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球体人間あるいは人間球体
以前働いていた職場にTさんという人がいた。
Tさんは身長は平均的なのだが、とてつもなく太っていて、その過度に肥大した体躯は極めて球体に近かった。その為、彼の姿を見るといつもプラトンの『饗宴』で語られる「人間球体説」を思わせた。
本人は頑なに数値は明かさないのだが、推定150kgはあろうという巨体を前にした人間は往々にして彼に対して、人生の落伍者というような感覚を覚え、そして彼を蔑むようになるらし
以前働いていた職場にTさんという人がいた。
Tさんは身長は平均的なのだが、とてつもなく太っていて、その過度に肥大した体躯は極めて球体に近かった。その為、彼の姿を見るといつもプラトンの『饗宴』で語られる「人間球体説」を思わせた。
本人は頑なに数値は明かさないのだが、推定150kgはあろうという巨体を前にした人間は往々にして彼に対して、人生の落伍者というような感覚を覚え、そして彼を蔑むようになるらし