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映画『私のはなし 部落のはなし』
今年になり『かば』、『破戒』と立て続けに被差別部落に関する映画を観たのだが『かば』はお客様に上映会を勧められて、『破戒』は島崎藤村という理由だけでレンタル、そしてこの『私のはなし 部落のはなし』は心友のセレクト…全て偶然が重なるという奇跡✨
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5/19はリンコロシネマにて『かば』の上映会も決まり、これは何かに導かれているとしか思えない…
途中5分ほどの休憩を挟みながら3時間25分という長尺に込められた監督の想いがズッシリと響くドキュメンタリーでした。
私の住む静岡県東部地区には(あったのかもしれませんが)部落差別という事実は確認されず今まで無縁だったこともありピンと来なかったのですが映画を観るにつれ今は深刻な歴史なのだと実感しています。
映画の中でインタビューに語る当事者、当事者同士の対話、部落周辺に住む人の本音、差別する側、差別される側…中でも「部落地名総鑑」を出版した示現舎(じげんしゃ)の代表、宮部龍彦(みやべ たつひこ)氏が行なっている「部落探訪」に同行し話を聴くシーンは強烈なインパクトであり、かなり考えさせられる内容でした。
上映後に行われた満若勇咲(みつわか ゆうさく)監督をホストに映画の中でも貴重なお話をされていた静岡大学学術院教育学領域教授の黒川みどりさんの講義(?)がたいへん興味深く、“どれだけマニアックな映画を観てるんですか?”と突っ込みたくなるほど黒川さんが差別を扱った映画にお詳しくて吃驚!!
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何事も極めた人の話は面白いのです✨
黒川さんは「先生」と呼ばれるのを嫌っていて、きっと「上下などない」というお考えの元なのだろうと推測したのですが事実はどうなのでしょう…
上映後の講義でも興味深い話が連発されましたが、なかでもこの映画のことを「“個”を大切にしている映画」と仰られたことが印象的であり、確かに個を的確に捉え、同和問題をテーマに扱ったドキュメンタリーとしては画期的な視点で語られる異色の作品だと感じています。
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生煮えではありますが一言では語り尽くせぬ魅力的な映画でした。
なかなか観る機会に恵まれることのない映画かもしれませんが、観ることができるなら絶大にお勧めします。
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