「テニスの王子様」を分析する(116):動きを止める言葉

「ほっとけば」
という言葉が、フキダシからこぼれて
次のコマにまで、はみ出しているように見える。

許斐剛『テニスの王子様 14巻』集英社、2002年、P.32。

そのはみ出し方から「取ってつけた」ような印象を受けるが、
同じフキダシ内でありながら
文字の大きさも異なり、より強い調子で発言しているようにも見える。
(とはいえ、文字の大きさ自体はほんの少し大きくなっているだけで、同時に描かれる「顔」の大きさから、相対的に文字が大きく見えている。)

ほっとけばよい、という提案ではなく
ほっておくべきだ、強い意志。
むしろ聞き手の表情も加味すれば「ほっておきなさい」という強い制止のようにも思える。


散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。
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