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言葉の箱

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#恋愛

"窓辺にはくちづけのとき外したる眼鏡がありて透ける青空" - 吉川宏志

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“わたしは自分がたったいま恋人を疑ったことにおどろき、動揺している。信じきっていなければ、愛に意味などないことを知っていた。” - 江國香織『ウエハースの椅子』

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"男たち。子供の私には与えられていなくて、大人の私に与えられたもの。得体の知れない思考と幸福な体温を持ち、芳しく、骨ばった生き物。" ― 江國香織『ウエハースの椅子』

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"やさしそうな男だと思った。どのくらいやさしいか確かめたいと思った。" ― 江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

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"やり直すのではなく新しく会いたい" ― 江國香織『思いわずらうことなく愉しく生きよ』

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“「生活していれば、どうしたって傷つくのよ。壁も床も、あなたも私も」主張しながら、なんだかかなしくなってしまった。“ー 江國香織『とるにたらないものもの』

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"わたしは彼のやさしさが少々物足りなかった。キスしたければ、すればいいのに。欲しければ塁のように、がむしゃらに血を流してでも奪えばいいのに。" ― 中山可穂『白い薔薇の淵まで』

"大切なのは、受け容れられ、望まれるということだった。家族とか、学校とか職場とか、そういう背景の一切関係のない場所で、自分が誰かに望まれるということ。心だろうと身体だろうとかまわない。何をもったいぶる必要があるだろう。" ― 江國香織『左岸』

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"「こうやって一緒に生きてるわ」ひっそりと、詩史が言った。「一緒に暮らしてはいなくても、こうやって一緒に生きてる」透は、返事をしなかった。" ― 江國香織『東京タワー』

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"甘くて贅沢な、快楽を伴って口の中でとけるチョコレートは、男が女の心をとかすためのものだとしか思えないから。" ― 江國香織『いくつもの週末』

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"私は思うのだけれど、注意深くするのは愚かなことだ。当然だ。誰かを好きになったら注意など怠り、浮かれて、永遠とか運命とか、その他ありとあらゆるこの世にないものを信じて、さっさと同居でも結婚でも妊娠でもしてしまう方がいいのだろう。" ―江國香織『号泣する準備はできていた』

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"私は夫といるとき、重いものは絶対に持ちたくない。重いものは持ってほしいし、夜道は一緒に歩いてほしい。虫は退治してほしいし。ときどき贅沢なチョコレートを買ってきてほしい。怖い夢をみたら安心させてほしい。正しくなくても全然いいからそうしてほしいのだ。"―江國香織『いくつもの週末』

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"人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトとにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す" ― 江國香織、辻仁成『恋するために生まれた』54頁

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