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温めてはいけない。

時々無性に生ハムが食べたくなる私。
塩分制限のある義母の前には絶対に出せないので、ショートステイに行っている間ならモンダイナイという訳で、昨夜は生ハムを使ったサラダを作って食べた。
少し余ってしまったので、今日のお昼にサンドイッチでも作って食べようと密かに楽しみにしていた。

午前の仕事を終えて自宅へ戻ると、夫の営業車が停まっていた。
どうやら仕事がキャンセルになってしまったらしい。
あらま、お昼どうしよ。
途中で買ったパンは私の分しかない。
こりゃ麺でも茹でるしかないかな。
いや、冷蔵庫に残りご飯があったからそれで炒飯でも作ればいいか、
なんて思いながら家の中へ入る。

キッチンから何やら音がする。
たまに、ホントにごくたまに夫は料理っぽいことをしたりする。
正午を回っていたので、お腹が空いて何か作り始めたのだろうと思ってキッチンを覗く。

「ただいま」
「お帰り。飯、rinoの分も作っておいたから」

なんと!
雪でも降るんじゃないかと思うような珍しいことが起こったぞ(笑)
今日は朝早くから本当に忙しかったので、お腹ペコペコだった。
ありがたや。

ラップのかかったお皿がテーブルに置いてある。
炒飯?
(いや、それにしては水分が多いよな)
リゾット?
(多分時間が経って米に水分が染みわたりまくってる状態)

「あ、これね、中華飯」
冷蔵庫に残っていた食材を適当に使って作ったという。
自分は先に食べたそうだ。
正解を聞いても決してソレには見えないけど、背に腹は代えられない。
「いただきます・・・」
どう考えても完食できる量ではないくらいに、スープで膨れ上がったお米達をスプーンですくい、口へ入れる。
予想通り、やはり中華飯の味はしなかった。

食べ進めると、様々な具材の中に気になるモノを発見した。
この硬い肉なんだろ?
ハム?そんな買い置きあったっけ??
ハム・・・もしやコレ・・・
昨夜の残りの生ハムでは?????
サンドイッチに挟む予定だった、あの生ハムでは?????

「あれ昨夜の残りだろ?有効活用したから」

なんでだ・・・
なんで敢えて生ハムを加熱したんだ・・・
生ハムをグラグラと煮て食べる人、半世紀近く生きてて初めて遭遇したわ・・・。

でもここで↑を口にしたら、夫は確実にガチギレする。
言われなくてもいいことまで言われて傷つくのは目に見えている。
一生懸命作ってくれたのは事実だしね。

なので私は黙って食べ続けた。
そしてあんなに柔らかくてしょっぱくて美味しい生ハムは、熱を加えると硬くて風味が全て飛んでしまい残念なお肉に変身してしまうという悲しい現実を知ることになった。

ああ。
ふわふわの状態でサンドイッチ食べたかったな・・・。

#男の手料理
#生ハム
#温めてはいけない





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