ニヤッとしてうどんをすすった





インドから帰国して5ヶ月が経った。


わたしの暮らしはすっかり元通りだ。
慌しく毎日が過ぎていく。

2023年上半期が静かに終わろうとしている。




1月22日、新月の朝
私が乗る飛行機は無事羽田空港に着陸した。


あともう少し、もう少しで家族に会える


「日本に着いた。今から伊丹空港行きの飛行機に乗るよ。」
旦那に電話をかけた。

「わかった今から向かう。」と10秒程の会話だった。
その時私と旦那の間に若干の温度差を感じた気がしたけど、疲れと寝不足と
何より心が弾んでいて
そんなことは気に留めなかった。


羽田から伊丹までのフライトは1時間。
つい数時間前まで後ろ髪を引っ張られながら
インド滞在延長が頭をよぎっていたのに
そんな考えはすっかり消え去っていた。

早く家族に会いたい。
子供たちを抱きしめたい。

1時間のフライト中、頭の中では感動の再会シーンが再生され、家族の顔を1人1人思い浮かべては胸が熱くなっていた。

伊丹空港に到着し大きなスーツケースを転がしながら家族の姿を探した。


「ついた!どこにいる?」

電話の向こうで彼はだるそうに答えた

「ああ、寝てた。今起きたわ。」

とゆうのだ。

どうやら二度寝していたようだった。

さっき感じた気がした若干の温度差は
かなりの温度差だったのだ。


私は空港の真ん中でガックリと肩を落とした。


残念だった。

勝手に心弾ませて期待していた自分に苛立だった。


誰かや何かに期待するんじゃなく、
"trust"しようと決めて生きてきたのに
この期に及んで私は無意識に自分勝手に
期待や理想を抱いていた。

そして裏切られたかのような悲観的な態度で
寝ていた旦那にキツイ言い方で当たった。

自作自演の劇場だ。





そんなもんでしょう、人生は。
これが、これこそが私の人生なんだよ。

深く息をはき
私は全部にsurrenderした。

もしかしたら
前までの私だったら
私の人生こんなはずじゃない、
と抵抗していたかもしれない。


わたしはニヤッと笑ってしまった。

帰国後のスタートラインは
やっぱり私らしく面白かった。 


うどん食べよ。

帰国したらまずはうどんか蕎麦と決めていた。

刻んだお揚げがのった温かいうどんをすすり
その美味しさに心も体も救われた。

空港に家族は来なかったけど
旦那は朝帰りで二日酔いだったけど
それは別に悪ではない。


実家に子供達を迎えにいくと
いつもの元気な姿があった。
3人とも嬉しそうに少し照れ臭そうにこちらを見た。

そしてたくさん沢山ハグをした。



現実は、外側の世界は、
自分の内側を映し出している。

わたしたちは
自分が見たい世界しか見れない。見ることができない。無意識にそれを選んで目の前にやってくるのだ。

その見えている世界はどこまでいっても果てしなく自分の中の現れで
自分の中だけで起きている。
良いことも悪いことも。


そしてそんな小さな自分の世界は
実は他の全てのこと(大きな世界、大いなる流れ)にいつも支えられている。

わたしはこれからもこの大きな流れに
自分の内側を映し出しながら
抵抗したり降参したりしながら生きていくのだろう。


私たちは人生のクリエイターだ。 

みんなはどんな世界がみたい?





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