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女が髪を切る時

髪は女の命。
その昔、髪上げは成人と同時に結婚を意味し、恋と髪は密接に関係していると言われたことから「髪は女の命」と言われるようになったのでは、という説がある。

私が10代後半に付き合っていた彼氏は、やたらと私のヘアスタイルを気にする人だった。
「肩くらいの長さが似合うと思う」
と言われ、私は素直に言う事を聞く従順な彼女であった。
ショートだった髪を肩まで伸ばし、キープ。
自分が似合うかどうかよりも、彼の好みでいたいという、若さゆえの浅はかな行動。
今こうやって打ち込んでいるだけで、超絶恥ずかしい過去である。

社会人になり、ちょっとパーマでもかけてみたいなぁと思いその事を話すと、彼は黙って顔をしかめてしまった。
はい、速攻諦めた。

黒髪で肩までの長さのストレート。

それが彼の希望であれば、例え勤務先から「もう少し髪色を明るくしてみては…」(そういう業界だった)と言われたとしても、断固として「嫌です」と言っちゃうようなつまらない女なのであった。

それなのに。
そこまでして彼を優先していたのに。
私はある日あっさり彼にフラれた。
研修旅行から帰って来た翌日、呼び出されたと思ったらさくっと捨てられた。
ポケベルもケータイもないような時代。
研修先から連絡しなかったのがそんなに気に入らなかったのか?
いやいや、振り返ってみれば理解出来る。
まったく「自分」というスタイルを持たない彼女に飽きてしまうのは当然だろう。

私は一晩中泣いた。
翌朝もちろん瞼はパンパンに腫れていた。
それでも休む訳にも行かないので、とりあえず仕事に行った。
先輩達が代わる代わる「どうしたの?」と聞きに来てくれるたびに涙が溢れ、ついに私はバックヤードから出なくてもいいからと言われ、終日サンプルの在庫管理をすることになった。
「こんな日に仕事に来ただけ偉い」と言ってくれた先輩方。いや女神様方。
アホな新入社員に優しくしてくださり本当にありがとうございました。(今更w)

その後私は、彼が言っていた「黒髪で肩までの長さのストレート」の意味を知ることになる。
なんて事はない。
学生時代に好きだった彼女が、そういうスタイルだったから。

わーーーーーー!!!!!
別な人の面影を追い続ける彼の言う事を聞いていたなんて!!!!!!
返せーーー!!!!!!
私の青春を返せーーーーー!!!!!!!

泣いても喚いても過去は返らない。時間は戻らない。
その時誓った。
「もう決して男の言いなりになどならない」と。

程なくして髪を切り、パーマをかけ、髪色も明るくした。
出来ないことはNOと言い、全く可愛げのない現在の人格に生まれ変わった。

当時流行っていた今井美樹さんの「オレンジの河」という曲の一節。

♪これからは髪の形かたち 気にせずに 自由でいいの♪
曲全体的に私の心情どストライクじゃないか?と思っていたところへこのフレーズ。
もうこれはきっと私のための曲ではないかという錯覚にまで陥り、カラオケに行くたびに我が物顔で歌っていたものだ。
この場を借りて今井美樹さんに全力でお詫び申し上げたい。

その結果。
ぜんっぜんモテない氷河期が続き、夫のような完全なるハズレくじで妥協してしまうことになるのであった…。

話を戻そう。

この度私はベリーショートにした。
・・・と言っても切ってから3週間ほど経ってしまった(^_^;)
この期間はまた後々語るかもしれないけど、めちゃめちゃ忙しかったのだ。
自身の仕事が忙しかったのもあるが、大方の予想通り、またまた義母のバタバタに巻き込まれることになってしまった。
流れを変えてやろう!と髪を切ったのに。
流れを変えるどころか、濁流に巻き込まれ、流されまくってる私なのであった。

上記の長々としたエピソードでも分かるように、私は気分や流れを変えたい時に髪型を変える傾向にある。
髪色を明るく変える時期もあったが、ホワイティ―(白髪)が気になりだした頃からは専らカラートリートメント愛用者となった。
仕方ないけど、トーンはかなり暗めに仕上がるんだよな・・・。
もうちょっと明るくなるためには、ホワイティーを増やすしかないのだろうか。それも嫌だけどね。

バタバタに巻き込まれている故、自分のためにかけられる時間が減ってしまっている今、ドライヤーは秒で終わり、寝ぐせがついたとしても水をつければちょちょいと直り、ブローも不要なこのスタイルはめちゃくちゃ気に入っている。似合うかどうかは別として。

何だか取り留めのない投稿になってしまったなぁ。
文章を書くことからかなり時間を置いてしまうくらい、いっぱいいっぱいだった日々から少しずつ自分のペースに戻していきたいところである。
流されたままじゃいけない!
流れを変えてやろう!!


#ヘアスタイル
#失恋
#過去の思い出
#気分転換
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#ショートカット
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