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Sivi Pinot 2002 / Kmetija Štekar

<タイプ>
オレンジ
<生産者>
Kmetija Štekar
<品種>
ピノ・グリ 100%
<産地>
スロヴェニア・Goriška Brda
<価格帯>
6000円前後

<コメント>
6日に分けて8日間で飲みました。シェリーのような産膜酵母を用いたタイプということでシェリー好きとしては大変気になり、飲んでみることにしました。

開栓直後の1日目はシェリーのような香ばしくナッティーな香りとニュアンスを前面に感じます。自然な甘みがあり、一般的なシェリーよりは度数が低いこともあって柔らかい印象ですが、私程度の経験値ではこういうシェリーもある、と言われればシェリーだと信じて疑わないレベルでシェリー感が強いです。
2日目になるとシェリー感に加えて甘みや酸味、果実味が少し前に出て来て、ワインとしてバランスが良くなります。3日目も同様で、この2-3日目あたりがシェリー感と果実味のバランスが一番良く感じました。自然な甘みや旨味、コクもありつつ、シェリーほど濃厚な感じではなく、冷涼感やみずみずしさも兼ね備えた印象です。また余韻が上品ながら非常に長く、ナッツのような感じだけでなくラムのような印象も感じるなど複雑でした。
1日空いて5日目になるとシェリーのニュアンスがかなり落ち着くとともに少し変化し、栗のような少し枯れたニュアンスに。まだまだ安定感があります。
6日目以降もあまり変わりませんが、シェリーのニュアンスがさらに酸化したのか醤油のような風味も。少し雑味が出てきている印象で、流石に下り坂な感じでした。

<感想>
最初はほぼシェリーそのものという感じだったので、少し時間をかけて飲んでみると、2日目以降にどんどんワインとしての表情が出てきた印象です。シェリーそのもの状態では、正直コスパ的にもおとなしくシェリーを飲んだ方が良いと思ってしまいましたが、2日目-3日目の状態であればワインとしての個性がしっかり感じられていい感じでした。また大半のシェリーがどことなく陽な雰囲気や濃厚さを感じるのに対して、こちらはあくまで冷涼感があるのが印象的です。
食事との相性はちょっと難しい印象で、たいていの食事を邪魔はしないのですが、相乗効果がある、というのはあまり感じられず。特段食事とのマリアージュを楽しむというよりは食前や食後にゆっくり嗜む方が家で飲む分にはいいかもしれません。
再三繰り返していますが、開けた後少しおいた方がシェリーのニュアンスが落ち着いて飲み頃に感じます。一方、瓶内でどのように変遷していくのかはあまり想像がつかず、開栓という意味では今が飲み頃なのか、もっと置くべきなのかは全然判断がつきませんでした。ただ、今飲んでもさほど険しい印象はなく、加えて、かなりゆっくり変化するワインな気がするので、十年単位で待って初めて熟成の効果を感じられるのではないかと予想します。

<得点>
74点

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