パリライで魔法をかけ直してもらった話

あんさんぶるスターズというゲームを長年やっていた。
はまりすぎて受験を棒に振るほどに。
好きなキャラクターはたくさん居たけれど、特に『逆先夏目』というキャラクターが大好きだった。

ゲームの熱が落ち着いた今、
今の私が大好きで仕方ないのは夏目を演じてくれた『木津つばさ』という俳優だ。

知ったきっかけは
『あんさんぶるスターズ！on stage～Night of Blossoming Stars～(以下:NBS)』という作品で
彼が私の大好きな夏目を演じてくれていたことだった。
舞台に、作品に、キャラクターに
絶え間なく、惜しみ無く愛を注ぐ様子が素人目に見ても分かり
気付いたら職を捨て実家の荷物をまとめ東京に越してきていた。
そもそもそのうち上京はする予定だったし
思い切りはいい方ではあったけれど
こんな風に、全てを投げ捨てられるほど突き動かされるような衝動を感じたのは、今のところこの時が初めてだった。

大好きだった。
夏目が、木津くんが。

ここまでの流れだと
担降りを心配されそうだが、安心して欲しい。
私はずっと木津くんが好きだし、これからも好きでいる予定だ。

昨日幕を降ろした
『あんさんぶるスターズ！The Stage -Party Live』の話をさせて欲しい

結論から言おう
とても楽しくて幸せで、満たされた時間だった。
でもそこに至るまでの日々に沢山の不安があった。

NBS大千秋楽後
木津くんがあげてくれたInstagramには
「いつもより本気でした」の一文があったことを忘れたことがない。
彼本人の綴る文章から、ユニットや夏目へのたくさんの愛を感じることができて幸せだった。
けれど木津くんがあんさんぶるスターズの舞台(以下:あんステ)に出演したのはそれっきりで
数年後にゲーム内のサークルから派生した劇団ドラマティカ(以下:ドラマティカ)への出演が決まるまで
木津くんがまた夏目を演じることはなかった。

だからだろうか
NBSで夏目を演じてくれていた頃よりも
ドラマティカ公演中の木津くんのTwitterやInstagramの投稿はどこか淡白に感じてしまって
私は心のどこかで思ってしまった。
彼はもう、あの頃の熱量を持って演じていないのかもしれない。
そう思うと、いつまでもNBSにすがりついている自分が惨めに思えた。
新しく貰っているたくさんの役を見て、好きにならない役は無かった。
でも、NBSの夏目を越えるキャラクターを見つけられなかった。
ずっとあの時の夏目にすがりついている自分が、悪いことのように思えた。
彼はずっと先に前に進んでいるのに
私だけ置いてけぼりだ。ずっと囚われてしまっている。
もう手放さないと彼を応援するのは難しくなっていくのかなと、そう思っていた。

そして発表されたParty Live(以下:パリライ)。
出演一覧には「逆先夏目(木津つばさ)」

心が震えた。
ユニットのひとりとしての夏目を、またステージの上で見ることができる…！
だけどそこには不安もあった。
ドラマティカで感じた不安が、また出演してくれるという喜びを覆してくる。
もし夏目に対する木津くんの熱量が冷めてしまっていたら？
あの時と違った夏目が出てきたら？
その時私、まだ彼の夏目が好きだって言える？
まだ、木津くんを応援していける？

まあそんなことは杞憂だったわけで。

3月25日12時公演
2階席、斜め先にトロッコに乗り込む夏目が見えた。
音楽が流れて、歌い出した彼が顔をあげた瞬間
私がずっと抱えていた不安は全て晴れた。

NBSで、私が愛した夏目がいた。
私が憧れた木津くんがいた。

彼が参加した曲は4曲と少なかったけれど
その短い時間のなかで
客席の私たちに、一緒に演じている他のキャストに、舞台に、
そして何よりも夏目にたくさんの愛を注いでくれた。

その日の夜公演では
木津くんが前日に「みんなのこと見つけて楽しませる」とツイートしていた内容を
有言実行してくれているようにも思える様なことも体感できた。

26日は12時公演の配信を見て
一緒に見ていた子と今までにないくらい叫び、楽しみ
満たされた気持ちで家に帰ってきて、涙が出た。

木津くん、まだ夏目のこと愛してくれてた。

他の人が感じたかはわからない、
でも自分は確かに感じたそれにボロボロ泣いて
ふと木津くんとのオンライントークを思い出した。

「私、NBSの夏目くんを見てからずっと木津くんのことが好きなんです」
「ありがとう、僕にとってもね、大切な役ですよ」

温かな声で、優しい顔で
彼は私の前で確かにそう言ってくれていたのを
私はどうしてか、失念していた。

多分私は木津くんに
夏目のことを愛してるよって、ただ言って欲しかっただけだったのかもしれない。
寂しさをこじらせて、自分の勝手な想像に心を押し潰されそうになっていただけだったんだと思う。

NBSでかけてくれた魔法、自分で解かしかけてしまったけれど
パリライでまた幸せの魔法をかけ直してくれた

私まだずっと言い続けるよ
木津くんの夏目が大好きだって
ずっと好きでいていいんだよね