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言葉の箱

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#眠れない夜に

"アオイではなく、ひらがなであおいと呼んでくれた" - 江國香織『冷静と情熱のあいだ Rosso』

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"もう二度と 死ななくてよい安らぎに 見つめてゐたり祖母の寝顔を" - 梶原さい子

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"腕の内側は、心の中同様他人にふみこまれたくない場所なのだ。" - 江國香織『すいかの匂い』

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"お鮨を食べ、壜入りの色水みたいなオレンジジュースをのみながら、私は、お酒をのまない女は嫌いだと思った。大きくなったら、絶対にお酒の強い女になろうと決心した。" - 江國香織『すいかの匂い』

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”帰る場所。人は一体いつ、どんなふうにして、それをみつけるのだろう。眠れない夜、私は、人恋しさと愛情とを混同してしまわないように、細心の注意を払って物事を考えなければならない。” ― 江國香織『冷静と情熱のあいだ』

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”泣いている宮下先生はとても美しかった。泣かれている漆原はやさしくて男らしかった。この二人は愛し合っているのだ。大人の女になるためには、大人の男に愛されなくてはならない。”― 中山可穂『感情教育』

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“「生活していれば、どうしたって傷つくのよ。壁も床も、あなたも私も」主張しながら、なんだかかなしくなってしまった。“ー 江國香織『とるにたらないものもの』

"甘くて贅沢な、快楽を伴って口の中でとけるチョコレートは、男が女の心をとかすためのものだとしか思えないから。" ― 江國香織『いくつもの週末』

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“外国を好んであちこちたびしていたころ、よく墓地を散歩した。墓碑銘を読むのが好きだったのだ。自分の墓碑銘を想像したりした。『ユキムラアヤノここに没す。強い女だったのに』というのだ。でもほんとうは、そのときにはすでに、号泣する準備はできていた。“ 『号泣する準備はできていた』

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