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りんごえん#6 22年りんごシーズン・スタート

とうとう始まりました。

7-8月とも雨天ばかりで果樹の育成が不安な夏でしたが、9月から晴天が続き生育の遅れを挽回したような。台風14号も静かに通過しホッとしていますが、今日も雨です。

りんごは、つがる、きおうの収穫がおわり在庫もあとわずか。
先週は、紅いわてを収穫しました。

このあとりんごの収穫スケジュールは、10月にニュー・ジョナゴールド、世界一、やたか、昴林、もりのかがやき、王林。11月に、大夢、王実、ふじ、ぐんま名月、金星。12月にはるか、と進む予定です。

りんご以外の果樹は洋梨。オーロラ、ゼネラル・レ・クラークの2種を収穫し、10月にシルバー・ベルの予定です。

洋梨のオーロラとシルバー・ベルは幼木ですが、収穫量がこれまでよりも増えました。去年までは収穫数が少ないので、母が「切れ」とうるさかったので、ホッとしています。切るのはいつでもできますが、まずはどんな梨が実るのか食べてみたかったんです。まだ幼木なので、味も完成されていない気がしますが、ひとまず延命。

ゼネラルは去年、摘果を忘れて2度しか行わなかったので、サイズが小さいものがたくさん出来てしまいました。その反省を踏まえ、今年は見直し摘果をシッカリしたせいか、病気感染も少なくサイズも大玉が多くて期待が膨らみます。あとは、うまく追熟してくれるよう祈ります!


りんご以外の果樹の収穫は終わったので、今は相変わらず不良果の摘果と着色管理という作業をしています。着色管理は、ウチの場合は「玉まわし」と「シルバー敷」の作業を行いますが、上記2つの作業の前に「葉つみ」という作業をするのが一般的だと思います。

「玉まわし」は、赤色に着色するりんごに対し行う作業です。
果皮全体が均等な赤色に色付くよう、りんごの軸を中心に赤色が着いた面から未着色の青色の面へとりんごを手で回し回転させます。

回転角度は約15度(と、栽培指導要項には)言われていますが、その辺は適当に。大胆に回してしまうと、りんごの軸が枝から外れてしまうので、慎重に少しだけ回転させます。

この作業は、赤色果実のすべてに対し行うので1本の樹にりんごが100個実っているとしたら、ウチは赤色品種のりんごは約350本なので100×350=350,00個を回転させる。1度の回転でどの面も360度きれいに色づくのは難しいので、収穫するまで1個のりんごを少なくても3回。ふじは晩成種なので4~5回は回転させたいと思っていますが、収穫時期(降雪前の)との競争です。

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もうひとつの着色管理作業「シルバー敷き」は、銀色の大きなアルミホイルのような敷物を、着色を促進したいりんごの果実の下に敷きます。太陽光を集めて樹の内部や葉陰の果実にも光を届け、着色を促すのが目的です。


でも、ウチではこのシルバー敷は着色が進まない場合の最後の手段と考えいます。なるべく、玉まわしだけで着色を完了させたいのです。
理由は、シルバーを敷くと下の雑草(下草?)が枯れるので園地の生態系に影響が生じるかもと思っていること(草生栽培をおこなっているため)、また作業省略の観点からです。

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そして、ウチでは行っていない「葉つみ作業」ですが、
これは、りんごの軸周囲の葉っぱが着色する際に影をつくり、キレイな着色を妨げるため、りんごの葉を摘み取るという作業です。

この作業も、最初はりんごの軸付近の小さい葉を採り、次に大きな葉を採る、というように段階を追って摘み取っていくようです。

ウチは「葉とらず」を謳っていることもあり、この作業は行っていません。葉は果実の味に影響する。特に果実周辺の葉は味に大きな影響があるという気がしています。

ただ、黄変した葉は採ります。葉は黄変すると、そのあと茶変し→落葉しますが。黄変=もうその葉に栄養が無くなり、葉としての役割を終えたサインだと考えます。また黄変や茶変した葉は、太陽光を通さないためその葉が残る果皮は、必ず着色しないのでこれも採る理由です。

ということで、ウチの着色管理は基本的に玉まわし一択です。葉つみやシルバー敷に要する時間を、玉まわしに投入し着色の仕上がりでは他所の園地の皆さんと最後は肩を並べたい!と思い玉を回しています。

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今日はお彼岸でお墓に行ったら、#4で話した80歳のアルバイトさんに遭遇。ご挨拶をしたら「自分の年齢を考えて、今年の収穫作業で引退したい」と話がありました。残念。ショック。でも、アルバイトに来る本人も不安だったのかもと思いました。受け入れるこちらも今年も怪我無くと手を合わせ拝む気持ちで依頼していましたから。

ウチの母は80前ですが、この3年でかなり足取りがおぼつかなくなりました。先日は、1時間前に2人でおこなった作業を忘れたようで「やった?やったのかどうか自信がない」と言い出して「ついに来たか!」と思いましたね。本人にも「何よ!ついにボケたの?」と言ったら、本人は爆笑していましたが、こっちは笑えない。一瞬緊張感が走りましたよ。

なかのみさんも、お母様の近くに引越されたとのこと。相手が元気なうちは同居しなくて正解だと思います。距離はあったほうが良い。いずれ同居しなければならない日が来るかもしれませんが、それはその時。いや、その時が来ても、お金で解決する方法だってあり。同居をしない罪悪感がこちらに多少あったほうが、相手にも優しくなれる気がします。

今回のりんごえんは、親の話で締めくくり!



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