明治安田生命J2リーグ 第8節 VS東京V戦 レビュー

2023 J2 Sec8 Shimizu VS TokyoV 2023/04/08

1.ひさびさのレビュー

過密日程なんでね少しばかり疎かにしてました。
で、大鉈を振るいましたね。5戦連続ドローから2連敗。

素直な印象からすると、群馬戦後にはほぼ決まっていたような気がしてる。リーグ戦とはいえ過密日程の疲労や勝ててない状況を鑑みれば、甲府戦のスタメンはイジってくると思うんだけど、下手を打ちたくない状況下で冷静な判断力を欠いていたと思わざるを得ないってのが素直な気持ち。

で、ルヴァン湘南戦。解任ブーストを期待してた人も多かったかも知れないけど、そんな簡単じゃないですね。
それでもポジティブな印象を残したのはユースの2種選手の起用だったと思ってます。やはり強かった清水はたいてい若手の躍動があったからこそ!
例えば、99年のステージ優勝は当時22歳のアレックスの活躍、05年からの健太体制の根幹は就任初年度に加入した兵働青山枝村など世代交代から、J2から昇格後の無双していたヨンソン体制にはドグの活躍抜きには成り立たないものの北川金子松原の台頭があったと思ってます。
なので矢田太田小竹の抜擢、成岡監物森重菊地のスタメン起用も好意的に捉えてます。

2.ヴェルディ戦プレイバック

まぁ、久々にホームでの勝利で、勝ちロコや王者の旗がアイスタに響いたので細かいことは省きます。
現地観戦から見直し復習の際に、意識して注目したのは以下の3点

  1. 清水のビルドアップ

  2. 山下主審のジャッジ

  3. 両軍サポの反応

まずビルドアップについて
ちょっと見てもらいたいのが、白崎の動きです。

開幕当初こそコンディション不良で出遅れたものの、現在の清水エスパルスにおいて換えの効かない選手だと思ってる人は多いはず。
その彼の出場した試合のヒートマップを見ると、ヴェルディ戦は明らかに違いますね。主戦場を右から左に変えてますが、それはそれほど重要じゃなくて、ボールを受けた位置に注目したいんです。

圧倒的にボールを支配していた群馬戦や、序盤は抑えめに入った甲府戦と比べても、明らかに白崎が最終ラインでパス回しする機会は減り、高い位置で受けることを意識してたように感じます。

加えて見てほしいのがパスの方向!
白崎のパスが敵陣方向へのパスが多く突出しています。もちろん彼はボールを触りたい選手なので、他の選手に比べるとパスは多くなるんですが、縦へのパスが多い一方、左右に散らすパスの数が明らかに少ないです。

ここ4試合を比較すると明らかで、白崎とCB2人のパスの方向が前向きになってきてるのが分かります試合を見てて気づいていたと思いますが、明らかに中央でパスを受ける(白崎が上がるor乾が落ちる)タスクがあったと思われます。

これについては、ゼ・リカルド前監督がキャンプから取り組んでいた『トップ下』を敷く布陣だと思ってます。乾・成岡をトップ下で試していたと伝え聞く中、両者のトップ下起用はゼ・リカルド指揮の下では実現できませんでしたが、それを秋葉監督が実現させたのではないでしょうか?

ただし、「とりあえずセンターに当ててから…」みたいな危険な感じも受けてます。マーカーを引き連れて落ちてくる乾に対して、ボールを出して上手く捌けずボールロストしそうな場面も何度かありました。清水の選手は真面目というか忠実な選手が多いので、ディフェンスを引きつけているならデコイとして使うとか、もう少し柔軟に対処しないと手詰まりになりそうではあります。

3.主審山下

じつは試合開始早々の印象はこうだったんだよね。
ただ見返すと本当に「飲まれてた」のは観客だったのかも?と思い直しています。というのも、まずヴェルディサポの大声援が憎らしいほど素晴らしかったことに起因してます。

アウェイゾーンは一部の例外を除きこの狭さ。声援の大きさからしたら、もう1ブロック広げてあげたかったと思うくらい大声援。前半はサイドを入れ替えてスタートしたのですが、清水が最終ラインからビルドアップするとブーイングの大合唱!何も起こっていないのにブーイングとは?と、当初は不思議に思ってましたが、徐々に清水サポもヒートアップしていったのは明らかでした。(ちなみにブーイングは、権田がFC東京出身って理由かららしいです。)
まぁ、スタジアムの盛り上げに一役買っていたのは明らかで、負けずに清水ゴール裏も大声援で張り合う格好になり、ちょっとしたファウルにも反応するブーイング合戦に様相。相手が叫べば、こっちも叫び返す感じが30分くらいまで続けばそりゃおかしな雰囲気にもなるよな。

まぁ、そんなこんなで試合が進むんですが、俯瞰してみればそれほどジャッジが偏ったりしてた印象はないです。
J2のジャッジレベルがー!とか、コントロールできてない!!とかTL上でヴェルディサポだけでなく清水サポも言ってるのを見てて、審判にそこまで完璧を求めるものかなぁ?と首をかしげたくなりました。

ただ、山下主審に対してはもう少し分かりやすくすべき場面はあったようにも思っています。
ひとつは梶川選手の負傷退場に関わる一連の場面ですが、これはファウルを取るほど激しい接触には見えなかったので、主審がファウルを見逃したというのは見当違いだと思ってます。(実際には中山選手が踏みつけてるようにも見えますが…)
映像でもリプレイがあるので何度でも見返してみましょう。
梶川選手がタッチライン際でボールを受け、トラップが大きなったところを中山選手が狙ってボール奪取する流れです。倒れる瞬間に梶川選手は、接触のなかった左膝あたりを即座に押さえてます。おそらく踏ん張った時に軸足に負荷ががかかり負傷。個人的にヴェルディの#4梶川選手と#7森田選手くらいしか違いを出せないのでは?と思っていたので非常に残念ですし、早い復帰を切に願っております。
前置きが長くなりましたが本題はこの後のシーンで、梶川選手が倒れて起き上がらないことのでヴェルディDFはボールを外に出します。
試合再開後、通常ならヴェルディへのプレゼントボールになるところ、カルリーニョスがドリブルしよう仕掛けようとしますが、攻撃を止めてパス。結果的にヴェルディへのボールパスは自陣深い位置になり、大きく蹴り出すしかない状況になりました。

【どこぞのつぶやきでも引用しようとしましたが、言葉が汚すぎて自重】

これはルール違反ではないですが、一旦ゲームを止めて、カルリーニョスとの対話をしても良かったのかも知れません。

次はサンタナへのイエローカードの場面でしょうか。
38分過ぎから
わりと試合がルーズになりトランジションが激しくなって、清水の攻撃が始まります。サンタナがポストになってボールを捌くと、遅れて#16山越選手が背後から体ごと当たります。サンタナは転びはするもののすぐに立ち上がり攻撃に加わろうと走り出しますが、笛が吹かれ試合が止まります。
で、サンタナにイエローカード
現地では何が起こったのかよく分かりませんでした。サンタナへのファウルを取ったんでしょうか?清水にアドバンテージがあったようにも…。でも、サンタナにカードって?報復?意義?汚い言葉を発したんでしょうか?
とにかく、ごちゃごちゃっとした場面は主審の力量の差が大きく出るように感じます。

4.ついでに(蛇足)

この時点でヴェルディリードなので時間稼ぎは常套手段ですが、この試合に限らずJ2ではVARがない関係からか、ファイルに対して選手がよく転ぶし、痛がるし、審判にも詰め寄るように感じてます。
審判へのアピールなんでしょう。その意味ではヴェルディはJ2の環境に長けていて、試合巧者だったと言えます。ただこういった行為は、セルフジャッジにつながり、結果として環境依存のサッカーをしていることになります。けっして好ましいとは思いません!
この試合ではバスケス・バイロンが同じ様なシーンを多く見かけました。前述と同様にファウルを促す行為、延いては主審を欺く行為に発展するのは明らかです。
サンタナx山越、バイロンx岸本と、どちらも激しいデュエルを再三繰り広げていたので、なんとかして優位に立ちたかったんでしょう。理由は分かりますが、それはサッカーではないですよね。
結果的にJ2のジャッジレベルを上げなければ…という、よく目にする審判への批判めいた結論に行き着くんですが、そんなことを言い訳にせずに勝ち切ることこそが、J1への復帰を目指す清水エスパルスの理想の姿だと思いました。【了】


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