「テニスの王子様」を分析する(119):相対的に小さい

山吹中、不動峰中の間を
青学テニス部部長の手塚と副部長の大石が
通り抜けていく。

許斐剛『テニスの王子様 14巻』集英社、2002年、P.91。

この通り抜ける、という行為は、
千石の「おい待て待て」(しかも汗マークが付されている)フキダシのツッコミ性から
青学の「ボケ」(もっと言えば天然ボケ)性を見出すこともできる。

一方で、背景となる(関東大会のトーナメント)抽選会場は、直線的で厳かに描かれる。
引きの視点で描かれるこのコマは、建物に比べ登場人物たちは小さく見える。
関東大会の厳しさを暗示するかのようなこのコマにおける、青学のスルー行為は、緊張感の表れと見ることもできるのではないだろうか。


散文と批評『5.17.32.93.203.204』に、テニプリ論考を寄稿しました。
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