日記 羊と小金の街

10時起床。最近はアラームを9時に掛けている為比較的規則的な睡眠リズムを保っている。

恋人が旅行で家を空けるタイミングで帰省していたが、明日から大学が始まる為帰宅する。母はこの帰省中のびるかまるまるかしかしていなかった私に温かな3食を振舞ってくれ、私の話にウンウンと頷いてくれた。出張中だった父からは土産のアップルパイを持たされた。本当に愛されていると自覚すると共に、この愛故に掛けられた金を考えると自分がいたたまれなくて涙が出てくる。小さい頃誰かが未年生まれは金を食うと言ったが、私は掛けられた金の量に見合った自分でいられているか。裏切らない為にも無闇矢鱈に死ねないのだ。首を吊る方が楽で、兎に角この真暗闇が辛い。

金の話が出た。かけられた金が重荷になってつらいという話から察せられるが、私の心を動かすのは否が応でも金だ。金の量で感情が決まる。金をかけられると愛されていると感じてしまう。今の恋人は昔から割り勘勘定だ。かけられる金は少ない。何かとかこつけた記念日にDIANAの靴やオールドティファニーを貰う事はあったが、日常で掛かるちまちまとした出費をしてもらったことは少ない。それ故か、恋人に対する不信感はずっと持ち続けたままで、結婚式の挙式なんかでドッキリ大成功の看板を持たされるのではないかと疑い続けたままでいる。私の人生は勘違いと恥で自滅し続けているのだから、それくらい起こったって自分の厚顔さを猛省するのみで済むのだ。

そんな事を考えながら、音楽を鳴らし家路につく。新しく買ったアンカーのノイズキャンセリングイヤホンはコーラスの息遣いが聴きやすく位相がしっかりしていて良い。空は明るい太陽から私達を護るようにして薄紺の布を被ってしまったような夕暮れで、そんな空の中で橙色の街灯が揺れ始める。恋人と同棲し始めて早一年となるが、独りで音楽を聴きながら今の自分を見つめ家路を辿る時間が結局好きなのだ。どれだけ今の生活が安定していようと、ハイウェイのような明かりが差し込む1kで嘆いたあの日が懐かしいように。独りで内面だけを取り出してきらきら光る街明かりを涙で暈す日々を愛しく思える。

そういえば私がドーナツ食べて適当言ってるあのnote、なんであんなにも軽バズったんですか?


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