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雑記:登場人物たちがうまれるとき。

小説の書き方、は人それぞれだと思う。なんとなく書き始めてそのまま書ける人もいれば、緻密なプロットを完璧に作ってから書き始める人もいると思う。私はどうやって書くかというと、基本的には、登場人物から始まることが多い。

ひねりやオチの必要なショートショートの場合は、ストーリーありき、で書くが、中編より長めの作品になると、やはり登場人物ありき、だ。

どんな物語か、ではなく、誰の物語か、ということだ。そう。私は、「ある誰かの物語」を書くのが好きなのだ。

例えば、noteで発表している長めの小説でいうと「セレナーデ」。あれは、「小夜の物語」だ。最初に「小夜」がいて、「小夜」を肉付けしていく中で「陽菜」や「佐久間」がうまれてきた。

小夜についてじっくり聞き出すのだ。年齢。性別。性自認。恋愛対象。血液型。体格(だいたいの身長体重)。何月生まれ。仕事。

などなど、小説に出てこない情報まで、じっくり見極める。

煙草吸う?→吸う
銘柄は?→マルメンライト
お酒飲む?→あまり飲まない
友達いる?→あまりいない。少しいる。
友達どんな子?→ここで「陽菜」がでてくる→陽菜ってどんな子?と、陽菜バージョンの質問が始まる。

結婚してる?→してた→離婚した→なんで?→小夜の過去に何があったの?
彼氏いる?→いない
好きなものは?→猫好き、雨好き
キレイ好き?→片付けは苦手

本読むかな、映画みるかな、好きな作家は?好きな映画監督は?好きな色は?

小夜のことを好きな人はいる?→いる。「佐久間」→佐久間って、どんな人なの?→佐久間バージョンの質問が始まる。

こんな風に、作中に出てくることも出てこないことも、ありとあらゆる登場人物の情報を集めて人物像を定めていく。私が作るというより、本人に聞く、という感じだ。だから、教えてくれないこともある。そういうときは、違う登場人物に聞いたりする笑。

ちなみに、小夜は、作中では名字が出てこないが、「上原うえはら小夜」というのがフルネーム。「小夜」という名前がきれいすぎるので、名字は普通の名字にした。好きな作家さんの本名から拝借している。

陽菜のフルネームは「桜川陽菜」。陽菜は、母親のしつけが厳しめの育ちなので、ちょっとお嬢様っぽい名前にした。「桜川」は、「桜川のオフィーリア」という小説から拝借している。

ちなみに佐久間は、大好きな漫画の中で、悪魔のくせにめちゃくちゃ優しくて純愛大好きのサキュバスが地球で名乗っている名前が「佐久間」なので、そこから拝借している。そのサキュバスは、本当の愛を知っているのだ。佐久間はサキュバスなのだ。いや、違う笑。

登場人物ありきで小説を書くので、相関図を作るのも大好きだ。

セレナーデは登場人物が少ないから、そんなにごちゃごちゃしないけれど↓

自分のためのメモなので字がひどいけど、こういうメモがたくさんある。

これは、また別の話の相関図↓(男 箱根で殺される、って書いてあるけど、殺されなかったなw 箱根なんて出てこなかったし)

これもまた別の話のメモ↓(これは、「私」と書いてあるところが結局一人称じゃなくなったから、話がうまいこといかなかった)

こうして、登場人物たちとその関係性をしっかり見極めてから、私は小説を書き始める。そうすると、いわゆるプロットがしっかりしていなくても、あまり軸がぶれない気がする。ぶれない、というか、誰の物語なのか、ということは、ぶれなくなる。

だから、三人称が苦手なのか……!と、今思った笑。

今公募に提出している中編小説は、ある姉妹の物語。今書いている途中の長編は、ある一人の女性の物語。やっぱりどちらも、登場人物から始まっている。

もちろん公募で残ってほしい気持ちもあるけれど、戻ってきたら載せるので、読んでもらえると嬉しいです。


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