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解除日以降のこと⑤【完結】

9月21日(水)&22日(木)
仕事の日。
小さなお子さん相手のことなので、解除日+5日間の待機を経ての再開とした。

私は週2~3回程度、自宅で託児を請け負っている。
義母のことがあり、外で働くことが難しい私にとって、この社会との繋がりは大変ありがたく、それこそ義母中心の生活を一瞬だけでも忘れて自分の好きなことに集中し、「嫁」「主介護者」ではなく「私」である時間を生きることが出来る、とても楽しいひと時でもある。

2週間ぶりに会った子どもたちは、それぞれ少しずつ大きくなり、おしゃべりが上手になり、更に活発になったりしていた。

忘れられてたらどうしよう。
そんな心配は杞憂に過ぎなかった。

「rinoさーん」と甘え、駆け寄り、抱っこをせがむ仕草に、やっと自分の居場所に戻れたような、そんな気がした。

外遊びが大好きな子達なので、要望に応じてそれぞれ庭に出たり散歩に連れて行ったりした。
シャボン玉を膨らませてはしゃぎ、行き交う車をじっくり観察しながら、お気に入りの石ころを夢中になって集める姿に、私は心から癒された。

ただ、やはりこれも後遺症なのであろうか。
以前よりもかなり疲れやすくなった気がした。
息子も仕事から帰って来ると「すごく疲れた」と言っていたっけ。

いくら軽症で済んだとはいえ、自宅で療養し、その間一度も医療機関にかかることもなく、何らの症状が出れば市販薬で・・・なんて病気だ。
これって本当にしっかり治せてるのだろうか?って思ってしまう。

おうちの方への引き渡しが終わると、片付けもそこそこにまずは部屋で横になった。
来週はもう少し体力戻ってるといいな。

少し休んでから、私はどうしてもこの日のうちに行きたいところがあった。
療養期間中にお世話になった方々に直接お礼を言いに行きたかった。
一番大変だった時期に、フットワーク軽く助けに来てくれた方々の顔を思い浮かべながら、市内を車で回った。

「こんな水臭いことしなくていいんだよ」
「困った時はお互い様なんだから」
突然伺ったのにもかかわらず、みなさん優しくて、あたたかくて。
苦しい時に支えてくださった御恩、一生忘れません。

誰が分かってくれなくても、「頑張ってるね」「大丈夫だからね」と言ってくれる存在がすぐ傍にいてくれた安心感は、辛い療養期間の私にとって何よりの心の支えであった。
実際に会えなくても、PCやスマホで外部の人たちと繋がっていられたこと。
これは非常に大きかったと思う。
この時代じゃなかったら、私はもっと不安定に陥り、こんなに早く外に出ようとか人と会おうなんていう気持ちに、なかなかなれなかったかも知れない。

前から少しずつ綴っていたnoteという場所に、その時々の感情をアウトプット出来ていたことも、とても良かったと思う。
きっと後々読んだら「こんなに私は感情的になっていたのか」と冷や汗をかいてしまうような内容かも知れないけど、その瞬間はリアルにそのように傷つき、泣いて、誰かに伝えたい思いを眠れない夜に必死にPCに向かって打ち続けたことは紛れもない事実である。

人を傷つけるのが人であるのと同時に、人を救うのもまた人なのだということも、この度のことで改めて実感した。

もう心なんて開くもんかと思っていた、義母関係のある方からこっそりと声をかけられた。
「実は私も罹患してました。辛かったですよね。これはね、きっと罹った人にしか分からない気持ちだと思います。私でよければいつでも話を聞きますよ。無理しないでくださいね」

利用者達がパニックにならないようにと、その方が罹患したことはごく一部の人間しか知らないトップシークレットであった。
私達家族はどなたが・・・というところまでは知らされなかったが、人手が足りなくなるからと、利用時間の短縮や送迎など協力をしながらその時期を乗り切った。
「あの人事情があってしばらくお休みするんだって」と義母が言っていたので何となく察しはついていたが、そうか、そういうことだったのか。

身近に同じ思いをした人がいるというだけで、何だか心がふっと軽くなった気がする。
実際その方に悩みを打ち明けることはないと思うけれど、そんな風に言って貰っただけで、涙が出るほど嬉しかった。
明るい笑顔の裏に隠された苦悩を知り、私は義母関係のこの方だけは信じられるような気持ちになった。
もともとこの方には好印象を抱いていたが、やっぱりいい方だった!と思った。

「ありがとうございます。あなたもどうぞ無理せずに。お互いゆっくり行きましょー!」
この方には引き続き、明るい私で接していこうと心に決めた瞬間であった。

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息子の感染が分かった日から、つらつらと書き綴り、マガジンにもまとめて、気づけばこれで14本目の投稿となりました。
仕事も再開したし、いろんな気持ちにケリをつけることも出来たし、とりあえずコロナ関連の投稿はこれにて一旦終わりにしようと思います。

ぎっくり腰は、気づけば1週間くらいで痛みは収まりました。
ただ、2日間仕事をした後はさすがにまた痛くなっちゃいましたので、引き続きベルトなどで自衛しながら付き合っていきたいと思ってます。

再び義母のワガママ記録とか、子ども達とのこととか、時折社会に向かって吠えたりとか、気ままなテーマで投稿を続けていきたいです。

ここまでお付き合いくださり、本当にありがとうございました!

またきっとすぐ何らかのネタを書き出すと思いますので、その時はどうぞよろしくお願いいたします。

rino

#療養期間終了
#社会復帰
#私を生きる






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