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抗ヒスタミン


抗ヒスタミン薬と内服アレルギー用薬

(鼻炎用内服薬を含む。)

第1世代抗ヒスタミン薬

・風邪薬、内服アレルギー薬、目薬、外用薬など多くに使われる。
・ くしゃみや鼻漏に有効であるが、眠気や口が乾くなどの副作用が起こることがある。
・ 脂溶性が高く中枢に容易に移行し、眠気や他のアミン受容体への結合がある。
・脳内に移行すると眠気を引き起こしたり、記憶成績を低下させたりする。
・ 緑内障や前立腺肥大などの下部尿路の閉塞性疾患との併用は禁忌。

第2世代抗ヒスタミン薬

・ 一般的にアレルギー治療に使用され、特に花粉症で多く使用されている。
・ 血液脳関門を難関として通過しにくいため、脳内でのヒスタミンH1受容体を遮断することが少なく、眠気が起こりにくい。

小児の熱性けいれんの注意

・熱が出たときに熱性けいれんを誘発する可能性が高いと言われている。

抗ヒスタミン成分 してはいけないこと

眠気や運転操作
・ 抗ヒスタミン成分は内服薬として摂取され、全身的に作用します。これにより、眠気が促される可能性があるため、内服薬の使用後には乗物や機械の運転操作をしてはいけないこととなっています。

抗ヒスタミン成分 相談すること

・ 抗ヒスタミン成分は抗コリン作用も示すため、排尿困難、口渇、便秘などの副作用が現れることがあります。排尿困難の症状がある人や緑内障の診断を受けた人は、症状の悪化を招くおそれがあるため、使用前に相談することとされています。

メキタジン まれに重篤な副作用

・ メキタジンはまれに重篤な副作用としてショック(アナフィラキシー)、肝機能障害、血小板減少を引き起こすことがあります。

ジフェンヒドラミン 授乳を避ける

・ジフェンヒドラミンを含む成分については、吸収されたジフェンヒドラミンの一部が母乳に移行して乳児に昏睡を引き起こす可能性があるため、授乳中の女性は使用を避けるか、使用する場合には授乳を避ける必要があります。

咳止め・痰を出しやすくする薬(鎮咳去痰薬)

・ 咳や喘息、気道の炎症は、アレルギーに起因することがあり、鎮咳成分や気管支拡張成分、 抗炎症成分の働きを助ける目的で抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。

併用に注意
・ 気道粘膜での粘液分泌を抑制することで痰が出にくくなることがあるため、痰の切れを良 したい場合は併用に注意する必要がある。

重複に注意
・ かぜ薬、鼻炎の薬、アレルギー薬など他の医薬品に抗ヒスタミン成分または同種の作用を有する成分が重複している可能性があります。
・ このような重複摂取は、薬の効果が強すぎたり、副作用が起こりやすくなる危険性があります。

鼻に用いる薬

・ 鼻粘膜が刺激に対して敏感になることから、肥満細胞からヒスタミンが遊離し、くしゃみや鼻汁などの症状が生じやすくなります。
・ 抗ヒスタミン成分は、肥満細胞から遊離したヒスタミンが受容体と反応するのを妨げる作用を示し、ヒスタミンの働きを抑える役割を果たします。

口腔咽喉薬、うがい薬(含嗽薬)

・ 口腔咽喉薬は、咽頭の粘膜に付着したアレルゲンによる喉の不快感などの症状を緩和するために使用され、一部の口腔咽喉薬には抗ヒスタミン成分が含まれていることがあります。

内服薬と同様な副作用

咽頭に局所的な作用を提供することを目的としていますが、結果的には抗ヒスタミン成分が口から摂取される可能性があります。その結果、内服薬と同様な副作用が現れることがあるため、内服薬と同様に、抗ヒスタミン成分に関連する副作用に注意する必要があります。

眠気を促す薬 として

ヒスタミンは睡眠と覚醒に関与する神経伝達物質で、脳の下部で覚醒の調節に関与していて脳内におけるヒスタミン刺激が低下すると、眠気を促します。

ジフェンヒドラミン塩酸塩
ジフェンヒドラミン塩酸塩は、抗ヒスタミン成分の中で特に中枢作用が強いです。

慢性的な不眠症状は対象外
抗ヒスタミン成分を主薬とする催眠鎮静薬は、一時的な睡眠障害の緩和に使用され、慢性的な不眠症状の人や医療機関で診断を受けた人を対象としません。

妊婦や妊娠していると思われる人
妊娠中の睡眠障害は、ホルモンの変化や体型の変化によるものであり、睡眠改善薬の適用対象ではない。妊婦や妊娠していると思われる女性は使用を避けるべきです。

小児の神経過敏や中枢興奮に注意
小児および若年者は抗ヒスタミン成分による眠気の代わりに神経過敏や中枢興奮などの副作用が現れることがあり、特に15歳未満の小児では使用を避けるべきです。

眠気や運転操作の注意
抗ヒスタミン成分を含む他の医薬品(抗アレルギー薬など)も眠気の副作用に注意が必要です。

目覚めた後も注意
抗ヒスタミン成分を含有する医薬品を服用後は、自動車の運転等、危険を伴う機械の操作に従事させてはならないですが、睡眠改善薬の場合、目が覚めたあとも、注意力の低下や寝ぼけ様症状、判断力の低下等の一時的な意識障害、めまい、倦怠感を起こすことがあるので注意 が必要です。

翌日まで眠気やだるさを感じるときには、それらの症状が消失するまで自動車の運転等、危険を伴う機械の操作は避けるようにします。
寝ぼけ様症状、判断力の低下、めまい、倦怠感などの一時的な意識障害が起こる可能性があるため、翌日まで注意が必要です。

鎮暈薬(乗物酔い防止薬)として

抗ヒスタミン成分は、嘔吐中枢への刺激や内耳の前庭における自律神経反射を抑える作用を示します。また、抗ヒスタミン成分は抗コリン作用を持つことが多く、これは乗物酔いによるめまいや吐きけの防止・緩和に寄与すると考えられています。

メクリジンの作用と持続時間
メクリジン塩酸塩は、他の抗ヒスタミン成分と比べて作用が遅く持続時間が長いため、これも専ら乗物酔い防止薬に配合されています。

プロメタジンは15歳未満の小児では使用を避ける
プロメタジン塩酸塩等のプロメタジンを含む成分については、
外国において、乳児突然死症候群や乳児睡眠時無呼吸発作のような致命的な呼吸抑制を生じたとの報告があるため、15歳未満の小児では使用を避ける必要があります。

眼科用薬

アレルギー用点眼薬
・ アレルギー用点眼薬は、花粉やハウスダストなどのアレルゲンによる目のアレルギー症状(流涙、目の痒み、結膜充血など)の緩和を目的とし、抗ヒスタミン成分や抗アレルギー成分が含まれています。

洗眼薬
・ 洗眼薬は、目の洗浄や眼病予防(水泳後や埃や汗が目に入った場合など)に使用され、涙液成分のほかに、抗炎症成分や抗ヒスタミン成分などが配合されることがあります。

目の痒みを抑える

目の痒み
・ 抗ヒスタミン成分は、ヒスタミンの働きを抑えることにより、目の痒みを和らげることを目的として使用されます。

アレルギーによる目の痒み
・ アレルギーによる目の痒みの発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与しています。

結膜に炎症
・ 結膜に炎症を生じた場合、眼粘膜が刺激に対して敏感になり、肥満細胞からヒスタミンが遊離して痒みの症状が生じやすくなります。

鼻炎用点鼻薬と併用に注意
・ 注意すべき点として、鼻炎用点鼻薬と併用した場合、眠気が現れる可能性があるため、乗物や機械の運転操作を避ける必要があることが挙げられます。

痒み、腫れ、痛み等を抑える

・ 湿疹、皮膚炎、かぶれ、あせも、虫刺されなどによる皮膚のかゆみの発生には、生体内の伝達物質であるヒスタミンが関与しています。

・ 外用薬に使用される抗ヒスタミン成分は、適用部位の皮膚に浸透し、肥満細胞から遊離したヒスタミンとその受容体タンパク質との結合を妨げることにより、患部局所におけるヒスタミンの働きを抑えます。

副作用として、患部の腫れ
・ これらの抗ヒスタミン成分の副作用として、患部の腫れが現れることがあることに留意する必要があります。

外用痔疾用薬

痔に伴う痒みを和らげることを目的として抗ヒスタミン成分が配合されている場合がある。



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