一度フルスロットルで詩を書いてみたかったんだ

毎日には詩が必要

襟の詰まった真っ白い壁のような文もいいけれど
どこかにヒビが入ったらすぐ崩れちゃう

だったら最初から大きなかぎ針で
穴だらけの緩やかに伸びる文を書こう

文だけじゃなくていい

挨拶にも歌にも君の表情にも
のびのびとした余白があっていい

さあ遊ぼう
君が美しいと思うものはなんだ

すぐには思いつかなくても大丈夫
まずは一歩

ははは、我って麗しいだろう?

何かを美しいと感じる貴様の心だって美しいんだ
この世に真に醜いものなんてない

我が言うんだ、本当だ


毛玉だらけのセーターも顔を寄せればふわふわで
窓を開けて降り注ぐ光は床にいくつもの絵を描いていく

洗濯バサミを連ねたら
まるでパーティみたいだろう

レモネードで充分
美味しかったらそう、それがごちそう

みんな勘違いしてるみたいだけど

ディナーはなるならないじゃないし
晩御飯のことでもない

百科事典を開いてみて
昔はディナーは朝に食べるものだったんだって

だから我はごちそうのことそう呼んでるんだ

我にとって一等いいお皿に乗って運ばれてくるごちそうみたいに
貴様らは愛おしくって高価で輝いている

生まれた時からそう決まってるんだ

人生は短いが遊べないほどじゃない

手足が茨に縛られているなら
我自慢の剪定バサミを持ってこよう

任せてくれ

明日も明後日もいつまでも
毎朝に光を落とし
毎夜に小さな星を散りばめよう

迷ったらいつでもここに来てくれ

とびきりのガラス細工を施したランプを点けて
お気に入りの毛糸を選んだら
共に綺麗な色の文を編もう













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