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2021年10月の記事一覧

"私は思うのだけれど、注意深くするのは愚かなことだ。当然だ。誰かを好きになったら注意など怠り、浮かれて、永遠とか運命とか、その他ありとあらゆるこの世にないものを信じて、さっさと同居でも結婚でも妊娠でもしてしまう方がいいのだろう。" ―江國香織『号泣する準備はできていた』

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"私は夫といるとき、重いものは絶対に持ちたくない。重いものは持ってほしいし、夜道は一緒に歩いてほしい。虫は退治してほしいし。ときどき贅沢なチョコレートを買ってきてほしい。怖い夢をみたら安心させてほしい。正しくなくても全然いいからそうしてほしいのだ。"―江國香織『いくつもの週末』

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"人生が思うとおりにならないものなのだとしても、人は思うとおりに生きるべきだ、と僕は思っている。" ―江國香織『ぬるい眠り』

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"いつもおなじひととごはんを食べるというのは素敵なことだ。ごはんの数だけ生活が積み重なっていく。"―江國香織『いくつもの週末』

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"私たちはあのころ別々の場所にいたけれど、いつも会ってはおなじ風景をみた。別々の場所にいたからこそ、と言ってもいいと思う。いま私たちはおなじ場所にいて、たいていちがう風景をみている。"― 江國香織『いくつもの週末』

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"言いすぎた、なんて最悪のあやまり方だと思った。言いすぎた、なんて、うっかりほんとうのことを言ってしまってごめんなさいねと言うようなものだ。"ー 江國香織『ホリー・ガーデン』

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"人間は死ぬとき、愛されたことを思い出すヒトと愛したことを思い出すヒトとにわかれる。私はきっと愛したことを思い出す" ― 江國香織、辻仁成『恋するために生まれた』54頁

“私の心臓はあのとき一部分はっきり死んだと思う。さびしさのあまりねじ切れて。“ ー江國香織『号泣する準備はできていた』

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“外国を好んであちこちたびしていたころ、よく墓地を散歩した。墓碑銘を読むのが好きだったのだ。自分の墓碑銘を想像したりした。『ユキムラアヤノここに没す。強い女だったのに』というのだ。でもほんとうは、そのときにはすでに、号泣する準備はできていた。“ 『号泣する準備はできていた』

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”ここにいなさい。ここ以上に正しい場所はないんだから。思い出して。逃げようとしないで" ―江國香織『ウエハースの椅子』183頁

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"幸福かどうかは重要なことじゃない。それがどういう意味なのか、そのときの透にはわからなかったが、いまはわかるような気がする。詩史さんに与えられる不幸なら、他の不幸よりずっと価値がある。" -江國香織『東京タワー』69頁

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『ひとりで生きていけるふたりが、それでも一緒にいるのが夫婦だと思う』というTiffanyのコピーが昔から好きでした。結婚する前はカッコいい!と思っていたけど、今は手放しで賛成できない感がある。

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