「テニスの王子様」を分析する(121):視覚的な間(ま)

「弟想いなんだな
 不二は」

手塚のフキダシの「不二は」という言葉のあとに、空白が続いている。

許斐剛『テニスの王子様 14巻』集英社、2002年、P.140。

コマの左端にはチャイムの音があり
このことからも、わずかな時間の経過が感じられる。

さらに、話しかけられた不二も、
手塚への呼びかけの直前に「――」という無言の時間がある。

これらの間(ま)は、果たして不二は、本当に「弟想い」なのだろうか?と読者が一瞬立ち止まる時間を与えている。
と同時に、このコマの続きへの
わずかなためらいも感じられる。


散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。
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