#17 栄冠ナイン振り返り 5年目

「ちょっと文量が増えてきてるので軽めにしたいなあ」とは毎回思ってるんですが、年々チームへの思い入れが増していくし、試合も勝てるようになっていくので、逆に伸びてってます。ゼェゼェ。

絶対的エースが不在で投手力が課題となった5年目。

今回のフォロワーの名前お借り新入生は、コントロール スタミナが共にD、ノビBを始めから持つが、かなり不利な特殊能力である一発も持っている雫さん。
そして1年生の時点でミート パワー 守備力がD、対左投手A 走塁B 流し打ち 守備職人という既に三年生と比べても遜色ない能力を持つまりあさん。

それ以外の新入生はパワーDの大村がいるくらいで、特に目立つ選手はいない印象。しかし、今まで活躍してきたエースたちと同じ「ノビ」を持つ投手と、怪物新入生が入ってきたことからかなり明るいスタートとなった。

この年のふぁぼ立呉山高校は、これまでの歴史の中でもぶっちぎりで強い打線が特徴だった。
1番:ほぼオールCの能力とアベレージヒッターを持つ砂奈
2番:ミートC パワーD、粘り打ちの番場
3番:ミートB パワーB、逆境〇の新妻
4番:ミートB パワーB、パワーヒッターのぜふ
その後も大体ミートとパワーがD以上ある選手が続く。
強力なスタメンを見て「今年は何かが起こせそうな気がする」と頷く監督。
しかし、野球の神様はその慢心を許さなかった。


夏大会の初戦は小豆島高校。以前、練習試合で勝利し、オリーブオイルを大量にせしめた高校である。

この試合は先発の霜田が捕まるところから動いた。
1回、3回とコツコツとヒットを打たれて0対2。
この展開に不安を覚えた監督。4回表で1アウト1,2塁の場面を見るや否や、かなり早い段階からグラウンドの魔物(通称オリーブオイル)を召喚。
それによるエラーやエラーさらにはエラーを重ねて逆転。6対2でリード。

だが次の回、小豆島高校は即座に4点を返して同点にしてきた。
バ、バカな。奴らも俺たちと同じようにボールにオリーブオイルを塗ってるっていうのか?(小豆島はオリーブが名産なので)

同点に追いつかれて慌てる監督。しかし選手たちは落ち着いたもので、怪物新入生まりあのヒットや、昨年引退した米村の姿を髣髴とさせる新妻のスクイズ。
そして……

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ヒットエンドランを指示されたので、ボールっぽい球に無理やりバットを当てたらホームランになったという、凄まじいパワーを見せつけた外野手ぜふの2ランホームランにより5回表 10対6。再び大きいリードを手にした。

だがやはり投手力に問題を抱えるチーム。
先発霜田が早めに打ち込まれ、途中で変わった野尻も捕まってしまう。
すぐさま2点取り返されて5回裏 10対8。

そして8回裏。3番手を務めた瀬野も捕まり、ここにきて10対10の振り出し。
9回表は9番代打が使えるところから始まる好打順だったが、出塁はできてもホームには返せず。
しかし9回裏は新入生の雫が抑えきって延長戦へと望みをつなぐことが出来た。

延長戦になりお互い1年生も動員しての総力戦だったが、高松高校の投手 篠塚が肩で息をしているような状態なのに、魔球ナックルとストレートの緩急を駆使して捕まえさせない。

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苦しい展開に監督は「これに勝ったら唐揚げ奢ってあげる」という切り札を使うも、10回裏についに失点を許して痛恨のサヨナラ負け。
10対11。まさかの初戦敗退、唐揚げはお預けとなってしまった。

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なんてヒット数のえぐい試合だ。
この代償は大きく、評判が中堅からそこそこに落ちてしまった。
期待していただけに後悔の残る結果だったが、エースを育てることの大事さを学べた夏大会となった。

そしてこのタイミングで三年生が引退。
キャプテンの砂奈。パワーヒッターのぜふ 両名もここで引退となる。
最後の夏を初戦敗退で終わらせてしまった事に監督はちょっと申し訳なさ。
せめてプロに入れるといいな……
ちなみにキャプテンはフォロワー勢が出なかったので砂奈から村尾に。


強打者揃いの三年生が引退し、良いイメージを持てないまま迎えた秋大会。
やはりピッチャー問題は2ヶ月そこらでは解決せず、初戦の三豊高校戦もあっさりホームランを打たれ、6回裏終わって3対0。
7回表にはファースト村尾のエラーなども重なって5対0とリードを広げられる。

「まさか、秋大会も初戦で負けてしまうのか……?」

そんな不安と村尾へのクソリプが押し寄せる中、7回裏 ノーアウト 1,3塁で件の村尾の打席が回ってくる。
ここでやらなきゃお前のリプライ欄は燃えっぱなし、鍵かけて逃亡、アカウント削除ルートだぞ、村尾!
試合での借りは、試合でしか返せないんだよ村尾!

そんな熱いゲキを飛ばしてみたものの、村尾自体はめちゃくちゃ冷静にフォアボールを選ぶ。大物かよ。
そして1アウト満塁の場面。ここで監督はミートとパワーが共にDの上原を代打で送る。

「――気持ち的にも上原を出してやりたいんだよね。
 この人ずっと砂奈さん(三年の正捕手)の後にいて、
 まったく登場機会がなかったから――」

あこがれの本番。万感の思いで打席に向かったであろう上原は

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初球を見事にとらえてレフトスタンドに叩きこむ。
試合に出れずとも己のバットを磨き続けた男の執念である。
この辺りから「りんひら監督はあえて選手にストレスを与えることで、その選手を強化しているのでは?」という疑いが掛かり始める。
トマトをおいしく育てる方法かよ。

そして上原の満塁ホームランに興奮冷めやらぬまま9番代打 大村の打席。

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まさかのまた代打でホームラン。逆転。

監督自身に代打〇がついてる説が浮かび始める展開に監督大興奮。己の采配が刺さった時ってこんなに嬉しいもんなんですね(素の感想)

この代打2人の活躍がターニングポイントになる。その後取り返されて6対6の同点に戻されたりもするが、勢いづいたふぁぼ立呉山打線は9回裏のチャンスでここまで温存していたオリーブオイル製グラウンドの魔物を投入。
だがそれとは関係なく、犠牲フライ打ってこいと指示を受けた3番 内海が勢いあまってホームランを打ち、6対9で勝利。
ホームランでしか点を取らないという、あまりに気持ちいい試合だった。


この勝利で勢いづき、続く2回戦の香川高校戦。
切り札であるグラウンドの魔物が暴れに暴れたというのに8回表 6対7で1点ビハインドという苦しい展開。
それでも9番内海、1番まりあが続けてヒットを打ってノーアウト1,2塁。
ここで回ってくるのはバント技術と俊足に定評のあるベル。監督は安心して送りバントの指示を出すが、バントが上手すぎて普通に内野安打。満塁の大チャンスを作り出す。

そしてノーアウト満塁で3番のごろり。ここまでも打撃力に定評があり、まさに「打撃職人」という印象がある。この選手が

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打った瞬間にホームランと分かる完璧な広角打法を見せつけて勝利を手繰り寄せる。このリードを守り切り、11対9で勝利となった。

そしてこの後の練習中に転機が起こる。プロ野球選手になった塚越がピッチャー雫の大きい欠点であった一発(失投した際にど真ん中に棒球を投げやすくなる割と致命的な能力を消してくれたのである。
勝てはすれどエースピッチャー不在だったふぁぼ立呉山高校へ、一条の光が差し込んだ瞬間であった。

だが秋の地区大会では投手に転生プロを4人抱えた伊方高校と当たり、打線を封じ込められて1対3での敗北。惜しくも地区大会初戦敗退となってしまった。


ドラフト会議やら卒業式。
秋は地区大会まで行けたものの、夏は初戦敗退だったのでプロに入れるか不安でちょっとドキドキ。

まず指名を受けたのはヤクルト4位にぜふ。
パワーヒッターが逆に悪さをしたのか、序盤は凡打に倒れる場面が目立つも、ミートやパワーを鍛えた後半からはしっかり長打を打てる強打者になりました。

そしてジャイアンツ4位に砂奈。
早いうちから守備能力がよく、アベレージヒッターまで取得して高い打順を任せられるバランスのいい選手でした。

最後にカープ4位に新妻。
入学時から高水準だった能力値に苦手だった走塁まで克服して才能が開花。公式戦の打率が.378 2本 9打点というエグい活躍を見せました。

ふたを開ければ計3人がプロ入りという嬉しい結果。
恐らく早い段階からスタメンとして起用していたのが生きたと思われる。
特に砂奈さんは先輩のニックさんと同じチームに行ったし、同じ出身校でバッテリーを組んだら熱いよね……

ちなみにこの他の卒業生の進路としては、野尻が「ならずもの」という教育者として関わった僕からすれば悲しい道に進んでしまったことを記しておく。

新入生スカウトは色々悩んだものの、学校の評判がそこそこになってしまった事もあって選択肢があまりない。
とりあえず脇山という名字の選手がいたので「まさか、ニック世代(1年目新入生)で万年ベンチだった脇山の弟!?」という驚きがあってゲットすることにする。
あとはピッチャーをひとり声をかけてみたが、果たして。
正直そこまで期待できるスカウト成果ではない年だったが、その結果は……来年をお楽しみに。


5年目はなんとも派手でドラマチックな試合が多い年となった。
っていうか逆転が多すぎて文章量が今までの年と比べて凄くなっちゃった。
見てる側としては面白いけど、監督としてやるには心がしんどいわ……
6年目は投手力の上昇が求められることになりそうだ。

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