バーガンディチェリーを食べた

我は「最強バーチャルタレントオーディション~極~」とかいう、
「暗黒大破壊魔法剣~真~」みたいな安直なるネーミングの催しにて複数の世界線より呼ばれた九条林檎の一人だった

その「暗黒大破壊魔法剣~真~」の真っ只中、どうせ頻繁に来れるものでもないからと人間界観光の中気まぐれに入ったアイス屋で6月限定のフレーバーを勧められた時は残念だと思ったものである

まだ人間界に留まれるかわからなかったのでその日の夜、配信にて「何故今売ってないものを勧めるんだ、そんなに美味いのか」と喚いた

今思い返しても店員の勧め方の熱の入っていたこと、反芻する内に食べたくなったことは貴様にとっても想像に難くないだろう
もちろん我は美しく散ってやる気満々だったんだが一つだけ心残りとしてぼんやり頭の中に残った

それが紆余曲折を経て我はこの人間界に存在の定着を果たし、だいぶ長めにいれることになった
6月だと聞いていた限定フレーバーが今年は3月に始まると聞いた時は面食らったものだが
我はそれを、バーガンディチェリーを今日、食べた

色はハッとするような紫がかったピンク
こう書いてしまうと不味そうだがチェリーの色を見るに自然とこうなるのではなかろうか、可愛い
ごろごろとシロップ漬けのチェリーが入っていて食べる前から期待が高まる

まずは一口
我は真祖の吸血鬼たるおじい様の書斎を思い出した
一見真面目なる書斎だが本棚の本を取ってみると冒険の本だったり料理の本だったり、そこら中がワクワクするような本でいっぱいだった

確かに甘い、甘いんだがその風味は複雑で3分くらいはその一口でうっとりと味わっていられそうだったが溶けてしまうので次の一口を食べよう

次はチェリーと共に食べた
歯ごたえしっかり、一噛みすれば溢れるほどにチェリーの甘みが広がる
きちんと甘いが後には残らず仄かな香りだけを残して消えてしまう

あっという間に食べてしまった

今売ってないものを勧めた店員の気持ちがよく分かる、存在を定着させる為頑張った甲斐があった


バーガンディチェリー、美味じゃないか


追伸:バーガンディチェリーの美味しさについてもう少し

ジェラートではなくアイスクリームなのでもちろんミルクの風味がある
見た目に反してその後味はなかなかに爽やかなミルクなんだ

豊かな風味を持っているのにしつこくないのはこのせいかもしれない
奥深い

一口食べた時にはまずその豊かな風味が口に広がる
甘酸っぱい?フルーティ?違うな、我はまだこの美味しい味を形容する言葉を知らない

嗚呼、もう食べてしまった

3月のうちにあと何回食べられるだろうな
次こそはぴったりの褒め言葉を見つけよう

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吸血鬼と人間のハイブリッドティーンエイジャー、九条林檎だ
コメント (1)
ああ!やはり従来は6月の味でしたか!
オーディション中は6月って言ってたような気がするけど、この喜びようだから私の記憶違いかな……とか思ってました。
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