2024/02/18 日記

初めて競馬で勝った。

とりあえずは当てた!という成功体験が欲しかっただけながら、普通に出資額より配当が上回り、勝ちになった。

フェブラリーステークス。
1600mダート。

ウマ娘を嗜むが、実馬のことはあまり詳しくない。
ウマ娘を始めてから、日曜の午後のテレビ番組を「通販番組と競馬とマイナー芸能人の出てる都会の番組の再放送しかやってないハズレ時間帯」から「競馬やってるじゃん!」の認識に変わり、たまに見るようになったが、雰囲気で楽しんでいる。

友人が競馬を嗜むようになり、預けてくれたら倍にして返すというあからさまな詐欺をもちかけられ、たまに信託していた。次第に選択権を与えてもらえるようになり、気が付けばなんとなく自分でも予想をするようになってきていた。

今回もまずは友人の話を聞くことにした。
真っ先にスピーディキックを勧められた。
地方馬らしい。浦和の女王と言われたが、Xで調べても該当する呼称はパッとは見当たらなかった。けれど多分浦和でブイブイ言わせてる女王なのだろう。
椎名林檎信者として、歌舞伎町の女王みたいで気に入った。

競馬に疎い私でも、ルメールの名前は知っている。武豊かルメールを選んでおけば間違いないという初心者知識がある。
今回もルメールは騎乗するし、ルメールの担当馬は前日にしてオッズ3.0台の1番人気だった。
この半年信託を始めてまだ一度も勝ちというか当てた経験がない。
なんも知らないけどとりあえず勝ち馬に乗ってリターン少なくていいから当てた実績が欲しい!という気持ちがあった。
そのため、ルメール馬も選んだ。

しかし友人はあまりルメールにいい反応をしなかった。
ルメールというよりはオメガギネスに対しあまりいい感触がない判断を持っていた。1番人気であることにも懐疑的で、本命はウィルソンテソーロだという。
乗った。

Twitterにはウマ娘から競馬に入る人のために、関心の持ちやすいトピックで手引きしてくれている優しい人たちがいる。
フェブラリーステークスで検索して、出走馬と血統一覧表で、ウマ娘化されている父母等がいたら教えてくれる一覧表がすぐに見つかった。
私のウマ娘の推しはゴールドシップ、サクラバクシンオー、エアグルーヴである(最近はケイエスミラクルとメジロラモーヌも好きではある)。
感覚としては、身近な友人に近い立場のトレーナーとして支えたい相手がゴールドシップ、完全に教師目線で可愛がりたいのがサクラバクシンオー、トレセン学園のモブ生徒として憧れているリアコ相手がエアグルーヴだ。
ゴールドシップとの関係で言えば、メジロマックイーンも実際の血統関係もあってよくシナリオに出てくるし、何より阪神ファンのような匂わせやら二次創作設定がつけ加えられがちなのが親近感を抱かせる。そのため、マックイーンも馴染みは深い。

ドゥラエレーデは、マックイーンとエアグルーヴの血統持ちだった。
推しの子として、応援したくなった。

オメガギネスが1番人気でウィルソンテソーロが2番人気。ドゥラエレーデは3番人気だった。

真っ先にスピーディキックを紹介され、オッズを見たらとてつもない倍率になっていたので不安になり保険のルメールと友人本命も取るかと思っていたら、推しの子も現れて、普段は1000円で賭けているが、分散の仕方に悩んだので思い切ってもう1000円を追加した。ちなみに友人の教育方針で全て単勝賭けで統一されている。

ふと、ペプチドナイルという名前が気になった。
可愛い名前だなというか、ペプチドって化学でなんか出てきてたよな、それはそれとしてペプチドって響きいいよな、ナイルもナイル川のようで美しい響きだと、完全にどうでもいい引っ掛かりをみせた。

それぞれの賭け金の割り振りを考えてるときに、『フェブラリーステークス』で検索して上位に見えたネット記事なんかも斜め読みしたが、初めに読んだ記事は過去のフェブラリーステークスで勝った馬の特徴から見ていて、重量級が勝つ、今回の出走馬における重量級の中で仕上がってるのはペプチドナイル、といったような記事を読んだ。
競馬を深く知らない人間から見たらオッズが低い=多くの人が来ると思っている=有識者たちの多数意見といった短絡的思考で人気順を重視していたフシがあった。
記事で紹介されていた重量級の馬の中に、上位3馬の名はなく、ほんまかいなと疑ってしまった。
他の記事も読んで初めて有力馬が海外や違うレースに出るから今回は新鮮な顔ぶれであることなどを知った。

ペプチドナイルの名前が忘れられなくなっていた。


賭けることに決めた。

当初はトップ3に500円ずつ割り振って、応援馬券代わりにスピーディキックとペプチドナイルにそれぞれ少しづつ賭けるか、とも思ったが、面白味がないことに気が付く。

上位層に多く割り振ればそれでいいのか。

競馬の醍醐味をなんも分かっていないのではないか。

オメガギネスは前日時点でオッズ3.3ほどだったため、多く賭けたところで得られる利益もしれている。
そんなちまちまと安全に楽しんでどうすんだという意識から、一転、記念購入ぐらいの100円でいいかという気持ちになった。

推しの子であるドゥラエレーデを本命として、多めに賭け、友人の本命にも期待を寄せつつ、ペプチドナイルくんにも同等の期待をかけて、ドゥラエレーデに800,ウィルソンテソーロとペプチドナイルに400,あとはスピーディキックに300という結論に至った。

今どきインターネットで閉栓受付をしていないガス会社に直接赴き閉栓のお願いをしに行ったり、年金の支払いに行ったり、昼ごはんを食べたりした昼過ぎ、本当はそのまま夕食の買い物に行こうと思ったが、洗濯物を1度取り込みに家へ戻った。

かつて強風が吹いたとき、物干し竿ごと飛ばされて道路に投げ出された経験がある身としては、少し風が強い日の外干しに異様に落ち着かなくなっていた。
ベランダのないアパートであり、下は駐車場。飛ばされたときは偶然道路にも人はいなかったし駐車場にも車がなかったので事なきを得たが、竿自体はひしゃげ使い物にならず、洗濯バサミもいくつか割れていたほどの衝撃で落下していたので、風が強い日にはひやひやしてしまう。

洗濯物の無事を確認し、再び買い物に出向くかと思ったけれども、丁度フェブラリーステークス出走時間の頃だったので、テレビをつけてみた。

オメガギネスのオッズは3.0で落ち着いていた。3.0切るかとも思った。
中継が開始されると、思ったよりドンフランキーが注目されていた。重量馬で名前が挙がっていた一馬だ。
そしてレース運びもドンフランキーが引っ張っていた。重量級が制する。ドンフランキーは最重量馬である。読んだ記事の内容が思い返される。
先頭集団に人気トップ3の馬の姿が見当たらない。
何もかも思い違いで進んでいるのかと思いきや、来た。
ペプチドナイルが、来た。
イグナイターが内側から来たときは、これで決まるのかと思った。
しかし終盤でペプチドナイルが先頭に抜け出した。
イグナイターが出てきたときは周囲の馬と横並びで競っていたため、仮に争ってもこのままクビ差だとか半身差くらいで勝負が決するのかと思っていた。
しかし、ペプチドナイルは本当に抜け出していた。
一馬身差をつけて勝っていった。
こんなの、惚れるしかない。

喜びと共に、怖くなった。
人気トップ3は下位になり、途中まで牽引したドンフランキーも、抜け出したかに見えたイグナイターも順位は下がっていた。
人気が高い馬は間違いないだろうという甘えた考えを正面から打ち砕く結果だった。

また、ペプチドナイルのオッズは直前まで56とかだったはずが38になっていたのにも驚く。有識者たちはやはり直前で何かを察することが出来るのか!?

見終えてから買い物に出向き、まるで億を当てたかのような気持ちで優雅に買い物をしてしまった。
カレーを作る予定で、私は馬券を当てた人間🎶と浮かれて牛肉で作ろうかとも思った。けれど、自分の分かりやすく調子に乗っている姿を省みて、破滅する気がして豚肉を買った。
しかし、今日が消費期限の和牛が半額の半額になっていたので、買うか悩み買ってしまった。ごぼうと蓮根と共にしぐれ煮にする。

ごぼうのささがきってなんなんだ一体。
乱切りはまだまな板の上で切っていくからわかるけれど、ささがきってもう猟師の武具手入れとかそういう動作じゃないか。"調理"じゃなくないかあと手順。どうしてごぼうをささがきにしようと思ったのか。というかごぼうってもうただただ木の棒だな。
なんでささがきしているといい匂いがしてくるんだ。あの匂いをいい匂いと捉えてしまっているだけか。

しかしごぼうって美味しいよな。


馬券当てた人間としてあと2日は浮かれて過ごそうと思う。

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