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タイBLドラマ「Cutie Pie」にどハマりした話。

ちょいと前までK-POPにハマっていたくせに、今はすっかり「タイ沼」にハマっている。

タイではBLドラマが数多く制作されており、それらの作品や俳優のコンテンツのことを「タイ沼」と言う。のだと思う。

で、私はその「タイ沼」にハマってしまった。
というか、その界隈のとある作品にどハマりした。

私がハマったのは「Cutie Pie」という2022年から始まったシリーズで、全12話の連ドラとYouTube上で公開されている後日談4話で構成されている。
(本編である連ドラの方は現時点ではU-NEXTで見放題で見られる。私は連ドラまでは観終わっている。)

あまりよく調べていないので、完結したのか続編があるのかは知らない。

ざっくり言うと幼い頃からの許嫁で婚約している華流の旧家の御曹司と、親の会社を引き継いだ御曹司社長の2人が心を交わし合うまでのラブストーリーである。
設定として、男性同士で許嫁で婚約しているくらいの家柄なので2人ともめちゃくちゃお金持ちである。
(私はあらすじを語る能力が低いので、きちんと知りたい方は調べてみてください。)

ちなみに予告編はこちら↓
(本編に入り切らなかったであろう見どころ満載の未公開シーンが半分くらいあるので是非とも見て欲しい。)

上記の予告はパイロット版なので本編に近い内容の本予告はこちら↓


人気小説原作とのことで、ストーリーは面白く、主演のZeeとNunewは容姿は抜群に良く演技力も凄まじい。

正直、「BLドラマかあ…」ということで下心満載で見始めた訳だが、
次第に「この作品、とてつもない名作なのでは…!?」と気付かされる。

ハマりたてで語りたいことはたくさんあるのだが、とりあえずこの作品に関していうと、
映像自体がとても綺麗で、ロケ地やセットのセンスも抜群、フォーマル系の衣装は上品でスタイリッシュ、
カジュアル系も少しダサカワイイ感じでバランスが良い。
衣装のスタイリングもそれぞれの体型に合っていて、ヘアセットとメイクもそれぞれのキャストの雰囲気と役柄にピッタリである。
全体的に色彩のセンスが本当に素晴らしいと思う。全てのシーンが美しい。

演じている俳優陣も全員、ルックスが良く、演技力も高く、BLドラマでありがちな少女漫画チックなストーリーにも不自然さが少ないと思う。
ストーリー自体は割と安定して進んでいって、2人が心を通わせるまでの過程を描いたモノなので、
とてつもなく胸が苦しくなるシーンや胸糞シーンみたいなモノはなく、穏やかなストーリー展開が好みの方にはかなりおすすめである。
逆に刺激的でアップダウンのあるストーリーがお好みの方には拍子抜けする内容だと思う。
(私は不倫や浮気を疑ったりそれでモメたり、凄まじいすれ違いや思い違いで苦しむ系のストーリーがすごく苦手だ。)

ちなみに私はこのドラマを見る前に少しタイの文化や国民性、「タイBLドラマあるある」について、
タイ沼住民の方がまとめてくださっている動画を見たのだが、知らないと「!?」となる部分もあったので
調べておいて良かったと思う。

タイそのものの文化とタイBLドラマだからこそのあるあるみたいなものを踏まえておくことが大事だったと思う。
タイに関して勘違いしてしまう可能性があるので。
(タイの大学生はほとんど工学部に通っているとかそういう偏ったイメージ(笑))

このドラマは主題歌や挿入歌を主演の2人が歌っているのだが、歌自体がかなり良い。

これはNuNewが歌っている「Cutie Pie」の主題歌のMV。

NuNewの歌も良いが、曲調も歌詞も王道ラブコメ一直線で最高。
しかも、MVに出てくるメインカプとサブカプ2組のダンスめちゃくちゃ可愛い。
このダンス可愛いけれどジャンルが不明すぎて、プロ並みにダンスが上手い人でもめちゃくちゃ難しいと思う。個人的には。

続編の「Cutie Pie 2 You」の主題歌のMV。
これはZeeNunewで歌っている。
歌良いし、ラップ上手いし、相変わらずMVの雰囲気とダンスが可愛い。

上記2本のMV、演者たちの可愛いダンスシーンがあるのだがMV本編だとどうしても見栄え的にカットが切り替わってしまい、
K-POPオタク的には、目の前に可愛い推したちが一気に押し寄せてくると
「この子どんなダンスしてるの!「全員を見せなさいよ!」
という強火オタクな気持ちが思わず芽生えてしまう。

しかし、さすがK-POP界からありとあらゆる面で学びまくっているタイのエンタメ界。
歌が終わったところで、1本目の歌はダンスのあるラストのサビ部分だけを定点カメラで続けて挿し込んでくれており、
2本目の歌はラストサビ部分、ダンスではないが6人のわちゃわちゃシーンを入れてくれている。

こういう気遣いができるかどうか、めちゃくちゃ大事だと思うのだ。
作っている側の人が見ている人の気持ちを汲んでくれていることがよく分かるし、
演者がせっかく踊ったり撮ったりしたのだから残しておきたいというのも伝わってくるのだ。

歌に関して、ZeeNunew2人とも良い歌声なのだが、特にNenewは歌声に透明感があって、
その上、歌唱力も抜群である。
元々は、彼はお芝居よりは歌メインでやっていきたかったようである。
(お芝居が嫌ということではなく、単に演技の経験がなかったために当初は歌という選択肢だったのだろう。)
YouTubeでカバー曲がいくつも上がっているが、彼の歌はホンモノだと思う。
恐らく、俳優ではなく歌手としてデビューしても売れていたと思う。
藤井風の「死ぬのがいいわ」をカバーしていて、良かった。
日本語の発音がとても綺麗である。
他にもNewJeansの「Ditto」やBTSの「Permission To Dance」をカバーしていたが、これも上手かった。

Nunewがカバーした藤井風の「死ぬのがいいわ」はYouTubeで公式にあげられている↓

ちなみに彼は2021年生まれで今年、22歳だ。めちゃくちゃ若い。

Nenewは俳優としてのデビューが今回の作品で初めてとのことだが、そうは思えないほど演技が上手い。
恐ろしいほどに自然で、涙を流すシーンは美しく儚げで切なく、怒っているシーンは少しだけ小憎らしく、
カッコつけているシーンはクールで、甘えているシーンはひたすら可愛い。
可愛く美しくカッコ良く透明感のある顔立ちで、腰位置が高くてスタイルのバランスも良く、
いろんなイケメンに似ているのに誰にも似ていないというすごく不思議な人である。
どちらかというと歌舞伎の女形のようなクールな顔立ちなのだが、
Zeeと一緒にいる時の良い意味であざといきゅるきゅるした顔はめちゃくちゃ可愛い。
あと、カセサート大学というタイでは屈指の名門国立大学の学生である。
私の感覚的には日本でいうと慶應義塾大学レベルの大学かと思う。
とにかく、見た目が良くて何でもできるすごい人なのである。

Zeeはモデル経験があると言うだけあり182cmの長身で顔が小さく足が長く、
キリッとした太い眉が特徴のとにかくとてつもないイケメンで、マッチョで爽やかで色気があってカッコいい。
作中でスーツを着るシーンが多いのだが、鍛えられた身体にフォーマルなスーツが本当に本当によく似合う。
着痩せするマッチョ、大正義である。
ちなみに劇中でちょこちょこ披露されるマッチョな半裸も最高である。
たぶん、パーソナルカラーはブルベ冬だと思う。青系のスーツがよく似合う。
笑っている口元が抜群に良い。歯が白くて歯並びが綺麗で血色感のある形の良い唇が素晴らしい。
ついつい、「笑って〜!」と言いたくなるし、ニコッと笑った顔にキュンとくる。
イケメンの描写として「キラッと光る白い歯」が昭和から描かれてきた理由がわかった。

そして、なんといってもNunewを見つめる目が慈愛に満ちていて、見ているこちらが幸せになる。
普段からNunewのことを見守り、サポートしていて、本当に可愛がっているのが分かるので、
見ているととても微笑ましくなる。

BLドラマは俳優としてのデビュー作となる人やまだ経験の浅い役者が主なキャストとして参加することが多いらしく、
作品の撮影に入る前にかなりの時間をかけて数ヶ月のワークショップをやるらしい。

この作品の制作に関しては初心者が多かったことに加え、コロナ禍で撮影開始時期がなかなか読めなかったことから、
ワークショップを6〜7ヶ月前後(時期で言うと2021年3月〜10月くらい?)念入りにやったと思われる。
(正しい期間は分からないので間違っていたら、すみません。)

メイキング映像でも演技指導の方がかなり細かく指導している様子が写り込んでいる。

本編のメイキング映像は6本公開されており、それぞれ2話分ずつある。
ドラマが1話1時間弱なので1話につき30分ずつメイキングがあるのはかなり大盤振る舞いである。
ちなみにタイドラマではメイキング映像のことを「Behind The Sceanes」(略してBTS)と言うらしい。



作中では男女の恋愛ドラマのラブシーンでもなかなかないような濃厚なキスシーンが何度も(何度も!)出てくる。

こういうシーンのことをタイBLドラマ(普通のタイドラマも?)では「NC(No Children)シーン」と言うらしい。
いや、正確には「NCシーン」とはもっとキスより先にことが及んだ場合のシーンのことを言うのだが、
この作品の場合はキスだけでNCシーンなのだ。つまりそういうことなのだ。

「濃厚なキスをしているよう見えるシーン」ではなく「ガチで濃厚なキスをしているシーン」がいくつもあるのだ。
(見たら分かる。すごい。何も知らずに見たらビビる。ちなみにキスシーンだけで3〜5分くらいあるときもある。)
初見は「うわぁ、ドキドキする!」と思って見ていたが2回目からは「本当にこんなにキスしているのか!?」「はえ〜、すごいなあ」と感心しながらリピっている。
もはや、リアルが妄想や想定を超えており、萌えやドキドキを通り越している訳である。

しかも、このキスシーンたち、どれをとってもすごく濃厚で色気があるのだがとても爽やかなのだ。
とりあえず、見ているだけでとつてもない多幸感に満たされる。
正直、最初は「ヌフフ」な下心で見ていた私なのだが、いやらしい気持ちになるかと思いきや、
その感情を通り越して「尊い」「良かったね」「これが愛か」という感情になるのである。
不思議である。こんな気持ちは初めてである。
めちゃくちゃ濃厚なキスシーンを見て心が洗われる日が来るとは思ってもみなかった。

ちなみにキスシーンでよく使われる挿入歌が何曲かあるのだが(めちゃくちゃ良い曲である)、
それらのキスシーンを見てから改めて曲だけ聴くと、映像が頭に浮かんでドキドキしてしまい、
とてもじゃないが街中や電車の中でBGMとして平常心で聴くことなんてできない。
それくらい、強烈に刷り込まれる。

ラブシーンの指導の様子もメイキングで見ることができる。かなり丁寧に指導されていた。
現場の雰囲気の良さからか、タイの国民性なのか、怒ったり高圧的な態度を取ったりする訳ではなく、
ひとつひとつ動きや表情を確認しながら進めているのがよく分かった。

主演2人は撮影時に本番用のカメラが回っていないメイキング用のインタビューのときにキスしたりする。
撮影中もアドリブでキスをしているシーンがあったり、本人たちがドラマの本編を見ながらのリアクション動画で
「このシーン、(Nunewに)キスしたかったけどそういうストーリー展開じゃないから我慢した」とZeeが言っていたりする。

見ている側としては、
「私は一体、何を見せられているのか???
…まあいいか、とりあえず尊いし。」
という気持ちになる。
これは2人の普段のCP営業的な振る舞いを追っていく中で常に付き纏う感情である。
(それが楽しい。)

CP営業とは作中のカップルの組み合わせでイベントやプロモーション活動をすること。
この2人はZeeNunewと呼ばれていて、日本人のファンは彼らを「じぬぬ」と呼んでいる。
現在、ソロの仕事以外は基本的に2人でのイベントやCM、テレビや配信の出演がほとんど。
(一応、2人のどちらか…たぶんZeeかな?が、「カップル営業してません」というコメントをしたことがあったらしい。)

通常、新しい作品が始まるとカップルは解消され、新たなカップルでの活動が始まるらしい。
かと言って、2人の関係が変わるわけではないので基本的にはプライベートで親しい友人として付き合いがあるパターンが多いようだ。
まあ、たまに仲違いしてしまう人達もいるようだが、人間だから当たり前だと思う。
(私だったら、ずっと同じ人と仕事をするのは絶対無理だと思う。本当に、すごい。)

この2人のお互いの話を聞いていると、スピリチュアルで言う「ソウルメイト」とか「ツインソウル」のようなモノなのではないかと思う。
それらは性別を問わないだろうし、2人の話はこの定義によく当てはまり、羨ましくなる関係性なのだ。

とにかく、この作品は現場の雰囲気がとても良い。
役者も監督も演出家も諸々、全員が「良いものを作りたい」という気持ちで全力で取り組んでいるのがわかる。
そして、「この作品は絶対に良いものになる」と心から信じていることもよく伝わる。

何かのイベントでNunewが「この作品に参加できて良かった」と涙ながらにコメントして、
終いには話せなくなるほど泣いているのを見て、本気で作品に向き合ってきたことが強く伝わってきた。

どこか「置きにいっている」日本のエンタメとは全く違う感覚でやっているのだと思った。

役者や作品について、まだまだもっと語りたいことはある。

今回はメインカプの2人のみに絞ったが他にもサブカプが2組いて、この2組もめちゃくちゃ魅力的なのだがそれを語り始めると終わらないので、今回はここまでにしておく。

「タイ沼」にハマって気付いたことは、「意外と、日本はタイと近いのでは?」ということだった。

全くタイに興味がなかった私だが、タイに移住する日本人の多さや、日本同様K-POPが流行っていることや
仏教徒がメインの国であることなど知ると、少し身近に感じることができた。

ちなみにタイはLGBTQ +に関してかなり寛容な雰囲気はあり、パートナーシップ制度はあれど、
法律上、現時点では同性婚そのものは認められていないとのこと。
ニューハーフが多いのはタイの兵役の抽選の対象になることから逃れることを目的とした人もいるとか。

控えめに語ったけれども、こんなに長くなってしまった…。

タイのファンビジネスとかタイの文化とか、タイBLのカップル営業とかいろいろ興味深いものはあるのだけれど、今日はここまで。

P.S 「タイ沼」は本人たちのSNSの更新頻度が凄まじく、供給がめちゃくちゃ多いので幸せである。

最近は行く予定もないくせにタイの旅行本を数冊購入し、どこに行こうか何を食べようか考える日々を送っている。

ハマってから2週間くらいずっと、彼らのファンの人たちのTwitterを追ったり過去の彼らの映像を見たり、彼らの現在の仕事っぷりを見ていると、
ファンが騒ぐようなイチャイチャっぷりはここ1年くらいは落ち着いている気がする。
先日のイベントもあっさりとしたコミュニケーションをとっていて、CP営業をしている2人という感じはなかった。
これは倦怠期的なやつなのか、人前でイチャイチャする営業をやめただけなのか…。
2人が恋仲になるシリーズの撮影がまだ始まっていないので、それまでに2人に何かあったら、
どうなってしまうのだろうと思いつつ静かに見守りたいと思う。
正直、こういう消耗の激しいサービスの仕方は個人的にかなり色々思う部分はあるが
エンタメとして楽しんでしまった身なので何とも言えないのも事実である。

人間って難しい。

と、思ったが、先日の2人で参加しているイベントの様子を見ていたら、いつも通りイチャイチャしていた。
NuNewがハードスケジュールでお疲れの時はイチャイチャが減るのかもしれない。
まあ、当たり前のことだ。

人のことなんか気にしてないで私も彼氏見つけないと…。

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