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教師が病みやすい理由とその克服方法

こんにちは、RINGO_先生です。

6月に入りました。
学校生活はいかがお過ごしですか?

こちらは支援員という立場ですから
相変わらず楽しく
仕事させてもらっていますが、
苦しくなり始めた先生も
ちらほら見えるのでは
ないでしょうか。

実際、6月というのは、
学級に潜んでいる
数々の問題が表面化してくる
ことが多い月ではあります。

子どもの前では
笑顔を大切にしつつも、
程々に気を張って
学習指導に生活指導に
取り組んでいってくださいね。

さて、今回ですが、
教師が病みやすい理由と、
その克服のために
心がけたいこと
を考えました。

まあ教師って、
その仕事の性質上
かなり病みやすい仕事ですよね。

それなりに給与が貰えて、
不景気であってもボーナスが出て、
育休や産休もあって、

福利厚生は全然悪くない
にもかかわらず、
毎年5000人以上の先生が
精神疾患を患うという現場です。

私自身も小学校の高学年を担任し、
途中で担任継続が不可になった
当事者の一人です。

その視点から、改めて
なぜ教師という仕事は
病みやすいのか。

また、どうすれば
それを克服できるかについて
提案します。

しんどい先生、
教育現場に関心のある方、
教師を目指そうか
悩んでいる学生さんなど、
様々な人に読んでいただけると
幸いです。

1 教師が病みやすい理由

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 ◆ 仕事の責任が大きすぎる

言わずもがな、教師は
子どもの将来を担う仕事です。

責任大きすぎでしょう(笑)

出会う先生によって
可能性が開花することもあれば、
逆に可能性を潰されてしまう
事だって有り得ます。

仕事にとても
やり甲斐はあります。

実際、保護者から

「先生のお陰で筆算ができるようになったんです。」
「先生に変わってから、社会が楽しいと言っています。」

なんて言われた時は、
本当に嬉しく感じました。

そんなことが続けば良いでのですが、

昨年潰れた年は
子ども達が凄く学習に対して
無気力になり、
授業の雰囲気は日に日に悪くなり、
次第に私はこう考えるようになりました。

「自分が子ども達をこんな風にしてしまったんだ。」
「自分が担任じゃなければ、この子達はこうならなかったんだろうな。」

今思うと、とても危険な思考です。

結果、そのまま自分を追い詰め続け、
身体が動かなくなりました。

子ども達のことを大切に思うが故に、
その子達が荒れていくのが
怖くて怖くて仕方ありませんでした。

でも、仮に自分以外が
担任していても
起こっていたかもしれない事。

実際責任は大きい仕事ですが、
抱え込みすぎるのは
決して良いとは言えませんね。


 ◆ 仕事量が多すぎる

実際に教諭もしくは
常勤講師になれば
分かりますが、
仕事量や覚えることが
あまりにも多すぎます。

子ども達に授業をするのが
メインの仕事ですが、
子ども達が学校にいるのは
緩く見積もっても
8:00〜16:00頃。

部活動のある中学校なら
もっと長いですよね。

そして子ども達を見送った後で
ようやく課題のチェック、
次の授業の準備、
行事の提案、準備、
外部との連絡など、
実質残業の時間にすることが
多岐にわたります。

驚くことに未だにPTAの会議を
19時とかから開催したりもします。

ぶっちゃけ、教師のためにも
保護者のためにも、
PTA行事なんて
廃止すればいいのにとさえ
思っているんですがね。。

また、年数を重ねると
仕事の段取りを覚え、
少しずつ時間を
短縮できるようになりますが、

年数を重ねると同時に
今までは他の先生がしていた
校務分掌がどかどかと
舞い込んできます。

結局帰る時間は早くなりません。

本当に、教師の仕事量の多さは
長年課題であり、
心身を疲弊させている
要因でもあります。


 ◆ 無茶振りが多すぎる

無茶振りというのは
学生が求める
ノリのようなものではありません。

ここでいう無茶振りとは

・やったことがないことを前に立ってやる
・充分な引き継ぎを受けないまま仕事の代表になる

といった事象を想定しています。

人って、やったことがないことに
対しては不安を抱くし、
ストレスになるじゃないですか。

それに、やらせてみて
失敗されても困るので、
普通は研修を重ねますよね。

よく例えられるのですが、
仮に料理人であれば
上司から指導を受けたり、
何度も料理の練習をして、
一人前と呼ばれるようになって
初めてお客さんに
自分の料理を提供できます。

一方、教師であれば
いきなり一人前。

大学を出て、
教育実習くらいしか
経験がない中、
いきなり学級担任となり、
毎日何時間も授業をします。

加えて生活指導。

・宿題の提出のルールは?
・掃除の班は?
・月曜セットはどこに片付けさせる?
・生活科で必要な野菜はどうやって育てる?

自分がやったことがなくても、
その場その場の分からない場面に対して
適切に判断し、導かなくてはなりません。

正しく、無茶振りの連続です。

分からないからといって
オドオドしたり、
子どもの質問に対して
「どっちでもいいよ。」
なんて無責任に答えたりすると、
足元をすくわれる要因になります。

毅然とした態度で
立ち向かわないといけません。

また、校務分掌においても
無茶振りは多いです。

やったこともないのに
いきなり「運動会運営代表」とか
「児童会担当代表」とか
普通にあります。

こちらが動かなければ
どう仕事するのかも
あまり教えてもらえないので、
経験のある先生から
できるだけ具体的に
引き継ぎを受けておきましょう。


 ◆ 教師の立場が弱くなった

これも一つの要因として
大きいと思うのですが、
ここ数年で教師の立場は
本当に弱くなったと思います。

昔は教師は偉大であり、
保護者にとても
信頼されていました。

本当の意味で、
教師と家庭との連携が
されていたと思います。

しかし、今はもはや
子どもや保護者は
お客さんのようです。

子どもも大人も
教師に対して
好き放題に発言し、
保護者は複数人で担任の悪口。

そして保護者懇談会の時に
総攻撃してくる
ことだってあります。

ただし、この問題に関しては、
昨今教師の資質の低下、
メディアでの不祥事報道など
信頼を損なう要因が
あることも事実です。

特に教師の不祥事に関しては
実際99.9%の教師は
子ども達のため真摯に
仕事しているにもかかわらず、

0.01%の不祥事を起こす
教師が注目してしまうから
とても残念です。

子どもに対しても
保護者に対しても、
自分の信頼は
自分で勝ち取るしか
ありませんね。


2 心を健康に保ち続けるために

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次に、どうすれば
過酷な教師という仕事で
潰れることなく、
心を健康に保ち続けることが
できるか、考えてみます。


 ◆ 割り切って授業する

私のように
繊細な人ほど難しいですが、
まず授業は上手くいかないものと
思った方が良いでしょう。

そう思って
割り切るしかありません。

ベテランの先生の授業を
1時間見せていただいて、
「めっちゃ良い授業だった〜!」
と思っても、
その先生本人は
「今日はあんまり良くなかった…。」
と発言したりします。

研究授業の時は、
定年間近の大ベテランの
先生でさえも
真剣に悩むほどです。

授業って、
自由で楽しいものですが、
それほど複雑で
難しいものでもあるんですね。


 ◆ 全ての授業で完璧を目指さない

先程の話に似ていますが、
授業は上手くいかないものです。

全ての授業の準備に
毎日のように全力を注いでいては
いくら時間があっても足りません。

「明日は特に算数を頑張ろう。」
「明日の体育の導入は特に工夫してみよう。」

このように、
全ての授業が
ダラダラになることなく、
それなりに満足感を
与えられる授業が
一つでもできれば
良いのではないか
と思います。

時間は有限ですし、
こちらの気力にも
キャパがありますから、
積極的に力を
分散させていきましょう。


 ◆「自分が子どもを変えよう」と努力しない

荒れた学級を担任したときに
強い責任感で

「自分がこの子達を何とかせねば。」

と、熱く指導に力を入れる
先生がいます。

それ自体はとても
素晴らしいことです。

本当に子ども達のことを
思っていないとできません。

ただ、このような子ども達と
真剣に向き合う事の
大変さは想像を絶します。

どんなに授業を妨害されようと、
どんなに問題行動が起きようと、
どれだけ暴言を吐かれたり
裏切られたりしようと、

こちらは正面から
向き合い続けるわけです。

「自分がこの子達を変える…!」

そう思えば思うほど、
苦しくなります。

大変なクラスを
持っているなどが理由で
苦しい先生は
これから是非
考えを改めて欲しいです。

実際のところ、
優秀な教師が担任しても
立て直せずに
引き渡すことは
全然あります。

それに、自分がその子達を
担任すると約束されているのは
その1年間です。

子ども達からすれば、
長い長い学校生活の
通過点にすぎません。

その先でまた
色んな出会いがあって、
人間らしく、
良くも悪くも
変わっていくに
違いありません。

自分の思いが
今伝わらなくても、
数ヶ月後、数年後に
届くということだって
よくあることです。

どうか長い目で
見守ることだけしてあげて、

決して自分だけで
背負いすぎることが
ありませんように。


 ◆ 他の先生達と指導改善のための前向きな話をする

初任の頃は特にですが、
職員室での
他の先生達との会話は
とても大事だと思っています。

実際、相手の時間も
奪ってしまうわけなので
程々が良いですが、
一人で悩みを抱え込むのを
防ぐことができます。

それと、愚痴ることも
たまには良いかもしれませんが、
とにかく前向きな話を
持ちかけるべきです。

・「◯◯の授業が上手くいかないのですが、何か良い案はありませんか?」
・「◯◯の場面で指示を聞かない子がいるのですが、先生ならどう声をかけますか?」

というように、
指導の改善になりそうな
前向きな会話は
自分も相手も育つ良い会話です。

苦しくなる前に
他の先生達との
前向きなコミュニケーション。

是非やってみてください。


 ◆ よく寝て適度に運動する

こちらは生活における話です。

睡眠を犠牲にして
仕事を頑張る先生がいますが、
疲れは表に出てしまいます。

時間をかけて
授業の準備をすることも
大事ですが、
子どもの前で
元気な姿を見せ続けることも
とても大事です。

健康に、フレッシュに
過ごすために、
毎日の睡眠と、
軽い運動を心がけてください。

運動は、朝散歩がおすすめです。

ジョギングは
かなり疲れるので
三日坊主になりやすく、
お勧めしません。


3 最後に

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教師という仕事は
素晴らしい仕事ですが、
優秀な人でも
普通に潰れてしまう
無理のすぎる仕事です。

特に昨今は業務が多すぎて
とても真面目にこなせる量では
ないのが事実です。

でも、上から仕事が
降りてくる以上は
仕方がありません。

体力と同じく、気力も有限です。

自分の体の状態と向き合いながら、
サボるところは全力でサボり、
力を注ぐところは
しっかり注ぐようにしてください。

私は先生達を応援しています。

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