も年頭に掲げた目標がある。

「食に興味を持つ」

いつからか死なない程度に食べれていれば良くなっていた。
朝ごはんは子どものお弁当に入らなかった残りだし、昼は一人分なら納豆ごはんとか即席ラーメンやパスタ。
夜ご飯は必要最低限の栄養素は意識して、ごはん+おかず+野菜+汁物だけ確保する。不味くなければいいか〜と適当な味付けで済ませちゃう。

そんな感じだけどさまざまな本を読んでいて、心に何らかの引っかかりを感じるのは食についてのエッセイを読んだ時だ。

エッセイは書き手の生活をのぞいているようだったり、心を使っている視点を知れたり、自分の日常にある幸せを拾い集めるヒントがたくさんあるような気がして。ついつい手に取ってしまう。

栗原はるみさん、石田ゆり子さん、西加奈子さん…
みんな丁寧でやわらかな暮らしの中心に「食」を置いている。
そんななかでも、小川糸さんの食の世界は魅力を感じてならなかった。

素敵だな。美味しいって幸せなんだな。
…でも。なんかちょっとわからないのだ。
自分のために美味しいを追求できない。
美味しさに対して貪欲になれない。
そんなもどかしさ、悔しさ。
それがわたしの感じていた引っかかりだ。


おかげさまで妊娠できてから、順調にツワっていた。(悪阻)
吐いたり動けなくなるほどではないので、比較的には元気と言える。…といっても、やっぱり地味な船酔いのような気持ち悪さと、受け入れられない食べ物や匂いに背を向けて布団に横たわる日々が続いた。

ところが!!今週あたりから徐々に炊いたばかりのお米が食べれるようになって、ちょっとお肉も食べてみたり、お腹いっぱい食べても気持ち悪くならない日が出てきた。

嬉しくてしょうがない。家のご飯ですらこんなに美味しかったかと思うほど、食べることに有り難さと幸福を感じるようになった。

キッチンに立ったらついつい何品も作りたくなる。
手の込んだものや時間のかかるものはできないけど、SNSで見かけたレシピをちまちま保存していたので今できそうなものを冷蔵庫から引っ張り出しては試してみる。

試せば美味しい。
だってレシピに出てるんだから。
好きな味にも変えられるんだから。

元々質素な献立を好むので、ちまちまと小鉢が揃えば万々歳。モリモリ食べて、食べすぎて、食後はちょっとの気持ち悪さに反省する。
「あー、もうちょっとだけ量減らせばよかった…」
と思ったのは昨日も一昨日もなのに。実は今夜も食べすぎた。

悪阻が終わった後の体重増加に気をつけるべき!とちょうど良くマタニティアプリに警告されたので、まずは体重計に乗ることを日課にしようとは思っている。

けれど美味しいが止まらない!


今日は豚汁にしようとしていたのに冷蔵庫には豚肉が無くて、急遽冷凍していたサバを投入。魚の出汁と油分で絶妙に美味しい。ペロリ。

他にも最近食べたもので言うと、ほかほかご飯にしらすをたっぷり乗せたしらす丼。リンガーハットの冷凍でお酢をかけまくった皿うどん。ひき肉増しましのボロネーゼパスタ。全部ペロリだ。
美味しくて美味しくて。幸せでたまらない。

ちなみに近頃は砂糖よりハチミツが今の身体に合うようで。熱々のホットミルクにハチミツとカフェインレスのコーヒーで淹れたカフェオレが朝のお気に入りだ。わざわざ牛乳を温めてでも飲みたい。


やっとやっと美味しい幸せを実感できて嬉しいし、少しだけ食への興味が湧いた喜びも感じる。

合わせて極め付けは、ほんちゃんがご飯を食べて
「うん、おいしい!」とグーサインをくれることが増えた。それってわたしにしたら、なによりのモチベーションだ。

夫はほとんどわたしの料理を食べない家庭なので(経緯は割愛。いまだにどうかと思う点…)美味しいと言ってくれる人が一人でもいるという生きがいはこんなにも生活を揺り動かすのかとびっくりしている。

自分が食に対して消極的だったのが、娘にも影響を与えてたのなら。ここでわたしも変わろうと思った。もう少し食を愛して、美味しいを追い求めてみようと思ったきっかけになった気がする。

健康維持のため、ダイエットのためとか。それはもちろんだけど、自分や家族の喜びのため。というのがわたしが食べ物を愛するための要素だった気がする。

美味しい食べ物にちょっとずつ手を伸ばしてこれから生活していきたい。

わくわくする好きな歌。

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