#24 栄冠ナイン振り返り 最終回

夏の甲子園を制覇したふぁぼ立呉山高校。
ちょっぴり燃え尽き症候群になりかけている彼らの明日はどっちだ。

夏の甲子園後のU18日本代表には しゃも。さりとて。そして杉山が選ばれていた。
杉山はやめておいた方がいいのでは……という不安があったものの、なんとその杉山が大会MVPを獲得したそうな。失投しなかったから一発も出なかったんやろうな……


そんな先輩方のいいニュースを見つつ秋の県大会。
学校の評判は名門なのに、先輩たちが卒業して総合力がやっとこさC程度のふぁぼ立呉山はどこまで抗えるのか。
特に外野手しゃも、狩野が抜けた外野手が不安なところ。

しかし一度も試合に出た事ないのに何故かすでに讃岐の精密機械の異名を持っている先発 福原が好投を続けて勝っていく。
善通寺戦は3対10。三木学院を11対1。ともにコールド勝ちでキメるとあっさり県大会を優勝。

地区大会では伊方中央5対3の接戦を1年生かおなしがしっかり抑えて勝利。
2回戦は美波学園を11対2でコールド勝ち。これにて地区大会優勝。春の甲子園出場を決めた。
チーム力は大分落ちたと思っていたものの、なんとか安定して甲子園に出る程度には強いんだなあとしみじみ。名門ってこういうことよね。

試合後、本屋さんOBの国吉が威圧感(投手)の本をくれたので、即座に反応を示した かおなしに投入。大活躍だった先輩ピッチャーさりとての系譜を継ぐ者として期待される。これが思わぬ成果を生むことになる。


ドラフト&ちょっと先だけど卒業式の話。
さりとてはヤクルト1位指名。
我が校初の甲子園優勝ピッチャー。元々は抑え起用で化け物防御率を誇っていたのに、なんとなく嫌な予感がして念の為スタミナを上げておいたら元の先発福原くんが赤特殊貰いまくりでズタボロ。その後は先発投手のバトンを受け取ると、見事夏の甲子園を投げ抜いてくれました。
公式戦通算成績は26試合で防御率1.34。うーん、怪物投手。

しゃもがカープ1位指名。
四国のオクトパス。シャイニングバスターズ。カット打ちの悪魔。異名が死ぬほどある名外野手。だいたい監督のせいなんだけど。
威圧感・カット打ち・粘り打ちで、一度打席に立つと大体10球以上は投げさせる体力吸引機っぷりで数々のピッチャーを潰してくれました。
公式戦通算成績は32試合 打率4割 6本 20打点 3盗。うーん、最強。

名前付き以外には赤特の鬼 杉山がライオンズ1位。ヨシカワではない吉川がタイガース1位。もうひとりのカット打ちマン狩野がオリックス1位。
計5人がドラフト1位指名されるという凄まじい年になった。やっぱり甲子園優勝ってすごいわ。
なお、ドラフト後のインタビューで、何故かふぁぼ立呉山校生がみんな揃ってトマトの栽培方法の話をしていたのは、SNSやインターネットの匿名掲示板上で少し話題になったそう。

他に気になった進路は一度も試合に出ずに3年ベンチを温め続けた平澤がミゾット社員で一安心。
3年間バットを振り続けてバッティングを鍛えたものの、ことごとく大事な場面で凡退し続けた西村がならずもので解釈一致など。あれだけバッティング鍛えたのに人を殴るためにバットを振るな。


新入生スカウトでは、かをの好リードを引き継ぐ次のキャッチャー。
黄金世代を終えてパワー不足を感じる外野手などを要チェック。

練習試合では名門の南国実業をグラウンドの魔物パンチでコールド勝ちし「名門って言っても名門の上の方と下の方では違うんですよね」と煽り散らかす。これが甲子園優勝校の自覚や。


そんなこんなで迎えた春の甲子園。
先発一本柱の福原がまさかの調子不調で先発させるか悩んでいたところ、1年生のかおなしが「監督!!!!!!!!」と言ってくるので、試しに投げさせてみることに。こんなに自己主張の激しいピッチャーは初めてだ。
というわけで初の先発が甲子園という緊張感あふれることに。

一回戦は東東京代表 台頭高校(総合戦力C)
死刑台に送られた囚人を見る目で送られたかおなしだったが、覚えさせた威圧感が仕事してるのか、9回1失点という予想外の好投。
打線も爆発して結果は11対1。
「なんか思ったよりイケるし、投手は調子いい方使っていけばいっか」というダブル先発システムでいくことに。昨年夏の甲子園を思い出すぜ。あ、知ってます?うちの高校、昨年優勝したんですけど。


二回戦は新潟代表 越後北(総合戦力C)
この試合も絶好調のかおなしが9回1失点で抑える。能力値的にはそうでもないだろうに、一体どうして。不思議に思いつつ味方打線も援護をし、9対1での快勝。
ここまで良いピッチングをしているのにマネージャーは何故かかおなしを褒めず、他の部員ばかり褒める。なんでや。


「正直春はキツいと思ってたけど思ったよりイケてね?」と思い始めた準々決勝は宮崎代表 都城学園(総合戦力B)
ここまでくると流石に強敵なのか、6回終わって2対3で追う展開。球数も100球に近く苦しい。

しかしランナー1塁からかおなしが送りバントで2塁に進め、赤石がさらにセーフティバントで出塁して1,3塁。
ここでさらにスクイズを決めようとするが、流石に3連続バントは読まれたのか、ウエストされてあえなく死亡。絶好のチャンスに無得点で苦しい。

だが8回表ツーアウト。打力をまったく上げてないのに何故かヒットを打つ国本(この時点での打率.581)がライト前ヒット。その瞬間に「抜けろ!」と念を送る監督。するとライトが後逸して、1塁にいたランナーがぐるっと回ってホームイン。同点。
そこに田野もセンター前ヒットで続いて逆転。金森もセンター前ヒットで1,2塁。そこで投手かおなしがレフト前にヒットを打ち自分で援護して5対3。自分で投げて自分で点を取る。1年目のエースであるニックを彷彿とさせるヒットであった。
その後もエラーなどで追加点があって7対3。このリードを守り切って勝利となった。なんか優勝できる気がしてきた……


と思った準決勝。相手は檜原高校(総合戦力B)
夏の甲子園大会 一回戦で戦った西東京代表のチームである。当時先発ピッチャーを務めていた杉山にスロースターターをつけ、杉山に赤特殊能力もりもりマンの印象がつくきっかけとなった試合。相手にとってもリベンジだが、こちらにとっても杉山の仇という気持ち。
だがここまで好投を務めていた かおなしがコツコツ打ち込まれ、毎回のように失点して6回終わって2対5で負けている展開。
ヤベエ、これまで騙せていた1年生ならではの基礎ステータスの低さがはっきり出ている!と焦る監督。

しかし7回表。ワンアウト満塁から内野ゴロの間に1点返すと、4番河田がレフト前ヒットで1点。続いてかをが右中間を破ってランナー一層のツーベースで2点追加の6対5。
弱いのに何故かヒットを打つでお馴染みになっている国本が相変わらずヒットを打ってチャンスを広げると、ピッチャーが投げた牽制球を一塁手がエラーして1点追加。
まさかの連続失点に相手ピッチャーがバテるも、何故かバテたピッチャーを打ち込めないジンクスを持つ今年のチーム、ここは三振で抑えられる。
しかし7対5でもともと先発を務めていた福原をマウンドに送り込むと、きっちりと抑える。まあ、実際投手としての基礎ステはかおなしくんより福原くんの方が全然高いのよね。追加点を加えて10対5で勝利となった。
これにてまさかの決勝進出。二大会連続優勝が見えてきた。


そして決勝戦。かおなしと福原が同じ調子なのでどっちを先発にするか悩むが、甲子園決勝まで引っ張り上げてきたのはかおなしの好投だと考えて先発をかおなしに。佐賀代表 武雄(総合戦力B)との戦い、参る!

最初に動いたのは4回表ワンアウト1,3塁。田野がヒットで1点取ると、次の内野ゴロで「こけろ!くじけ!捻挫しろ!」と、とても高校球児に言うべきでない言葉を投げかけエラーを誘って追加点。2対0。

しかし4回裏に即座に3点取り返されて2対3にされてしまう。武雄もヒットから送りバント、犠牲フライと繋ぐなかなかの堅実さ。
ならばこちらも負けてらんねぇと5回表。3塁までランナーを進めてスクイズ成功で同点に。
かと思いきや武雄も1点取り返して再びリード。なんだこの忙しい試合。

しかしここで一度落ち着く。っていうか落ち着きすぎてそのまま9回に来てしまう。9回表 3対4。ここで何とかしなければふぁぼ立呉山の敗北という場面だが

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この回、先頭打者の赤石が流し打ちで華麗にホームラン。
ここにきて試合を振り出しに戻す一打。まだ死んじゃいないぜ俺たちは!

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そして赤石はその裏の守備でも魅せる。センターへ抜けるかという当たりを俊足による広い守備範囲でキャッチ。しっかり抑えて延長戦へもつれこむ。決勝にふさわしい死闘になってきたぜ!


10回表ふぁぼ立呉山の攻撃。無死1塁の場面からバントで送ると、田野が左中間を切り裂く辺りで1点獲得。

そして裏。これを抑えれば勝ちと言う場面だが、福原はいきなり無死でランナーを出してしまう。
続く打者は内野ゴロだがゲッツーは取れず、1死2塁。
そしてバッターボックスに立つのは4番。しかしセカンドゴロに抑えて2死3塁。
ヒリヒリする場面だが、続く5番はアベレージヒッターを持っているかなりの強打者。
不安は当たり、センター前ヒットを打たれ1点入れられ同点になってしまう。戦いはまだ続く。

「正直(春の甲子園は)ここまで来れると思わなかったけど、来たからには勝ちてえよ」と語る監督。だが武雄も意地がある。お互いランナーを進めてチャンスは作るものの、あと1打が出ない。

そして迎えた延長13回表。先頭バッターの投手 福原が出塁すると、赤石が送りバント、これが俊足のおかげで内野安打に。
そして1,2塁で小瀬。さらにここで送りバントを刻んでいく。この春までに走り込んできたのはこのためだったのだと言わんばかりに。
迎える3番レギン。ここで1ストライク1ボールの場面で、相手投手がバテる。引っ張っていけと指示をしていた監督は急遽スクイズに切り替える。何故なら、この大会中通して何故かバテたピッチャーからヒットを打てないからである。この冷静かつ鬼のバント連打で執念の1点追加。

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その裏を福原が抑えきって勝利。まさかの夏の甲子園に続いての連覇。
正直、甲子園に出場するのが精一杯だと思っていたのでこれにはさすがにびっくり。僕は生徒の力を侮っていたのかもしれない。

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この10年を振り返る時にスクラップブックを見てたんだけど、昔の新聞ってちゃんと色あせていくんですね。芸が細かい……エモいぜ……


というわけで、配信でやってきたふぁぼ立呉山高校のお話はここまで。
実はこの後も少しやっていて、次の夏の甲子園は敗退するものの、その後の春夏は甲子園連覇してたりします。ふぁぼ立呉山は真に名門となったのだ……


全体的な感想。
思っていたより一選手に感情移入したり、ドラマが生まれるゲームなんだなと思いました。
「これだけ選手がいたら自分も視聴者も選手を把握できなさそうだし、強い選手に名前つけてそいつだけ見てればいいか」と思いながら始めたのに、気が付けばバント職人の米村、復讐者脇山兄弟、甲子園で弱体化していく杉山など、勝手にキャラが立つ選手が多いこと多いこと。
そいつらの成功や失敗がまたドラマを生む。勝ちや負けだけで終わらず、次の世代や大会に繋がるってのもよかったですね。

印象に残った試合はやはり最初の甲子園決勝。自分で操作してるわけでもなく指示を出してるだけというのに、もしかして勝てるのではと思った時や、最終回3ランホームランで追いつかれそうになった時、それでも抑えきって勝利した時は体温が上がるのを感じました。
そうなるってことは相当感情移入してたんだろうな。実際、熱くて面白いゲームだった。

というわけで、このふざけた高校に入学してくれた(名前を貸してくれた)ニックさん、ざがんちゃん、鴉さん、白クマおさん、砂奈さん、ぜふさん、ごろりさん、Bellさん、雫さん、まりあさん、おでんコーナーさん、ぽてと#さん、さりとてさん、しゃもさん、かをさん、レギンさん、ピータンさん、かおなしさんに感謝。勝手に借りた人もいるけど。

それでは長かった振り返りも終わり。今度からnote何書こう。
これにておつりんひら~~~~は、流行らない。お疲れさまでした。

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